2819.jpgリュウガヤスデ一種Skleroprotopus sp.。福岡にて。

好洞窟性で、地下空隙に住む。こいつにとって地下にいることは、生存の必須条件ではない。

ボロギギリ

2779.jpgナガトゲオビヤスデEpanerchodus lobatus

富士山麓に点在する火山岩洞窟に生息する、地下性生物。洞口から深部まで広く見られるが、深部の個体ほど退色する傾向にある。完全無色の種に比べて、色の抜けない本種は三下のように思っていたが、これはこれで美しいかもしれない。

2335.jpgオオセリュウガヤスデSkleroprotopus osedoensis

2336.jpg九州中部に生息する、好洞窟性種。洞窟に住むことは生存に必須ではないが、洞窟で見かけることが多い生物。生息地での個体数はきわめて多く、コウモリのクソの山にスパゲッティーの如く群がっている。知らない人がそれを見ると、引く。

色の極端に濃いやつと薄いやつがいるが、理由は不明。脱皮後の経過時間の差によるものか。

2308.jpgゴトウノコギリヤスデPrionomatis verrucosum

五島列島の地下空隙に固有。全身純白。

1553.jpgウエノオビヤスデEpanerchodus sulcatus

1555.jpg本州の限られた石灰岩洞窟にだけいる、地下性ヤスデ。産地では多く、洞内の床に堆積したコウモリのクソの山におびただしい数がたかる。体の色素は残っているが薄く、洞の深部にいる個体ほどその傾向が顕著。

1554.jpg配偶。ヤスデは昆虫などと違ってチンコ(いわゆるペニス)がなく、代わりに上半身の腹面にある特有の生殖器官を使い、交接と呼ばれる配偶行動を行う。オスは腹面にあるゴノポッドという小さな脚みたいなものを、メスの腹面の生殖孔に挿入する。互いの上半身を密着させる必然性から、交接中の雌雄は向かい合って抱き合う体制となる。
ゴノポッドの形態は種特異的で、基本的にヤスデの種分類や同定はオス成体の形態によりなされている。逆に言えば、オス成体を採らないことには、ヤスデの正確な種同定はできないと思っていいだろう(Takashima and Haga 1956)。

小中学校の頃、当時のある教員が「向かい合って交尾する動物は、人間しかいない」と言っていたのを覚えている(小中学校で教える事なのか否かは別として)。しかし、残念だが少なくともヤスデとカニに関してはその限りではない。



Haruo Takashima, Akiharu Haga (1956) A Contribution towards the Japanese Cave-dwelling Species of the Class Diplopoda. 山階鳥類研究所研究報告, 1(8), 329-343.