双想ノ唄ネオトロピクス・諸々

南米の写真は、これで終わり。

IMG_5584.jpg
オオズアリPheidole sp.の巣にいたアリヅカムシ。アリヅカムシとしては破格の巨大種。なぜか雰囲気が日本のハケゲアリノスハネカクシLomechusa sinuataに似ている。ペルーにて。

IMG_5634.jpg
オオズアリの巣にいたハネカクシ。アリからは無視されていた。しかし、これは好蟻性なのかどうかよく分からない。ペルーにて。

コウチュウ・マンマルコガネ
マンマルコガネ一種。灯火に飛来した個体。透明感のある赤色で、虹色の光沢を持っている。マンマルコガネは世界中の熱帯にいて、粘土状の物質=糞で木材を覆いながら食い進むタイプのシロアリの巣で見つかることが多い。大抵好まれるのはイエシロアリ属Coptotermesやテングシロアリ属Nasutitermes。エクアドルにて。

コウチュウ・マンマルコガネ
テングシロアリの古巣にいた別種のマンマルコガネ。交尾中。エクアドルにて。

コウチュウ・マンマルコガネ
テングシロアリの古巣にいた、また別種のマンマルコガネ。落ち着いた鶯色が渋い。東南アジアのマンマルコガネは煌びやかな種が多いが、南米のはこういう感じの種が多いような気がする。エクアドルにて。

コウチュウ・マンマルコガネ
別のマンマルコガネ。夜間倒木に来ていた。妙に泥で薄汚く汚れた種類だな、と最初思った。しかし汚れていたのではなく、そういう模様の種類だった。エクアドルにて。

IMG_4860.jpg
テングシロアリの巣にいた小さなハネカクシ。シロアリの歩いた跡を正確にたどる。ペルーにて。

IMG_4828.jpg

IMG_4830.jpg
テングシロアリの巣にいたハネカクシ。腹部が大きく肥大している。シロアリと共生する甲虫やノミバエにはこういう姿の種類がとても多い。これは単に餌を沢山食べて膨れたわけではない。
この手の虫は羽化直後は普通の姿をしているが、シロアリとの共同生活が長引くに従って腹部が成長し、巨大になっていく。シロアリの持つ化学物質に接触し続けることが引き金になって起きる現象と言われている。昆虫は成虫になった後は体が成長しないというのが常識だが、彼らは例外中の例外。ペルーにて。

IMG_5945.jpg
テングシロアリの巣にいた、とびきり奇怪でおぞましい姿のハネカクシ。数ある好白蟻性ハネカクシの中でも、相当珍奇な部類だろう。最初見たとき、甲虫とは思えなかった。動きは鈍く、ゆっくり歩き回る。胸部を見たとき、摘出された眼球を連想した。ペルーにて。

IMG_6076.jpg
真横から見ると分かるが、この虫は腹部を曲げて上に反らせている。つまり、腹の裏側を背にして過ごしているのである。ペルーにて。

双想ノ唄ネオトロピクス・諸々

IMG_5992.jpg
トフシアリ一種Solenopsis sp.の巣にいたハガヤスデ科一種Pyrgodesmidae spp.。日本のアリの巣にも似た種類がいる。ペルーにて。

IMG_0778.jpg
トフシアリ一種の巣にいた、恐らくハガヤスデ科一種。平べったい変わった姿。他にオオズアリPheidoleやハキリアリAttaの巣にも、これと見た目遜色変わらないものがいた。ペルーにて。

IMG_3829.jpg

IMG_6296.jpg
ミツバアリAcropyga sp.とアリノタカラカイガラムシEumyrmococcus sp.?。ミツバアリは、究極の牧畜アリ。地表にはいっさい採餌に出ず、地中で特殊なカイガラムシを養っている。これが出す甘露が、彼らの唯一の食料。カイガラムシの方も、このアリに養われる以外に生きる術を持たない。敵襲の際には、アリは我が子同然にカイガラムシをくわえて避難する。
ミツバアリとアリノタカラは、ともに世界中に分布しており種数も多い。しかし、共生関係を結ぶ双方の種の組み合わせは厳密に決まっている。ペルーにて。

IMG_6063.jpg
ミツバアリの結婚飛行。巣別れの時、翅の生えたオスと新女王が空へ飛び立ち、空中で交尾する。新女王は、地中の巣から飛び立つ前に必ず一匹のアリノタカラをくわえていく。交尾後オスはさっさと死ぬが、新女王は地上に降りて翅を落とし、地中に巣を作る。そして連れてきた家畜と一緒に、新しい国を築きあげるのだ。
交尾を終えて地下に潜るまで、新女王は死んでも家畜を放さない。アルコール漬け標本にされてもまだくわえたまま。ペルーにて。

ハエ・アリスアブ一種1、1
アリスアブ一種Microdon sp.。日本のヒメルリイロアリスアブM. caeruleusにそっくり。エクアドルにて。

IMG_6422.jpg
アリヤドリコバチEucharitidae spp.が、植物に産卵管を突き立てる。メスは、いろんな植物にランダムかつ多量に産卵する。やがて孵った幼虫は、偶然通りかかったある種類のアリに付着して、アリの巣内にまんまと進入する。ペルーにて。

IMG_6418.jpg
アリヤドリコバチの仲間は、いずれの種も金属光沢が美しい。奇妙な角を生やしたものもいる。ペルーにて。

IMG_3931.jpg
ナベブタアリCephalotes atratus。平べったい特徴的な姿。樹上に住み、滑空するアリとして知られる。ペルーにて。

クモ・クモ一種5、1

クモ・クモ一種2、1
ナベブタカニグモ(仮名)Aphantochilus sp.。ナベブタアリにぱっと見の姿や肌の質感がそっくり。アリを専門に食うらしく、そのメニューの中にはナベブタアリも入っている。エクアドルにて。

IMG_6306.jpg
アリ庭園。アリと共生関係を結ぶ植物は世界中にあるが、このタイプのものは中南米特有。オオアリ属のある種Camponotus sp.は、樹上の枝に木くずを集めて丸い巣を作る。そして、その外壁にいろんな種類の植物の種を集めてきて植えるのだ。これまで十数属の植物で、この「庭園」でしか見つかっていないものがあるという。アリも、これら植物からいろんな恩恵を受けているらしく、とても大切に育てている。
敵が来れば、アリ達は集団で巣から飛び出して戦う。さらに、アリ達はその辺から動物の糞を集めてきて、肥料のように巣の表面に撒きさえするという。ペルーにて。

双想ノ唄ネオトロピクス・諸々

IMG_5081.jpg
ハキリアリAtta sp.が木の葉を切り取って、巣に運ぶ。これを加工して、キノコを育てる畑の材料にするためだ。ハキリアリを含むハキリアリ族Attiniのアリは新大陸固有で、キノコを巣内で育てて餌にすることで有名。ペルーにて。

IMG_5534.jpg

IMG_5546.jpg
地下20センチ位の所にあるキノコ畑、菌園。綿ぼこりのような質感で、さわるとすぐつぶれる。白いのが菌糸。放っておけば立派な傘のキノコに成長するが、その前に収穫してしまう。排泄物を肥料代わりに撒き、関係ない菌がはびこれば除く。ペルーにて。

IMG_5604.jpg

IMG_5610.jpg
もう一つのハキリアリ、トガリハキリアリ(ヒメハキリアリ)Acromyrmex sp.。ハキリアリ族に含まれる13属のアリの内、本当に生きた緑の葉を切るのはハキリアリ属とこの属だけ。他の属は、枯葉や虫の糞を菌の苗床にする。種類により、栽培する菌の種類も決まっているらしい。菌とアリは、互いに依存しあって生きている。
古くなって菌が育ちにくくなった菌園は、崩された後に地中のゴミ捨て部屋にまとめて棄てられる。菌園、そしてこのゴミ捨て部屋は、様々な居候昆虫の住処になっている。ペルーにて。

IMG_1613.jpg

IMG_1623.jpg
ハキリアリの菌園だけに住む可愛らしいゴキブリAttaphila sp.。属名はそのまま「ハキリアリ好き」。素早く走り回り、恐らくキノコや菌園そのものを食べているのだろう。アリの巣別れ=結婚飛行の時には、翅の生えた新女王の頭にこれが乗り、一緒に飛んでいくらしい。ペルーにて。

IMG_1588.jpg

IMG_1604.jpg
ハキリアリの巣にいるアリヅカムシAttapsenius sp.。よく見ると、アリヅカムシとしてはかなり変わった形をしている。小型の働き蟻の背に乗る。大型の働き蟻の場合は、頭に乗る。観察例はないが、こいつもきっとゴキブリのように女王蟻の頭に乗って飛んで行くに違いない。ペルーにて。

IMG_1176.jpg

IMG_1185.jpg

IMG_2683.jpg
アリノスマグソコガネの一種Euparixia sp.。元々は糞転がしの仲間。新大陸には、好蟻性になったマグソコガネ類がとても多く、なぜかそれらは皆ハキリアリやファイヤーアント(トフシアリ属Solenopsis)と関係を持つ。夜間、アリの巣の入り口近くにとても多かった。ペルーにて。

IMG_3367.jpg
すらっと長い脚と、瓢箪のようにくびれた姿が特徴。ハキリアリと共生するマグソコガネ類は他にも沢山いて、それらは大抵地中の菌園とかゴミ捨て部屋にいる。特にゴミ捨て部屋は、他にダイコクコガネやクロツヤムシなど、大型の好蟻性甲虫がわんさかいるらしい。がんばって掘ろうとしたが、相当深いところにあるらしくて無理だった。ペルーにて。

IMG_2659.jpg

IMG_2662.jpg
ハキリアリの巣口にいた、素早いハネカクシ。弱ったアリを襲い、物陰に引きずり込んで殺す。ペルーにて。

ハエ・ノミバエ一種1、6(
ノミバエ一種。ハキリアリの行列に沿って飛び回る。この手のノミバエの種類は多いらしい。彼らの目的は、アリの運ぶ葉に卵を産み付けて巣内に運ばせ、ゆくゆくは菌園を食い荒らすこと。あるいは、アリそのものを攻撃するためとも言われる。葉を運ぶ最中のアリは、ハエに対して一切の防御策を持たない。なので、大抵葉っぱの上には小型のアリ(リーフライダー)が常駐して、この面倒な敵を遠ざける。
また、ノミバエが高密度で生息する地域では、ハキリアリはハエの飛ばない夜中だけ外勤に出る傾向がある。エクアドルにて。

IMG_3503.jpg

IMG_3586.jpg
ムシクソツノゼミBolbonota sp.を守るシリアゲアリCrematogaster sp.。シジミタテハの一種幼虫が割り込んで、ツノゼミの甘露を盗む。ペルーにて。


今日も昨日ほどではないものの、すごい勢いでアクセスカウンターが動く。何かの間違いじゃなかろうか。
発端は、たった二人の知人がツイッターとかでここを宣伝したのが始まりだったはず。もともと内に閉じたブログだったし、せいぜい広まっても身内10人程度だろうと思い、身内10人に読ませるつもりで気軽に駄文を並べていた。しかし、このアクセス数。どう考えても、10人ぽっちの工作員の仕業じゃなさそうだ。
ブログはやっていれば自然と広まっていくのだろうが、もう少し段階を踏んでいくものとばかり思っていた。ネットの力、恐るべし。

双想ノ唄ネオトロピクス・フォース

IMG_4452.jpg

IMG_4474.jpg
ショウヨウアリNomamyrmex sp.。ヒメグンタイアリNeivamyrmexをより大型にし、装甲を強固した武装タイプの戦士。つや消しの感じがかっこいい。他種のアリを襲って糧としている。彼らは、巨大な巣を構え鉄壁の防御力をほこるハキリアリAttaの巣にけんかを売りに行ける、おそらく唯一の天敵。ペルーにて。

IMG_4050.jpg

IMG_4076.jpg
ショウヨウアリの行列にいた小型のハネカクシ。すばしっこい。あまり変わった姿ではない。ペルーにて。

IMG_4063.jpg

IMG_4125.jpg
アリじみた不思議なハネカクシ。Ecitocryptus sp.?か。最初見たとき、なぜかハートの形を連想した。どこにもそんな形はないのだが。ペルーにて。

IMG_4074.jpg
別のアリ型ハネカクシ。腹部の形が上のと違う。そして脚つきががっちりしている。ペルーにて。

IMG_4298.jpg

IMG_4086.jpg
また違うハネカクシ。頭の形が長細い印象。アリと一緒に歩いていく。左端に、例によって謎の翅なしノミバエが写り込んでいた。ペルーにて。

IMG_4430.jpg
小さい雫型のハネカクシもいた。早い。アリの行列をたどる様は火の玉が流れていくように見える。ペルーにて。

IMG_4481.jpg
ムクゲキノコLimulodes sp.とハネカクシが偶然並んだ瞬間。上のハネカクシにそっくりな平たい奴だが、つや消しなのと目が付いてない(ように見える)ので区別できる。ペルーにて。

IMG_4211.jpg

IMG_4199.jpg

IMG_4204.jpg
必殺・ノミバエ。アリの腹に止まり、肛門に産卵管を打ち込んで寄生するようだ。例によって、その瞬間は撮れない。ペルーにて。

IMG_4241.jpg
「志村後ろ」状態。鋭いカマ状の産卵管を振りかざし、今、襲う。ペルーにて。

IMG_3995.jpg
行列の脇をガードする働き蟻たち。歩いてないアリ達は、例外なく腹を前方に向けて曲げている。ずっと観察していて、理由が分かった。天敵のノミバエに後ろをとられないようにするためだったのだ。ハエは、止まっていて一見狙いやすそうなアリには決して攻撃せず、腹を後ろに伸ばして歩いている最中のアリだけを特異的に攻撃していた。ペルーにて。