IMG_5120.jpgコモンブロンズヘビDendrelaphis pictus

宿舎脇の池の縁にいた奴で、カエルの悲鳴を頼りに発見した。極めて警戒心が強く、行動は矢のように素早い。しかし、事情を説明したら撮影を快諾してくれた。

気を引こうとカメラの持ち手の指を巧みに動かして見せると、向こうは頭部を微動だにさせぬまま首だけを左右にへらへら揺らす謎の仕草をする。頭に比べて首だけが異様にブレて写っているのはそのため。

マレーにて。

大蛇丸様

IMG_5015.jpgアカガエル系のカエルを飲むヘビ。マレーにて。

日本のヤマカガシRhabdophis tigrinusと同属だろうが、日本のより顔が寸詰まりだった。食いつかれたカエルはほんの3-4分で動かなくなってしまった。上顎にはキラリと後牙が光る。あれで噛まれたら人間も無事では済むまい。

マレーシアで泊まった山奥の宿舎の隣には小さい池があり、夜になると凄まじい数のカエルが集まって合唱した。もう寝られない程のやかましさだった。そのため、カエルを食いに少なからぬ数のヘビも集まってきていたらしい。建物内で昼間サンプルの整理をしていると、3時間置きくらいに外の池から「ジィィロ、ジィィロ!」という変な声が聞こえてきた。ヘビに捕まったカエルの悲鳴だ。悲鳴の出処を探りに行くと、必ず上のような状況が展開されていた。
この場所は、カエルの悲鳴を頼りにヘビ探しができるほどの場所だった。高次捕食者の生息密度がとにかく少ない熱帯の森で、これだけコンスタントにヘビを探せる場所などそうそうない。

アカガエル科のカエルは、ヘビに捕まると本当にすごい声を出す。地獄の叫びみたいな声。これはどういう意味のある行為なのだろうか。少なくとも、悲鳴を上げている周囲のカエルはみな脳天気に鳴き続けているので、仲間に危険を知らせるわけではない気がする。
あと、俺がカエルを手づかみにしてもあの声を出された事は一度もないのだが、どういう刺激が引き金になって彼らはあの声を出すのだろうか。よくわからない。




よく、ヘビが餌を丸呑みする様を残酷とかいう人間がいる。でも、人間だってこの飽食の時代にあって、およそ喰う必然性のない生き物を活け造りだの踊り食いだの、原始的で野蛮な方法で喰うのだから、似たようなものだと思う。