出待ち

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ハゴロモ一種。シタベニハゴロモの仲間Penthicodes sp.だろう。木の汁を吸っては余分な水と糖分を多量に出すため、この虫の周囲にはよくアリが集まる。しかし、この個体にはなぜかゴキブリが来ていた。ハゴロモが甘露を出すのを後ろで行儀よく待っているので、見て思わず微笑んでしまった。

俺が学生時代過ごした大学は、昼になると構内の大学生協前の広場に弁当を売るテントが出る。当時、このテントに弁当を買うべく並ぶと、時々dqnな学生が暴言を吐きながら列に無理矢理割り込んでくることがあった。ゴキブリでさえ食事は行儀よく待つというのに、まさにゴキブリにも劣る人間だと思った。

タイにて。

歩く拷問具

P1320799.jpgヘリビロトゲトゲ一種Platypria sp.。見た目は凄まじいが、大きさは5ミリくらいしかないので野外では大層目立たない。タイにて。

これと見た目遜色変わらないものは、日本の対馬にもいる。

IMG_9699.jpgたぶんヒメクールガエルLimnonectes laticeps。沖縄のナミエガエルL. namiyeiにそっくり。夜になると沢沿いに姿を現す。

IMG_9702.jpg正面を向かせようと口元を指でつついて誘導したら、アマガミされた。

マレーにて。

IMG_9092.jpg派手なバッタ。雰囲気でわかるように毒を持っている。簡単に手で捕まえられるが、捕まった瞬間に胸部からやたら青臭い泡をブクブク出す。

東南アジア某所にて。

IMG_7482.jpgジャングルの倒木上に見られる美しいゴキブリ。成虫でも1センチ程度にしかならない。同所的に生息するテントウダマシに雰囲気が似ているため、マニア連中の間で「テンダマゴキブリ」とか呼ばれる。動きはニュートリノのように素早い。ニュートリノって素早いんだっけ。

熱帯の森に住む小型のゴキブリには、甲虫に似た雰囲気のものが多い。いずれもテントウムシやベニボタル等、毒を持つ甲虫に似たものばかりである。

マレーにて。

IMG_0273.jpgテントウダマシ一種Endomychidae sp.。サルノコシカケのついた倒木に夜間現れる。よく見るとかなり複雑な形状。マレーにて。

IMG_8997.jpgヒゲブトアリRhopalomastix sp.。東南アジアではそんなに大騒ぎするほど珍しくはないが、日本ではかつて沖縄でたった一匹採れただけの幻のアリ。東南アジアでも、その生息環境の特殊さ故に、ある程度経験を積まないと発見し難い。非常に小型のアリで、ワーカーでも胸部ががっちりしているため女王アリっぽく見える。

このアリの最大の特徴は、樹皮の下に営巣すること。樹皮下に営巣するアリなぞこの世にいくらでもいるのだが、このアリが変わっているのは必ず生木の樹皮下にしか住まないことである。ジャングルの林縁に時々生えているサルスベリのような木の皮をペリッとめくると時々見つかる。

なぜ生木にしか住まないのかは分かっていない。ただ、俺はこのアリがとある生物と密接な関係を持ちながら生きていることと関係しているんではないかと踏んでいる。

マレーにて。

苦労するの遊んじゃうの昔・・・というアニソン

IMG_0007.jpgアリギリス(アリガタギス)Eurycorypha sp.幼虫。幼虫期にアリにそっくりな姿をしているので有名なツユムシ系のキリギリス。東南アジアではしばしば見かける虫で、遠目にはある種のトゲアリPolyrhachisに似ている。しかし、成長すると全然アリに似ていないただのキリギリスになってしまう。

なお、この虫は全成長ステージ通じてアリとは何の関係もない生活をしている。ただ弱小時期にのみアリの威を借りているだけ。

マレーにて。

IMG_7735.jpgホラアナゴキブリ一種Nocticola sp.。東洋区には広く分布しているらしい超小型のゴキブリで、地下性。ベッコウ細工のように繊細で美しい姿をしており、一般的にどの種も薄い体色と退化した複眼という出で立ち。この個体には翅がないが、ある個体もいる。

東南アジアの森で石を起こしてアリの巣を探すと、しばしばこのゴキブリが巣部屋にみつかる。ホラアナゴキブリの仲間は、古くからアリやシロアリの巣から得られることが知られている。でも、アリの気配がないただの石の下でもかなり見つかるし、アリなしの状況下でも長期生存可能のようで、これらを好蟻性と言っていいものかよくわからない。

このゴキブリは飼育下では虫の死骸をよく食べるため、野外でもそうした物を摂取しているものと予想される。また、このゴキブリは動作が恐ろしく素早く、アリの巣内にいてもたぶんアリに捕まって殺されることは殆どないだろう。元々地中の空隙に住んでいたものが歩きまわるうちにたまたまアリの坑道に出てしまい、餌があって追い出されることがないのでそのまま居着いているという雰囲気である。

マレーにて。

IMG_0238.jpgカキアゴハリアリMyopias sp.。東南アジアの森林に住む土壌性のアリ。肉食。マレーにて。

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ドロバチ一種Eumeninae sp.。この仲間は似た種類が多くてよくわからない。獲物を追い出そうと躍起になっている最中。

ドロバチ類は、植物の葉を巻いて中に潜むハマキガやメイガ等の幼虫をよく狩る狩人蜂。低空で草原を飛び回り、蛾の幼虫が作った葉巻を探しまわる。新鮮な糞の匂いを手がかりにして、内部が見えない葉巻の中に獲物がいることを察知するらしい。獲物が中にいることを確信すると、葉巻に降り立つ。そして、凄まじいスピードで走り回りながら葉巻の右端をガリガリ齧り、今度は左端をガリガリ齧り、という嫌がらせを執拗に続ける。腹部を工事現場のドリルのように高速で葉巻に打ち付けたりもする。
蛾の幼虫は葉巻内部で右往左往して逃げ回るが、やがて蜂の騒音公害に耐え切れずに外へ飛び出してしまう。

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逃げ出そうと蛾の幼虫が葉巻から身を乗り出す瞬間を蜂は手ぐすね引いて待っている。素早く取り押さえて、毒針で仕留めてしまう。その後、動かなくなった獲物を抱えて軽快に飛び去るが、いい猟場であれば新たな獲物を求めて再びそこに戻ってくる。
時には蛾の幼虫が蜂に気づかれるよりも早く葉巻から脱出し、糸を引いて地面に落ちることがある。その場合は蜂も速やかに落下して、まださほど遠くに逃げおおせていないハズの獲物を血眼で探しまわる。

ドロバチやトックリバチの類は、同じく蛾の幼虫を狩るジガバチ類とは異なり、獲物の上半身だけを毒針で麻酔する。

長野にて。

IMG_6726.jpgフシボソクサアリLasius nipponensisの新女王。これから空中に飛び立って交尾を行う。クサアリ類はいずれの種類も似通った姿だが、女王は割と種ごとに特徴的な出で立ちをしている。本種の女王は比較的小型で、全体的に毛深い印象がある。
長野にて。

きしたばキシタバCatocala patala。夜間、樹液にやってくる。後翅が黄色いシタバ類は日本に何種類もいるが、これは一番その中で普通な種類。普通といっても割と大型種だし、スれてない新鮮な個体は目を見張るほどの美しさ。
サービス精神も旺盛で、お願いすればはにかみながらもその隠された美麗な色を見せてくれる。これが同じ場所に居がちなオニベニシタバC. dulaだと頑なに見せようとしない。しつこくしすぎると、一瞬にして飛び去ってしまう。
長野にて。

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ウスバカゲロウHagenomyia micansの羽化。薄ら馬鹿でも羽化は錦。長野にて。

チョウ・ムラサキツバメ6
ムラサキツバメNarathura bazalus。もともと西日本に分布していた蝶だったが、近年北上傾向が著しく、関東でも普通に見られつつある。幼虫は街路樹として植えられるマテバシイにつき、終齢幼虫はほぼ必ずアリを伴う。樹上に登る小型の雑食アリなら何でもパートナーになるようで、ここではハリブトシリアゲアリCrematogaster matsumuraiが護衛の役を担っていた。都内にて。

都内では年一度、秋に某所で珍妙なイベントが開催される。全国から虫好きな変人どもが集結し、虫の標本やら文献やらを売買するのである。去年、喜び勇んで一人でそのイベントまでわざわざ足を運ぶべく上京したのだが、あれだけ全国から押し寄せたマニアのひしめく会場内を2時間くらい練り歩いたのに友人知人に一人たりとも遭遇しなかった。
食指の動く品もなかったので結局しょんぼりしてその日のうちに帰ったが、帰る道すがら会場近くの公園にこの蝶がいたので撮影した。わざわざ山奥から、この写真1枚を撮る為だけに上京したような日だった。今年、行くのどうしようかな・・

IMG_5919.jpgヒメヒカゲCoenonympha oedippus。今まで見たことのない場所で見かけた。この場所でこれを見ることは今後もうない気がする。長野にて。

カマキリ・オオカマキリ-(3)
オオカマキリTenodera aridifolia。ふたり同時に迫られてたじたじの雌。長野にて。

IMG_7377.jpgベニシタバCatocala electa。夜間、樹液に集まる。息を呑むほどに美しい。罪深いほどに美しい。写真にしてしまうとそうでもないが、夜の森でこれの紅色の翅を見るとハッとする。
長野にて。

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ホザキイチヨウランMalaxis monophyllos。地味で小さくて目立たない。しかし、そのおかげで誰にも持ち去られない。毎年ここで同じ個体が花を咲かせているようだ。

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ランの仲間だから当然だが、花を大きくしてみるとちゃんとランの形をしている。

長野にて。

何だあや大勢か寄って何やっとるかん知っとるか

IMG_6309.jpgミカワオサムシCarabus arrowianus。その名のとおり愛知をはじめ、岐阜・長野・三重・静岡の一部にのみ生息する。長野にて。

山本正之の「戦国じゃんだらりん三河物語」は、5分で徳川家康の一生が学べる秀逸な曲。

IMG_5940.jpgニトベツノゼミCentrotus nitpbei。1センチくらいまで育った終齢幼虫で、あと一回脱皮すれば成虫。周りに何匹もいたが、アリはどの個体にも来ていなかった。

長野にて。

IMG_6261.jpgたぶんヒメウツボホコリArcyria afroalpina Rammeloo?。表面の質感がいい。長野にて。

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コウリンカSenecio flammeus。本州中部では夏の高原の顔といってもいいような花。しかし、ほかの地域では結構珍しいらしい。長野にて。

IMG_6307.jpgハチモドキハナアブMonoceromyi pleuralis。ドロバチ系の狩人蜂によく似ており、飛んでいるとまず区別できない。ハナアブの仲間にはハチに似たものが多いが、このグループは特に洗練されていると思う。
本種はクヌギ等の樹液が出ているところに飛来し、ここに産卵するようだ。

長野にて。

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クワガタゴミムシダマシAtasthalomorpha dentifrons。サルノコシカケを食べに集まる。夜行くと表に沢山出てきている。

長野にて。

IMG_7003.jpgホシチャバネセセリAeromachus inachus。ものすごく小さい蝶で、親指の爪くらいしかない。草原に住むが、ここ数年のあいだにビックリするほどどこでも見かけなくなった。

長野にて。

IMG_7100.jpgヒメカマキリモドキMantispa japonica。凛々しく可愛くかっこいい。遠目には蜂、近寄ればカマキリに見え、その実態はウスバカゲロウという訳のわからない生き物。

長野にて。

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たぶんシロウツボホコリArcyria cinerea?。長野にて。

IMG_1466.jpgオオアワフキバチArgogorytes mystaceus grandis。アワフキムシを捕らえる狩人蜂の一種で、特に泡状の巣を作る幼虫を好んで狩る。低空で草原を飛び回りながら、アワフキの白い泡を目印にして獲物を探知するらしく、草むらに捨ててある白い小さなビニールゴミにもとりあえず関心を示す。
アワフキの泡巣を見つけると、一直線に突撃して躊躇なく泡に飛び込む。

IMG_1482.jpg脚で泡の中を引っ掻き回して手探りで中の獲物をつかみ、毒針で刺す。その決定的瞬間だというのに、茂みの奥すぎてストロボの光が回らなかった。

IMG_1478.jpg麻酔した獲物を泡から引きずり出し、何処かへさらっていく。この場所では、マルアワフキLepyronia coleoptrataが主に標的にされていたようである。

長野にて。

おいらはドラマー

IMG_6173.jpgたぶんサカズキホコリCraterium sp.。打楽器のような形だが、高さは2ミリもない。岐阜にて。