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粘菌一種。倒木上に発生したが種類はわからない。長野にて。

IMG_4444.jpg粘菌アミホコリ属一種Cribraria sp.?の変形体。
粘菌の変形体は、野外で見かけるものは白か黄色のものが多いが、これは怪しい青色。森の薄暗い場所を這い回り、細菌などを取り込んで食うようだ。肉眼ではわからないほどのゆっくりしたスピードで動き回るが、一時間くらい経ってから様子を見に行くと、ほんの少しだけ居場所が変わっているのがわかる。

アメーバ状の変形体の状態で粘菌の種同定は不可能。子実体になってからその子実体そのもの、あるいは胞子の形態を見る必要がある。明るい倒木上に変形体が現れるのは、胞子を飛ばす子実体に変身するためなので、大人しく変身するのを待てば良い。

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2-3日後、上の変形体のいた場所に出来ていた子実体。

長野にて。

腐海の谷の熊楠

今年の梅雨は雨がものすごく多かった。虫にはあまりいい条件ではなかったが、近所の森は常にジメジメした状態が続いたため、粘菌が非常にたくさん姿を現した。今年は粘菌に関しては当たり年のような気がする。
粘菌は全く専門外で種類はぜんぜんわからないが、とにかく見ているだけで面白い。こんな生物がいるということ自体が驚きだ。動物でもなければ植物でもない。そして菌でもない。既成の概念でくくりきれない生物の寄せ集め。

IMG_1964.jpgハタキのような風船のようなやつ。

IMG_1969.jpgまんじゅうのような奴。

IMG_1971.jpgたぶんツノホコリ一種Ceratiomyxa sp.。サンゴのような形だが、触ると簡単に潰れていやらしく糸を引く。

IMG_5048.jpgこれもたぶんツノホコリ一種。ツノホコリには形の違う幾つかの変種がいる。

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たぶんサビムラサキホコリStemonitis axifera。普通にいる。

IMG_2483.jpgムラサキホコリ属一種。小さい。

IMG_463.jpgクモノスホコリCribraria cancellata。普通にいる。これは新鮮な個体。

IMG_4633.jpg内部の胞子を飛ばしたあとのクモノスホコリ。ぼんぼりか扇風機のような骨組みだけが残る。

上に示した写真は、すべて近所の森の小路をほんの200m程度歩く中で、道脇の倒木に見られたもの。梅雨時の森の倒木上は、粘菌の博物館だ。
なお、これらはすべて胞子を飛ばす子実体と呼ばれる姿。アメーバのように地面を這い回る変形体という姿が、日の光を浴びてこれになる。

粘菌といえば南方熊楠。南方熊楠は、日本三大奇人と呼ばれているらしい。俺が四大奇人の四人目になるまでの道のりは、果てしなく遠い。

長野にて。

死のアフロ

IMG_1753.jpgコブガタアリタケTorrubiella sp.。冬虫夏草の種同定は、本来なら胞子の形態を顕微鏡で精査する必要があるのだが、日本では恐らくこれに似たものが他にないのでコブガタアリタケとしておく。

IMG_1740.jpg日本のアリに寄生する冬虫夏草としては極めて珍しい種。寄生されたアリは、周囲の植物の茎にガッチリ噛みついた状態で息絶える。すると、アリの後頭部からアフロのように瘤状のキノコがムクムクと出てきて胞子を飛ばす。局所的に多く発生する傾向があるようで、ここに示した写真の個体はアリの巣の周辺で10個程度がまとまって発見されたその一部。いずれもやや古い個体ばかりで、アリの胴体がみな破損していた。秋口に来れば新鮮な個体が見られるかもしれない。

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コブガタアリタケの寄主としてはムネアカオオアリCamponotus obscuripesが記録されているが、俺が見つけた個体の寄主アリはやや特殊な環境に生息する特殊な種。多分寄主としては日本初記録だと思うので、ここでは詳細は秘密。