2927.jpgベニシジミLycaena phlaeas。茨城にて。

ベニシジミの幼虫は、シジミ類のそれとしては珍しくアリと共生できない。

2924.jpgゴマダラチョウHestina persimilis。福岡にて。

2月に某テレビの取材を受けた際、必要にかられて冬眠中のゴマダラチョウの幼虫をほじくりかえしてしまった。クソ寒い中外へ出してしまい、あとで元通りにしたとはいえ奴がその後ちゃんと冬眠をやり遂げることができたか気がかりだった。ひとまず、貫徹できたようで安心した。

2896.jpgコバネガ一種幼虫Micropterigidae sp.。聖なる山にて。

現存する鱗翅目昆虫の中で、一番原始的な形態を残しているガの仲間。薄暗い山道の際から水が染み出ているような場所に限って生息し、幼虫はそこに生えるコケを食う。自分の生息エリアから遠く離れることが出来ないため、地域により種が分かれる傾向にある。
とても小さなガだが、まったく偶然ながらモスラに極めてよく似た形態・生態的特徴を持つので、虫マニアの間ではそれなりに有名。

幼虫は冬から春にかけて成長するというので探しに行ったら、どれも葉の表面からは撤収して裏側で前蛹になっていた。葉の表にいる姿を見たかったのだが、3月末では遅かったらしい。

※サンダンキョウヒロコバネNeomicropteryx bifurca だそうです。KUWAKIRA様、ご教示誠にありがとうございます。

2818.jpgプライヤキリバGoniocraspidum pryeri。大分にて。

洞窟で数多く発見される、奇妙なガの一種。成虫は夏に羽化するらしいが、羽化後はまともに活動しないまますぐ近隣の洞窟や隧道に入り込んで休眠に入ってしまう。そのまま冬も越し、翌春にやっと外へ出て交尾産卵の後すぐくたばるらしい。何が楽しくて生まれてきたのかよくわからない生活史を持つが、実の所ガの大半種の生活史なんてそんなもの。

しばしば一か所に多数個体が集結して眠っている。湿度の高い洞窟内では、体がびっちり結露している。生きながらカビにやられて死んでいる奴が多い。コウモリが住む洞窟では、かなりの個体が休眠中コウモリに食われることも明らかになっている。生を謳歌するでもなく、まして生きるのに全く適さない環境をわざわざ選び、引きこもって過ごさねばならない理由がますますわからない。

Sano, A. (2006). Impact of predation by a cave-dwelling bat, Rhinolophus ferrumequinum, on the diapausing population of a troglophilic moth, Goniocraspidum preyeri. Ecological Research, 21(2), 321-324.

膝丸燈

2808.jpgオオミノガEumeta japonica。静岡にて。

たまたま多産するエリアを発見した。あれだけの数をまとまって一度に見たのは久しぶり。というより、下手すれば人生初かもしれない。しかし多産といっても無尽蔵にいるわけではない。また、そこから数百m離れた所にある、去年そこそこの数を見た区画には全然いなかった。年により、発生のコアエリアが変動するように思える。
情けないことに、これの成虫と交尾を生まれてこのかた一度も見たことがない。なるべく自然状態で観察する機会に恵まれないものか。

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一見、小枝を平行に並べて付けているのでチャミノと思ったが、上部を枝にガッチリ固着させない紡錘形なのと、そもそもサイズがチャミノに似つかわしくない様だったので、オオミノガと断定できたもの。

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オオミノガは広食性で、様々な樹種の葉を食べると言われている。とはいえ、一つの地域内でこれが多く付いている樹種には結構偏りがあるように思う。この撮影エリアでは、数ある樹種の中でも栗と梅に集中している雰囲気だった。予想だが、これは地域個体群によって嗜好樹種が違うというよりは、母蛾のミノから一令幼虫たちが孵化・脱出した際に何らかの理由で上手く周囲に分散できず、そのまま母蛾のいた木に多数の幼虫が居ついて成長した結果なのではなかろうか。それならば、年により多く目に付くエリアが変動することに対しても説明が付く。

日本においてオオミノガは、大陸から侵入した寄生バエによって全国規模で蹂躙されるまでは決して数少ないものではなく、場所によっては大発生して庭木や果樹に大害が及ぶほどだったらしい。そこまでオオミノガがうじゃうじゃいる光景を、生きているうちに一度でも見てみたかった。日本にハエが存在しなかった時空まで遡らない限り、もはや叶わぬ夢だろう。