119.jpg可愛らしいケダニ。恐らくツツガムシ系。宮崎にて。

めだかだるまメダカダルマカメムシAstroscopometopus gryllocephalus。昔の写真。

わりと近代になって八重山諸島で見つかった、分類上の位置づけがかなり特異らしいカメムシ。ネズミ男のような面長の顔のてっぺんに目がついていることから、「天文学者」の名を持つ。なかなかいい虫である。いつか撮り直しに行きたい。

世間では結構な珍種であるかのように言われているカメムシらしい。だが、実際はそんなに騒ぐほど珍しくない。ある時間に森へ行けば、林道沿いの木という木の幹にうんざりするほどついている。

沖縄にて。

2刷キタ!ありがとうございます!Arinosu_covers.jpg


東海大学出版会から、日本産の好蟻性生物(アリの巣で暮らす生き物)を写真で紹介するという、前代未聞の図鑑が出版されました。その名も
「アリの巣の生きもの図鑑」!!
昆虫はもとより、クモ・ダニ・ヤスデ・センチュウなど、とにかくアリと密接に関わりあいを持つ生き物達の世界を、一冊の本にアリったけ突っ込みました。

写本 -「アリの巣の生きもの図鑑」チラシ/ウラ

使用されている写真は、小松貴さんというどこの馬の骨とも知れぬ昆虫写真家の人をはじめ、各地で好蟻性生物を調査・研究している若手の精鋭たちが撮影したものばかりです。そして、そのほとんどは室内に持ち込まず、野外で彼らが自然のままに振舞っている様を撮影したものになっています。およそ8年前から、日本全国を文字通り草の根分けて調査し続けた成果の集大成です。

気になる中身・・
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個人的には、片道丸一日かけて九州の山奥へ分け入り、固く冷たい山中の公衆便所に伏して夜を明かした翌日、土砂降りの大雨の中で崖崩れの林道の石を裏返して撮影したヤマトヒゲブトアリヅカムシに、並々ならぬ思い入れあり。

おなじみの好蟻性昆虫アリヅカコオロギから、過去に採集例のほとんどないコブアリスアブやコブヤスデ、果ては今回我々によって初めて国内から記録されるアリ寄生性のハチやハエに至るまで、珍虫駄虫が入り乱れてのお祭り騒ぎです。そんな目眩く夢の世界が、たったの4500円+税金で貴方の手元に! 
犬と猫と猿しか出てこないテレビの動物番組に飽きた全国の生き物好きは、本屋へ今すぐ直行だ!!もう直行していい頃合いだ!!
全ての自然写真カメラマン達は、これでも小松貴を見て見ぬ振りし続けられるだろうか?

※しばらくこの記事を先頭に置きます。

76.jpgエグリゴミムシEustra japonica。小さな甲虫で、暖地の森には普通。熱帯にいる珍奇な好蟻性甲虫ヒゲブトオサムシの親戚筋だが、こいつはアリとは特に関係ない生活をしている。よく見ると、普通のゴミムシとは全然違う形態をしているので、見つけるといつもニラニラ見つめてしまう。しかし、幼虫期はもっとすごい姿をしている。

西日本某所にて。

ながされて蟹虫島

先日、業務で遠出して帰る道すがら、東日本のとある小島まで足を伸ばした。そこは俺が幼い頃から通っていた秘密の島で、30分もあれば一巡りできてしまう程の小さい島である。ある企業に買収されて観光地化されており、海べりはかなり荒らされてしまっているが、一部に自然の海岸が残っている。また、島の中心部はほぼ手つかずの原生にちかい森となっている。

69.jpgこの島は、どういうわけか多種多様のカニムシ達が住まう楽園となっている。特筆してカニムシだけが多いわけではないのだが、もともと土壌動物相がすばらしく豊富な場所なのだろう。そんな土壌動物のなかでは比較的サイズが大きく、姿形の変わったカニムシが、やたら目に付くのである。海岸、樹幹、腐葉土内、動物の巣など、小さいながらも起伏に富んだ島の環境内それぞれにおいて、そこに適応したカニムシ達が生息している。よそに比べてここが抜きん出て多いのかどうか知らないが、少なくとも日本国内で、単位面積あたりに見られるカニムシの種の多さがここ以上の場所を、俺は他に知らない。

行きつけの島とはいえ、ここ3,4年は足を運んでいなかったので、知らないうちに環境が荒らされていないか少し心配だった。まず海岸から攻め込むことにした。波が被らない海べりの石を起こすと、第一島民を容易に発見できた。

68.jpgイソカニムシGarypus japonicus。日本のカニムシ中かなりの大型種で、7mmくらいもある。もともとカニムシという生物分類群自体、世界的に見ても1㎝を超す種はほとんどいないので、こいつは相当な化け物である。石の裏に数匹まとまって見つかることが多い。つや消し調の体に大きなハサミが、異国のサソリを思わせてカッコイイ。乾燥に強く、シロアリで簡単に飼育できる。
こいつがいれば、その弟分もいると思って探してみた。

70.jpgコイソカニムシNipponogarypus enoshimaensis。やはり海岸性の種で、イソカニムシよりは小型。ツヤがあり、成体は全身黒紫でよく目立つ。これはイソカニムシほど簡単に見つからない。より乾燥した場所を好むらしく、石を裏返しただけでは発見できないのだ。これを見るには、日当たり良い岸壁の風化した岩肌をめくる必要がある。しかし、こいつは体から出した糸を使って袋状の住みかを作ることが多く、その住居もたくみにゴミで偽装しているため、個体数の割になかなか見つけるのは難しい。
しばらく探して、ようやく1匹だけ幼体を見つけた。成体が見たかったのだが、これ以上探すのは必然的にこれの生息環境を荒らすことになるため、自粛した。なお、イソとコイソは和名は似ているが、分類上はさほど近縁でない。

71.jpg切り立った風化岩をはがしているときに、別のカニムシが見つかった。ヤドリカニムシの一種だろう。本来は樹幹の樹皮下で生活している仲間で、紙のように平たい体をしている。たぶんこの島には、樹上性ヤドリカニムシは数種いる。

63.jpgイソカニムシと仲良く一緒にいた。

64.jpg森に入ると、また別のカニムシが目の前に立ちふさがる。普通種アカツノカニムシRoncus japonicus。比較的多く、サイズ的にもよく目立つ。しかし、なぜか冬季にしか見られない。

65.jpgツチカニムシもいる。この仲間は非常に小型。見るべき箇所を見ないと種同定はできない。たぶん、この島内だけで確実に数種類いる。

66.jpg今回見られなかったが、数年前にここの森で見た種。カギカニムシの仲間だろうか。ハサミがかなりがっちりした種である。

67.jpg石の下に見られた、つや消し調の見慣れないカニムシ。ヤドリカニムシの仲間だろうか。これも以前見つけた種で、まだ2回ほどしか見たことがない。いずれも森の石下で見たので、地中にいるのは間違いないが、他の土壌性カニムシに比べてとにかく見つからない。詳細は不明だが、少ないのではなく、我々が簡単に見つけられない地中の特殊なハビタット(ネズミやモグラなどの巣)に本来生息する種だからだろうと考えている。


久しぶりに出かけたが、思ったほど環境は悪くなっていなかったので安心した。しかし、観光地ゆえに突然海べりにホテルや観光客用の海水プールが建設される、ということがしばしばあった場所なので、油断できない。あの地域の本来あるべき自然海岸の姿を一番よくとどめている最後の場所なので、個人的にはもうそっとしておいてほしいところだが・・

白黒つけろ

99.jpgオオキノコシロアリ一種Macrotermes sp.。巣内でキノコを栽培して食う仲間。集団で地上に現れて、キノコの苗床にする落ち葉や木の切れっ端を集める。集団のへりには必ずこの巨大なキバを持つ兵隊が護衛についており、指を差し出そうものなら、物凄い高速で突きと噛み付きを繰り出す。人間の指の皮など、一瞬で裂いてしまうほど切れ味が鋭い。

名前とは違って、真っ黒い体をしたシロアリ。地上に高頻度で採餌に出るシロアリは、乾燥などから身を守るために外骨格が厚くなるのでこうなる。

マレーにて。

M. carbonariusとのご教示を受けました。ありがとうございます。

アクロ蝗ー

のみばったノミバッタ一種Xya sp.。沖縄のマダラノミバッタX. ripariaに似た雰囲気。宿舎の床下にいやというほどいる。最初は小さくて見えないが、しゃがんでじっと地面を見つめているとだんだん見えてくる。

昔の仮面ライダーブラックRXに、こういう感じのバイクが出てきたような気がする。幼い頃の俺はウルトラマンよりは仮面ライダーに傾倒していた。

マレーにて。

92.jpg大型の美しいゴミムシ。3cmもある。日本のヨツボシゴミムシPanagaeus japonicusに見た目は似ているが、同属だろうか。捕まえようとしたが、一瞬で切り株の隙間に隠れてしまった。

東南アジア某所にて。

お仕置きだべ

89.jpg幽霊蜘蛛。たぶんオダカユウレイグモCrossoprizaかネッタイユウレイグモPhysocyclusのどっちか。あまり入念に管理されていない熱帯の安宿では常連で、部屋のかどっことか机の裏とかに不規則な網を張ってぶら下がっている。

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名前は幽霊なのに、顔はドクロ。今は絶版になり、古書ですら発見が困難な「学研の図鑑 クモ」の初っ端のページにユウレイグモの顔のアップ写真があって、小学校の頃にそれを見て以来このクモの仲間が好き。マレーにて。

87.jpg写真では分からないが、ものすごく巨大だったセミ。日本のアブラゼミの1.5倍近くある種で、夜間灯火に飛んできた。たぶんクロテイオウゼミPomponia merulaと呼ばれる種。掴むとすさまじい悲鳴をあげる。

ボルネオにて。

57.jpgユニコーンカマキリCeratomantis saussuriiのメス。タイにて。

生息地で夜間灯火をたくと、しばしば飛んでくるカマキリ。しかし、飛んでくるのはナヨナヨしたオスばかりで、メスはまず来ない。
森の中の宿泊地に泊まっていたとき、その宿のすぐ近くの茂みで偶然りっぱなメスを見つけた。

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たかだか3cmくらいしかない種だが、俺はそれの妖艶な雰囲気にすっかり取り込まれてしまい、捕まえることができなかった。その後、俺はそこからそいつが移動していなくなるまでの数日間、小さなハエなどの餌を採ってきては彼女に貢ぎ続けた。マジェコンヌ女王閣下という名前をつけて。

調査に同行したおじちゃんはカマキリを欲しがっており、毎日灯火でカマキリを集めて採っていた。しかし、俺はおじちゃんにマジェコンヌ女王閣下の居場所だけは決して明かさなかった。

小さき背に負いし業

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84.jpg東南アジア産の地味な小蛾2種。恐らく上がヒロズコガ系で、下がコヤガ系。いずれも開長1cm程度。大概の虫マニアだったら見向きもしないであろう、何のありがたみもない蛾。俺もいきなりこれを野外で見たら、何の感慨も喚起されなかったに違いない。

まさか、この見るからに面白みのない昆虫の姿が、幼虫期にあんな場所であんなおぞましい事をして育った結果だなんて、お釈迦様でも気づくまい。これらの詳細は、いずれ明らかにされるだろう。

IMG_9621.jpgウミウPhalacrocorax capillatus。静岡にて。

かつて、母方の実家の海には魚の養殖生簀がたくさん浮いており、鷺やら鵜やら多くの鳥が集まってきていた。地元の漁師連中は、せっかく育てた魚を食い荒らすと言ってこれらを非常に嫌がった。実際には、ただ何もせず羽を休めるか、生簀の周囲に寄ってくる取るに足らない小魚を取ることのほうが多い。ただ、それは昼間の話なので、夜はすごい勢いでドカ食いしているかもしれない。

幼い頃、その生簀に本物の鵜を撲殺した死骸がぶら下げられているのを見た。街のゴミステーションに、カラスよけとしてカラスの模型をぶら下げているのをよく見かけるが、あれのリアルバージョンである。見せしめのつもりだろうが、見たところ周囲の鳥に対して効果は全くないように見えた。カラスほど鷺や鵜は賢くないのだろうか(そもそもあのカラスよけの模型もどの程度カラスに効くのか、俺は知らないが)。

今こういうのが表沙汰になれば、きっとジャパン鳥の会やらが黙っていないだろう。しかし、俺はあのナマ案山子を見て残虐だとか可愛そうだとかいうことより、どうやってあの撲殺用の鵜を捕まえられたのかのほうが気になった。

のんちゃん

IMG_9340.jpgノスリButeo japonicus。トビよりは勇ましい鳥なのだが、地域によってはトビよりも格下に見られる場合がある。かっこいいのに。

ノスリの名は、野原を低空で飛ぶさまが「野を擦る」ようにみえることに由来するという話を、以前テレビで見た。でも、ノスリってそんなに低空で飛ぶか? 見かけるのは、いつも空高く輪を描く姿だ。

最近、キョウリュウの写真ばかり撮っているのは、ツインストロボがいかれて修理に出しており、細かい生き物の撮影が出来なかったからである。つい先日ようやく直った。

長野にて。

秘密戦隊

74.jpgキレンジャクBombycilla garrulus。先日の連雀の群れは、ヒレンとキレンの混群だった。この地域では、だいたい双方が同じくらいの数で渡ってくるように思える。

連雀は、年によって渡ってくる個体数に激しくバラつきがある。当たり年にはすごい数が見られるが、一羽たりとも見ない年もある。大学学部時代、俺のいた学科では「連雀の当たり年には留年する奴が多量に出る」という謎のジンクスが語り継がれていた。今では、もうそんなジンクスの語りべもいなくなってしまっただろう。
今年の近所の連雀はというと、それなりに個体数は多いけれど当たり年というほどでもない。たぶん留年者は、いても1人か2人程度だと思う。

当時所属していた自然観察サークル内では、キレンジャクはキレンジャーと名前が似ているところから、好物はカレーという設定があった。

長野にて。

83.jpgヒレンジャクBombycilla japonica。今年は群れが渡ってきた。毎年、俺の近所では例年1月半ばから2月末にかけて群れがやってくるが、こない年もある。

連雀はたくさんいる鳥なのだが、その割に近所では非常に撮影が難しい。民家の庭先に植えられている果樹に依存しているようで、つねに人が多い場所にしか出没しないのである。誰もいない誰にも迷惑をかけない河川敷で、何もしないでいただけで通報される(しかも正月の元日)という、前人未踏の輝かしい実績を持つ身としては、知らない余所ん家に望遠レンズを向けて眺めるなど、どんなトラブル面倒の原因になるか知れない。だから、せっかく遭遇しても撮影を断念せざるを得ないシチュエーションが多く、なかなか撮影できない鳥なのである。一度も遭遇立地に恵まれないまま、シーズンが終わってしまう年もある。

81.jpgそんな感じで、俺にとっては地球上でもっとも撮影困難な鳥である連雀だが、つい先日になって奇跡的に無難な場所でこいつらの群れに遭遇できた。場所は、山裾の柿の木。ここらの山裾の田園には多くの柿の木が植わっており、この時期になっても収穫されなかった実が多量に付いている。しかし、不思議なことに人間のまばらなこういう場所の柿の木には、ツグミやムクドリなど他の鳥は来ても連雀は頑なに来ようとしない。
他の鳥と餌を巡って争うのが嫌なのか、もしくは山裾にしばしば小型猛禽がうろついているのを嫌がっているためだろうか。理由は知らないが、普段寄り付きたがらないその山裾の柿の木にまでわざわざ来たということは、きっと市街地のナリモノを大方食い尽くしてしまったのだろう。

82.jpgすごい勢いで実を食い散らかしていく。けっこう食い方が汚らしい。しかし、このひもじい季節に限られた餌を目の前にして、なりふり構っていられないのだろう。とにかく厚かましくなければ、生きていけない。

翌日この木の傍を通りかかったら、もう実がぜんぜん残っていなかった。連雀ももう周囲にはいなかった。いずれ、新たな餌場を求めてこの町から出て行くだろう。近所で連雀が見られるのも、あとほんの少し。

長野にて。

IMG_9331.jpgトラツグミZoothera dauma。年中いるはずの鳥だが、冬以外に姿を見ない。夏の夜、森で座っていると「ヒィーーッホーーーッ」という、声色の違う声が交互に聞こえてくる。これは雌雄の鳴き交わしだという人もいれば、同じ1羽が違う声を出しているのだという人もいる。どっちだ?

長野にて。

式神

72.jpgホンドギツネVulpes vulpes japonica。長野にて。

日本各地には、陰陽師・安倍晴明の墓と称する史跡がいくつも存在する。長野県の某山中にもそれがある。一日にバスが数本しかない辺鄙なその山奥に、以前調査で出かけたことがあった。
調査を終えてさてバスで帰ろうとしたのだが、バス停を定刻より早くバスに通過されてしまったらしい。いつまで待ってもバスが来ない。根性で待ち続けてもよかったのだが、次のバスが3時間後。仕方なく、歩いて山の麓まで降りることにした。

その道すがら、件の安倍晴明の墓という石碑の傍を通った時に、この狐に会った。夜行性の狐が、昼間出てくること自体珍しいのだが、そのシチュエーションが何より奇異だった。道路脇から外れた草むらに石碑が立っているのだが、そこからやや離れた場所に座り込んでいたのだ。まるで、石碑を見守るかのように。この個体は目に白内障を患っているようで目の色がおかしく、それが余計に妖艶な雰囲気を醸していた。

俺は狐を見慣れていないので、珍しいからもっとよく見ようと狐に近づいた。すると、狐はすぐに踵を返して背後のちいさなブッシュに飛び込んだ。俺はそのブッシュを覗き込んで狐を見ようとしたのだが、どういう訳か狐がそこにいないのだ。ブッシュは畳六条くらいの広さで、そこの中に確実に入ってその後出てきていない。間違いなく袋小路に追い込んだはずなのに、まるでかき消したようにそこから狐がいなくなっていた。
俺はこれまで山で数回狐に遭遇したことがあり、その度に追いかけたのだが、追うと必ずこういう不思議なことが起きた。こんな経験をして以来、俺の中では本物の安倍晴明の墓は長野のやつということにしている。

この21世紀の世に、本物の狐に化かされる以上の幸せなどない。

ダイエット

IMG_9298.jpgジョウビタキPhoenicurus auroreus。羽毛を逆立てる。

IMG_9301.jpgしゅっとスマートになった。


長野にて。

56.jpgトゲオオハリアリDiacamma sp.。ただの普通種。でも、こういう目がでかくて、頭胸腹のプロポーションが偏ってなくて、脚がそこそこ長いアリは、まことにカッコイイものである。

本属のアリは何種かいるが、どれも見た目の形がまったく同じゆえに区別が難しく、分類が遅々として進んでいない。しかし、地域によって体表に紫や青の光沢を持つ美しい種が見られる。でも油断すると刺してくる。

マレーにて。

54.jpgヤセバチ科一種Evaniidae sp.。普通のハチの胴体下半分を切り落としたような、寸詰まりの体型。すぐに吹っ飛んでいなくなった。

マレーにて。

52.jpg悪名高いミカンコミバエBactrocera dorsalis?の近縁種らしきハエ。恐るべき害虫だが、目の色は大宇宙。マレーにて。

B. albistrigata(de Meijere)とのご教示をいただきました。誠にありがとうございます。

グラップラー猿

55.jpg
ブタオザルMacaca nemestrina。東南アジアでは、郊外の道端で見かける。大抵はカニクイザルの群れに混ざっている状態で見ることが多い。かなり大型で恰幅がいい。
普通は人が来るとすぐ逃げるが、時々手負いの奴がいて、そういうのはこっちに向かってくるので危険。狂犬病はもとより、東南アジアの猿にはBウイルスというやばい病気を持つものがいるため、油断ならない。猿でも犬でもネズミでも、外国の獣は例外なく全て危険である。

マレーシアの大学演習林脇に原住民の村があり、そこで昔から一頭の大きなブタオザルが飼われている。骨と皮みたいに痩せこけており、庭先に短い鎖で繋がれて、日がな一日何もできずにぼーっと彼方を見つめ続けている。しかし、飼い主以外の人間が下手に近づくと、途端に本性を現して猛然と襲いかかってくるらしい。丸腰では確実に人間のほうが殺されるに違いないので、鎖の長さより内側には絶対に寄れない。俺は「夜叉猿」と呼んでいる。

マレーにて。

はばねろ

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しなびた木の実、ではなく、れっきとしたハラボソバチの一種の巣。ツボ状のつくりになっていて、中を覗いたらちゃんとハチがいた。大きさは、大人の握り拳内にギリギリ収まるくらい。これに似てもっとイカっぽい雰囲気の巣を作る種類もある。ハラボソバチ類の巣はコレクション性の高い自然物だと思うのだが、なかなか空いた巣は見つからない。

この作品のポイントは、ツボの口の部分だけが編み目になっていること。通気性とかの問題が関係しているのだろうけど、本当の理由はハチしか知らない。

ボルネオにて。

49.jpg
ハラボソバチ一種Parischnogaster sp.?。ハラボソバチという日本名で呼ばれるハチは、幾つかの属にまたがって存在する。東南アジアでは普通の仲間で、床下やえぐれた巨岩の隙間など、少し薄暗くて風雨が当たらないところに家族単位で営巣する。巣材は、植物の繊維や泥。
種類によって巣の形状はまったく異なり、中にはどういう精神状態で思いつけるのか分からない程に奇抜な巣を作る種もある。

50.jpg
名前のように、腹部は糸のようにほっそりしている。アシナガバチみたいなやつだが、アシナガバチほど女王とワーカーの区別ははっきりしない。また、巣をいじっても攻撃してくることはまずない。ハチの中では、真社会性の萌芽状態にあるグループと考えられており、ハチ類における社会性の起源といった観点から盛んに研究されている。

マレーにて。

43.jpg仲良く一緒に、葉陰の寝床についた鳥。種類は知らない。タイにて。

46.jpgイナズマチョウ類の幼虫。ゲジゲジの脚のように、鋭く長いトゲが放射状に伸びる。しかし、これは見掛け倒しで別段触っても害のないもの。防御というより、自分の影を消してカモフラージュするための小道具としての意味合いが強かろう。

47.jpg自然光下で見ると、影が消えてしまう。葉の主脈に沿って胴体を乗せるから、なおさら虫体の輪郭がわからなくなり、発見がきわめて困難。

ボルネオにて。

48.jpgヒキガエル一種Bufo sp.。小型だが、たぶんこれで成体のように思える。ボルネオにて。



どうも、過去に上げた画像のうちかなりのものがリンク切れになっている模様。ただいま本職で忙殺されている最中なので、折を見て少しずつ直していきます。

45.jpgワモンチョウ一種Zeuxidia sp.?。薄暗い森から出てこない。ボルネオにて。

※ネココノハワモンDiscophora nechoであるとのご指摘を受けました。ご教示ありがとうございます。
属レベルで全然外していたとは、情けない・・