ハチ・コガタスズメバチ7コガタスズメバチVespa analisの巣。静岡にて。

明日から1ヶ月、某国へ失踪。しばらくはこの日記もさわれないので、適度に電子の妖精に更新してもらうことにした。妖精が生きている限りは、思い出したように更新されているだろう。

ハチ・カマバチ一種1、11綺麗でかっこいいカマバチDryinidae sp.。数年前、某学会が開かれた大学構内にいた。こんなものが足下にいたとは。感激して、人目も憚らず広場の草むらの地面に這いつくばって夢中で観察した。後ろから通行人がクスクスヒソヒソ言ってた気もしたが、この美しき神の創造物に完膚無きまでに魅了された俺にはどうでもいいことだった。

三重にて。

カメムシ・カスミガメ一種1ダルマカメムシIsometopus japonicus幼虫。里山に生息する虫で、かつて各地で普通にいたらしいが、今ではなかなか見られない。高知にて。

ガ・アズミキシタバアズミキシタバCatocala koreana。少し前に撮った。ものすごく珍しい。長野にて。

IMG_1175.jpgインゲンテントウEpilachna varivestis。最近、アメリカ辺りから侵入した外来種で、長野・山梨で定着している。インゲンの害虫だが高温に弱いらしく、侵入確認からかなり経つのに分布がよそへ拡大していかないようだ。
家の周りの畑では、なぜか枝豆ばかり栽培していてインゲンがなかなかないので、この虫を見る機会がない。枝豆では今のところ見つけられない。

山梨にて。

IMG_0243.jpgアシグロツユムシPhaneroptera nigroantennata。長野にて。

檸檬先輩「すごい事、するわよ?」

IMG_1397.jpgとある因果と大変な苦労によって俺の手中に収まった、奇怪な妖虫。今年の夏のアフター5は、これの捜索のためだけに費やしたと言っても過言ではなかった。日本では、これまで一度たりとも人類に見つかったことも撮影されたこともない生物。

広大な日本の森の中からこの糸くずのような生物を抽出できただけでも、恐らくゲッカンムシくらいには載せる価値がある発見だと思う。しかし、俺が何よりも知りたいのはこいつの生態。海外に住むこれの近縁種では、とある生物を捕食するために常軌を逸脱した行動をとるというのである。実際にこいつを飼育してみたところ、それを示唆させる行動が認められた。何とか無事に成虫まで育って欲しい。それが論文・業績になるならないに関わらず、いま切実に願っている事。

関係ないが、今日のタイトルがご当地ネタであることに気付いた人間は、きっと身内の2,3人だけに違いない。

ホ・ヒミズ2ヒミズUrotrichus talpoides。モグラの一種で、生きた姿をそんなに見る機会はないように思われているが、基本的に雑木林があれば日本中どこにでも生息している。虫の少ない冬の間、俺にとって格好の観察対象であり、大事な話し相手でもある。

ヒミズは個体毎に縄張りがあり、毎日ほぼ必ず1回は見回りのため決まったルートを通る。そこを通る時間帯も大体決まっているので、それを突き止めれば毎日そこで出会えるのである。そこで体育座りして、数分待てば出てくる。

思うに、ヒミズは地形を記憶する能力は優れているが、それ以外の学習能力が皆無に等しい気がする。ネズミはカメラのストロボを浴びせると最初はビビるが、次第に慣れて気にしなくなる。しかし、ヒミズは浴びせるたびにビビるのである。地表に姿をさらす時間はほんの数秒しかないのも手伝って、じっくり観察するのが難しい。

本当のモグラほど地中生活に適応していないヒミズは、穴掘りがあまり得意でない代わりに地上での身のこなしが上手い。彼らはモグラには出来ない、後脚での直立ができるとの噂がある。一度見てみたいのだが、今のところ一度も立ったところを見たことはない。

長野にて。

ガ・クロウスタビガ13クロウスタビガRhodinia jankowskii。息をのむほど美しい高貴な蛾で、秋の初めのほんの短い間だけ出現する。銀杏のような黄色をベースに、黒ずんだ翅に浮かび上がる半月はまさしく朧月夜。これでもかと言うほど、その身に秋を背負い込んだ姿。

長野にて。

地上の星

トリ・ハヤブサハヤブサFalco peregrinus。たまに職場に遊びに来るが、人々は下ばかり見ているので気付かない。上を見て口を半開いてアホ面下げて歩いている奴だけが気付ける。長野にて。

町はきらめくパッション・・

クモ・チリイソウロウグモ6チリイソウロウグモArgyrodes kumadai。この属の仲間は他種のクモの巣に侵入して餌をくすねるが、本種は居候とは名ばかりで、隙あらば巣の主のクモそのものを襲って食う。この地域ではオオヒメグモParasteatoda tepidariorumの巣に侵入しているのがよく見られるが、このケースではオニグモの一種がやられたようだ。しかし、チリという割にはかなり大形のクモである。

メスのチリイソウロウグモは、網の主を殺した後にしばしばその網上で産卵し、特徴的な卵嚢を吊してそこを去る。まるで、「お宝頂きました」のカードを残していく怪盗の如く。

静岡にて。

クモ・センショウグモ、ジョ
センショウグモEro japonica。自分より遙かに大形の造網性クモ類の巣に侵入し、その網の主を捕食する暗殺のスペシャリスト。ジョロウグモNephila clavataの巣に忍び込むのを偶然観察できた。見ていてじれったくなるほどゆっくりした動きで、網を揺らさないように徐々に間合いを詰める。

クモ・センショウグモ、ジョ手前まで寄ると、躊躇なく一気に寝首を掻きに行く。あっさりジョロウグモがやられた。

静岡にて。

見る見る変わるその姿「蟹」

クモ・イボカニグモイボカニグモBoliscus tuberculatus。暖地性の種で、場所によってはうんざりするほどいる。静岡にて。

クモ・マダラスジハエトリ8マダラスジハエトリPlexippoides annulipedis。秋口になると、山道で越冬場所を求める個体をよく見かける。よく見ると、何かおかしいのに気付く。

クモ・マダラスジハエトリ11頭(頭胸部)と腹の継ぎ目に、へんな虫がいる。カマキリモドキの幼虫だ。この森にはキカマキリモドキEumantispa harmandiとヒメカマキリモドキMantispa japonica以外は明らかに生息しないので、この2種のいずれか。カマキリモドキの仲間は木の葉などに産卵する。夏の終わりから秋口に孵化した幼虫は、その辺にいる徘徊性のクモの体に取り付いて一緒に越冬する。翌年、そのクモが産卵する時にその卵嚢に乗り移ってこれを餌とする。

取り付く部位がクモの頭と腹の継ぎ目なので、この虫の幼虫を獲るにはクモを捕まえて無理矢理体を曲げて探すしかないと思っている人間がいるようだ(そもそも探そうなどと思う奇人もいないかもしれないが)。しかし、ハエトリの仲間はこの継ぎ目部分がかなりくびれているので、自由に頭を動かせる。クモがうつむいて下を見ている時に、むき身になるこの継ぎ目を素早く見ると、簡単にカマキリモドキの幼虫を見つけられる。

長野にて。

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ミヤマモジズリNeottianthe cucullata。長野にて。

死を招き

IMG_0526.jpgマネキグモMiagrammopes orientalis。クモの糸にひっかかった枝のような姿。枝葉の間に、2,3分岐しただけの糸を張り、これをずっと支えるように定位している。これは条網(すじあみ)と呼ばれる、こいつにとっては立派な網。

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クモは、脚を伸ばした状態でかなりきつきつに糸を引っ張りながら獲物を待ち伏せる。見た目とは裏腹に糸の粘着力は強く、小さな蚊のような獲物がかかる。

IMG_0542.jpg獲物がかかると、引っ張っていた糸を急に緩める。その瞬間糸がビヨンと強くはじけ、獲物がよりべっとりと糸にくっつく。この時前脚の先をピクピク動かすさまが、まるで手招きをしているように見えるため、この名がある。この手招きの動きをしながら獲物に少しずつ近寄って捕らえる。
長い前脚をT字に広げ、残りの脚で腹の上に獲物を抱え上げ、肉眼では目視しがたいスピードで回転させる。その間に糸を獲物に絡めていくため、獲物は次第に白っぽく丸い固まりに変形していく。

IMG_0549.jpg糸で縛った獲物を、頭の上に乗せるような独特なやり方で保持する。このクモの口は上向きに付いているのか、頭に獲物を乗せたこの状態で徐々に獲物を溶かして吸収していく。

長野にて。

IMG_0372.jpgテングイラガMicroleon longipalpis。コナラの葉裏に見られた。短い毛で覆われるが、軽く触れるとかなり固いのが分かる。ネットで調べると一応有毒らしく、素手で強く体を圧迫するのは避けた方が良い。

しかし、微妙に透明感のある質感は、見ていて清涼感があってよいと思う。

長野にて。

この中に一匹、珍蝶がいる!

IMG_0469.jpgオオウラギンスジヒョウモンArgyronome ruslana。多くはないが、それなりにいる。しかしこいつの名前から「スジ」を抜いたオオウラギンヒョウモンFabriciana nerippeは、破滅的な珍種。かつて分布していたとされる本州中部からは、今や完全に消滅しているはず。しかし、10年ちょっと前にはまだギリギリいたらしく、俺の住む市内で見たという人が身近にいる。あまり信じる気にならない。

山間部の草原を飛ぶヒョウモンチョウ類の群れを見ながら、もしかしたら1匹くらいはオオウラギンが混ざっているんじゃないかと夢を馳せることも、年を追う毎にしだいにしなくなっていった。

長野にて。

nagam.jpgナガマルハナバチBombus consobrinus。似た種類が多いが、顔が面長で舌(中舌)が長く、腹部に一本目立つ太い黒帯があるので区別できる。日本では本州の山間部に限って生息する。

マルハナバチは、日本では少し郊外に行けば普通の蜂というイメージがある。しかし、国内に20種類ちょっと知られるマルハナバチの中で、全国的に普通に分布する種はかなり限られる。多くの種は北方や高標高地に局在しており、中には個体数の減少が懸念される種類もいる。このナガマルハナバチも、地域によっては減少しているようだ。

マルハナバチは、種類によって採餌に訪れる花の種類がある程度決まっている。植物のほうも、特定種のマルハナバチに来てもらわないとうまく受粉できない例があるようだ。マルハナバチ類の衰退、もしくは農作物受粉のため持ち込まれた外来マルハナバチの野生化が、日本の山野の植生に悪影響を与えると懸念する声もある。

IMG_0731.jpgテヘペロ。

秋に山道の際に生えるツリフネソウImpatiens textoriには、マルハナバチが多く来る。この撮影場所はナガマルハナバチやトラマルハナバチB. diversusのように、ある程度舌が長い種類が多く、オオマルハナバチB. hypocritaのようにあまり舌が長くない種類は見かけない。この花は、マルハナバチ媒にかなり特殊化した形状をしているように思える。

IMG_0776.jpg蜂が花に潜り込んで舌を伸ばし、花の奥の距に溜まった蜜を舐めるとき、うまいこと蜂の背中に花粉がこびりつくように雄しべが配置されている。ツリフネソウを立て続けに訪花し続けた個体は、背中に花粉による一本の白線がつく。

俺が「庭」と呼んでいる山間の牧場周辺には、多い頃には1カ所で10種くらいのマルハナバチを見ることが出来たが、最近種類相が単調化してきている。そもそも個体数が少ない。何より心配なのは、ここでトラマルハナバチと双璧をなすド普通種だったウスリーマルハナバチB. ussurensisが、3年前を境に1匹も見られなくなったこと。


長野にて。

IMG_0900.jpgシロシタバCatocala nivea。夏が終わってしまった。長野にて。

IMG_0259.jpgオオフトヒゲクサカゲロウItalochrysa nigrovenosa。たまたま樹幹についた卵から幼虫が孵化していた。

IMG_0263.jpgまるでハリネズミのように丸っこい体型で毛だらけ。じっとして動かなかった。

この虫に関しては幾つか思うことがあるのだが、いろんな事情でここには書けない。長野にて。

陰ベーダー

IMG_0428.jpgシマリスTamias sibiricus。長野にて。

本来日本において、シマリスという動物は北海道にしか土着しない。しかし、本州のいくつかの場所では飼育逸脱個体に起源をもつと考えられるシマリスの生息が確認されている。行きつけの山では、しょっちゅうシマリスの姿をそこかしこで見かける。この土地の生物に詳しい人曰く、今から10年前には既にここに生息していたようだ。
俺はてっきり、たまたま最近逃げ出した同じ2,3匹をいつも見かけているのだと思っていたが、ここ1,2年は明らかに見かける個体数自体が増えている。見かける範囲も急速に拡大しており、確実に繁殖・定着しているだろう。

この森には天然記念物のヤマネGlirulus japonicus他、土着の齧歯類が多数生息しているため、何かよからぬ事が起きるのではないかと気に掛かっている。なお、固有種のニホンリスSciurus lisもこの森に生息しているが、これは根本的にシマリスとは生息環境(利用空間)がかぶらないはずなので、あまり影響はないように思う。

森を歩いててこの愛らしい動物が目の前に現れると、つい舌打ちをしてしまう。精神衛生上、よくない。いっそ捕まえて家で飼おうかと思ったりもしたが、多分ダメである。日本の法律では、起源がどうあれ人間の手を借りずに野外で繁殖している鳥獣は全部野生動物=保護鳥獣だからである。

IMG_9770.jpgチャイロスズメバチVespa dybowskii。他のスズメバチの巣を乗っ取ることで知られる、恐るべき蜂。行きつけの山では年によって見たり見なかったりする。かつて珍種と謳われたが、最近各地で記録が増えているようだ。日本の他のどのスズメバチにも似てない色彩は、つい見入ってしまう。

IMG_9737.jpg極めて攻撃的な性格で、数匹が樹液を占拠すればオオスズメバチすら下手に近寄れない。人間に対しても容赦ない。

IMG_8019.jpgこの蜂は、理由もなく急に性格が豹変するように思える。それまで一緒に樹液を吸っていた他の虫に、ある瞬間突然襲いかかったりする。このアオカナブンは、割と長いこと蜂と隣り合わせだったが、急に蜂が襲い始めた。やがて両者はもつれて地面に落ち、カナブンは慌てて地中に潜ったが、蜂まで一緒に地中に潜りかけるほどの執拗さだった。

数年前、樹液に集まったこの蜂を1メートルほどの距離から観察していたときのこと。その場で身動き一つせず立って見ていて、蜂の方も一切こちらを気にしていないようだったので、5分以上その状態で観察していた。それなのに、ある瞬間にそこにいた1匹が、突然思い出したように樹液を吸うのをやめた。そしてゆっくり上体をそらしてこちらを見た途端、前触れなく飛びかかってきて、腕を刺した。一瞬、何が起きたのかよく分からなかった。
痛みは激烈で、その後4日くらいは腕全体がソーセージの化け物のように腫れ上がった。なぜあのタイミングで襲われなければならなかったのか未だに納得がいかず、その後山でこの蜂を見るたびに説明を要求しているが、一切応じる様子がない。

IMG_7985.jpgこの蜂は、人を襲うのに一切理由を必要としないように思えるので、近寄るときはいつも心中穏やかでない。ならばそもそも近寄らなければいいはずなのだが、この美しい生き物には危険と分かっていても惹きつける何かがあるので、近寄らざるを得ない。

長野にて。

IMG_1308.jpgアリヅカムシ一種。Ctenistesに似ている気もするが種類はよく分からない。アリとは関係ない石下に見られる。そして、行きつけの山ではどういうわけかいつも決まった石下で見られることが多い。

Raphitreus sp.であるとのご指摘を頂きました。ありがとうございます。

長野にて。

ハチ・クズハキリバチ-(8)クズハキリバチMegachile pseudomonticola。大形種で、いるところには多いが原則希少種。ハキリバチ科は、植物の茎内や地面の穴ぼこに単独で巣を作るが、巣部屋の仕切り材に植物の葉を使う。そのため、あちこちから葉を切り取って巣に運び込んでいくのだが、種類によって葉を切り取る植物の種類が決まっている傾向がある。

クズハキリバチは、頑なに巣の仕切り材としてクズの葉を使うことにこだわる。巣からさほど遠くない場所にあるクズ群落から切り出しを行うため、葉を切って飛び立った蜂を追いかければ容易く巣まで導いてもらえる。葉を切る作業は素早く、ほんの10秒くらいで終わってしまう。

長野にて。

IMG_9638.jpgテングアワフキPhilagra albinotata。平地では見かけないが山に行けば多い。長野にて。

きのこの山

IMG_9656.jpgアメイロアリNylanderia flavipes。アミホコリ属Cribraria sp?らしい粘菌の群落を行く。長野にて。

IMG_9808.jpgニトベツノゼミCentrotus nitpbei。長野にて。

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オモビロクシケアリMyrmica luteola。高標高地に分布が限られる種のようで、普通に見ない。同属他種のアリの巣を乗っ取る習性が報告されている。レンズをもう少し綺麗にして撮るべきだった。

長野にて。

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リンゴドクガCalliteara pseudabietis。綺麗で可愛らしい毛虫で、尻から出た赤い飾りがチャームポイント。ドクガなのに毒はなく、いつも山で見つけるたびに撫で回してしまう。

長野にて。