2820.jpgツヤケシマルヒメドロムシOptioservus sakaii。九州にて。

山間の細流の水底にいて、岩にしがみついて暮らしている。ゴマ粒ほどもないサイズだが、燃えるような赤い模様を背負い、とても美しい。
もともと「セアカヒメドロムシ」と呼ばれていたものだが、それが実際には外見の似た複数種で構成されていることが判明し、細かく分類され直した。そのうちの一人がこれ。

2821.jpgキウチメクラチビゴミムシHimiseus kiuchii

四国の限られたエリアにのみ出現する。一属一種で同類が他におらず、分類学的に特異。この手合には珍しく、遠縁の2種のメクラチビゴミムシと同所的に共存する。

根暗チビ

2778.jpg地下性甲虫。

ある洞窟に特有。その時により見つけやすかったり、まったく見つからなかったりの差が著しい種。ピンポイントで生息する洞名を冠するので、種名を書けない。見て分かる奴だけが見て分かればいい。つまり業務連絡。

2791.jpgドウクツケシガムシCercyon uenoi

ガムシの仲間は水生昆虫として名高いが、陸生種も相当多い。陸生種は軒並み微小で、動物の糞や腐敗物といった有機物を餌にしている。海外には、アリやシロアリの巣のごみ溜め部屋にしか住まない者さえいる。水生ガムシは英語でウォータースカベンジャービートルだが、スカベンジャーなのは陸生種も変わらない。

九州の限られた洞窟内の、限られたハビタットに固有の種。コウモリのクソの山に潜り込み、これを餌とする。日本産ガムシ類としては恐らく1番地下生活に特化した種で、体が赤い。しかし、眼までは退化しなかった。
元々生息域は極限される。さらに、産地の外見上の環境は昔とさほど変わらないにも関わらず、激減しているという。一見、地上とは隔絶された環境に思える洞窟も、その構造や立地により外界の影響を多分に受けるものである。洞窟の生き物が少ないという時、それがたまたま調査した時の季節的な要因のせいなのか、本当に環境が悪くなって減っているのかは、慎重に判断されるべきであろう。

2790.jpg体長3mmに満たず、地上に出てこないこの虫の存在を知る者は少ない。まして、実はこの虫を裏返すと、胸元の真ん中(中脚左右の付け根)に小さな舟の形のスティグマを抱いている事を知る者は、皆無に等しい。この種を含め、幾つかの腐れ物食い陸生ガムシはこの特徴を持つ。なぜ舟の紋章を持つのかは謎。水生の種にも、持つものは持ってるのかもしれないが、詳しくないので知らない。
陸生種しか持っていないのであれば、陰気な汚物まみれの生活にうんざりし果てて、他の仲間達のように広大な水の世界へ漕ぎ出したいという憧れが具現化したもの、と珍説を唱えておく。

がんつ

2754.jpgクロマルコガネAlissonotum pauper。喜界にて。

小さくてしょぼくれたコガネムシだが、分類学上は限りなくカブトムシとして扱うべき種とされる。開けた海岸沿いの芝生に、夜間少なくない。昔はトカラの辺鄙な島にしかいないように、図鑑に書いてあった気がするが…

2755.jpg地味だしツノもないし、面白みに欠ける外見のカブトムシ。しかし、黒くて光沢のある、傷だらけの外骨格は、歴戦の武将が使い込んだ鎧の趣き。