1206.jpgアオミオカタニシLeptopoma nitidum。台湾にて。

日本でも南西諸島でおなじみの、美麗な陸貝。さわやかな草色は、殻ではなく中身の肉の色。殻自体は無色透明で、中身が透けて見えているだけ。死ねば身は腐って変色するから、この色は生きているときだけのもの。

ふゆほたる

1304.jpgメスジロホタルガChalcosia formosana。熱帯に住みながら、雪をまとった出で立ち。暴力的なまでの美しさ。そして猛毒。

台湾にて。

マーズランキング9位

1203.jpg全身緑の美しいアシダカグモ。日本のツユグモMicrommata virescensに似た雰囲気の小型種。台湾にて。

1307.jpgトビイロサシガメ一種。道端に不法投棄されたゴミの裏にいた。有り難みのない風貌で、まったく人目を引かない。

台湾にて。日本にも似た奴がいくつもいる。

1211.jpgヒョウタンゴミムシ一種。台湾にて。

夜間灯火によく飛来する。大きく写すとそれなりに見られた姿の虫だが、1cm弱しかないので実際に野外で見向きする虫マニアはほとんどいない。
ヒョウタンゴミムシの仲間は、体長がだいたい1.5cmを越えるか越えないかで、虫マニアからの扱いに雲泥の差が出るものに思える。

1356.jpg台湾の南端に近い海岸沿いの山から望む。去年の遠征。

台湾は日本の南西諸島と距離的に近い関係で、分布する生物の種類相は似通っている。しかし、台湾には南西諸島に分布しない生物がプラスαで相当分布しており、生き物好きにとってはまさに楽園の様相を呈する。
台湾にはシカの仲間がいる。南西諸島にも古い時代にはいたらしいが、もう滅びてしまって存在しない(ケラマジカはフェイクらしい)。台湾には全身鎧に覆われたセンザンコウもいる。乱獲と環境破壊で最近絶えたとも言われるが、大形ネコのウンピョウもいる。

日本の虫マニアは誰もが一度は「沖縄病」というのにかかる。沖縄には本土では見られない珍奇な虫が沢山見られるから。しかし、すぐ傍の台湾があれほど生き物に満ちた様を見てしまうと、途端に南西諸島が色褪せて見えてしまう。確かに南西諸島にも珍奇な生物はいるが、全体的な生物の種数が恐ろしく少なく貧弱であることに気付いてしまうのだ。
どうして沖縄にはセンザンコウが一匹もいないのか、あれだけ島がいくつも連なっているのになぜトゲアシアメンボは与那国以外にいないのか。台湾は南西諸島より先にいくべき場所ではないとの思いを新たにした。

1342.jpgカモメ類の若鳥。この手の若鳥はその道のマニアでないと種の判別が原則不可だが、これは尾羽の縁が黒いのでウミネコとわかる。

幼稚園くらいの頃、薄汚いカモメ類の若鳥をすべて盗賊カモメと呼んでいた。あまりにも沢山いるから、ここのカモメたちは盗賊カモメに餌をいつも奪われて気の毒だなどと言ったものだった。本当のトウゾクカモメ科Stercorariidaeの鳥は、日本近海では沖合いにしかいない。よほど大きな低気圧でも来て海が荒れない限りは内湾に寄り付かず、見られない。

1351.jpgハクセキレイMotacilla alba。静岡にて。

漁港で見た。撮影時はただ影になって見えてないだけかと思い気にしなかったが、明らかに足指が全てない。捨てられた釣り糸が絡んで壊死し、千切れたのだろう。釣り人が常時多数押しかけるこの港湾には、こういう鳥がいくらでもいる。目視でそれと分かるほど近寄れる生き物でないから、誰も気づかないし気にしないが。

1329.jpg精霊。何者かはここに書かない。

暗黒の洞窟に生息する肉食獣で、岩の隙間に精巧かつ卑劣な罠をかけ、弱小生物を無抵抗の状態にしたうえで捕殺する。たかだか数ミリサイズだが、コウモリが生息しない洞では事実上最強の捕食動物。天敵らしい天敵が存在せず、しいて言うならば人間。
洞窟性生物だが、かといってあまり奥のほうにもいない。風や水により外界から流入する有機物に発生する小動物が餌だから。そのため、生息する洞であっても、これが見られるコアエリアは洞口からわずか数メートルまでの範囲でしかない。

日本固有種で、環境省の絶滅危惧種。富士山周辺に無数に存在する火山性洞窟のうち、相当古い年代に形成された数えるほどの洞窟にしか存在しない。その数えるほどの洞窟の中でさえ、近年生息の確認できない箇所が出始めてきた。実家に一番近いとある産地の洞で、2年ほど前から帰郷のおり執拗に探すも、一匹も発見できない状況が続いている。本当にそこが産地だったのか疑わしく思えるほど。

上の個体は、大変な苦労をして実家から一番遠い産地まで見に行った。辺鄙な山奥の手前までバスで入り、そこから後は徒歩で1時間樹海を彷徨い、辿り着いた洞でようやくデレさせることが出来た。ここまで出会うのが大変な生き物だとは思わなかった。
既知産地の洞のほとんどが私有地内にあるか、そうでなければ地図にも載らない所在不明のものばかりで、とにかく気軽に会いに行けない。それ故、撹乱を受けずかろうじて命脈を保ってきたとも言える。精霊の安寧を思えば、これくらいの障壁が人間との間にあっていい。

しかし、富士山界隈は世界遺産に指定されたのを受け、観光客が著しく増えているという。周辺地域の不必要な再開発により今後産地の状況が悪くならないか心配だ。

1330.jpg洞窟性オビヤスデ。種類はよくわからない。

色素が抜けて、純白の美しい姿。暗闇の中ライトで照らされたその姿は、白い宝石サンゴを削ってこしらえた装飾品のよう。ただし色のついた個体もいて、同所的に2タイプがいる。富士山周辺の広域にわたり、火山性洞窟内に見られる。

この時入った洞窟は、ネット界隈では心霊スポットなどとして下らない好事家の間ではよく知られた場所の一つらしい。しかしこちらの目的は亡霊でなく精霊である。

静岡にて。

地下ァ

1331.jpg洞窟にいたアギトダニ。森の石下でよく見る普通の種と違い、脚が長めな気がする。洞窟に特有の種かどうかは不明。

アギトダニは1mmほどしかないが、生き肉を捕らえる獰猛な刺客。同サイズの生物で、これに押さえ込まれて抗えるものはそうそういない。

静岡にて。

超・・・村

1332.jpg日本一の山。かなり至近で見た。

いつも見慣れている方面とはかなり違う角度からの一枚。表面のウネ具合は綺麗だが、全体のフォルムがよくない。たいていの日本人が思い描く形の富士山(左右対称で天辺が真っ平ら)は、やはり伊豆の付け根あたりからでないと拝めない。

1334.jpg間違ってもレッドアリーマーはおらず、槍を担いだおじちゃんが一撃食らうとパンツ1丁にならない、ちゃんとした人間界の牧場。

アンチ・スピリット・チーム

1348.jpgタヒバリAnthus pinoletta。静岡にて。

本州では冬にだけ姿を見せる恐竜。広大な田んぼで、小さな群れを作って獲物を探している。名前と違ってヒバリでなくセキレイなので、足がとても速い。瞬間的に短距離を高速ダッシュし、何かを捕まえる。真冬でも日が差すと、田んぼの土くれの間からウヅキコモリグモが這い出すので、これを襲って殺しているようだ。

自分の口に入るサイズの小動物に対しては冷酷な反面、人間に対しては恐ろしく警戒心が強い。随意領域<テリトリー>の径が非常に巨大なため、人間は至近まで侵犯できない。

1335.jpgカネコトタテグモAntrodiaetus roretziの巣。静岡にて。

1336.jpg崖地に横穴を掘り、入口に観音開きの二枚扉を付けて獲物を待ち伏せる不思議な生態を持つ。局所的に多いが、基本的に稀な者。そして、最近かつての産地を訪れると、一見環境が激変しているように見えずとも異様に数が減っているケースの多いように思う。ましてや環境の激変した産地の状況たるや、言わずもがな。
環境省の絶滅危惧種(準絶滅危惧、2012年版)に指定されているが、特に気遣われているような話は聞かない。この手の希少生物は、とにかく扱いが軽い。


環境省のレッドリストは、絶滅の危ぶまれる生物の名が各生物分類群ごとに「レッドデータブック」という名の冊子としてまとめられている。しかし、その中でも「その他の無脊椎動物(クモ形類・甲殻類等)」というカテゴリの分け方の乱暴さが、以前から気に入らない。
すなわち、無脊椎動物のうちある程度種数がまとまっている昆虫と軟体動物以外のものを、系統学的な脈絡なにもなしにゴミ箱のように放り込んだカテゴリである。節足動物(クモ、エビカニ、ヤスデ)、刺胞動物(クラゲ)、環形動物(ミミズ、ヒル)、海綿動物、苔虫動物、扁形動物がごちゃまぜに紹介されている。これらの生物は、多くが小型で目立たないうえ、一般に外見が醜悪に見られるものばかりである。
とりあえず話題性の低いものを全部丸めて突っ込んで蓋しておけという臭いがする。

しかも、そんなふうに片っ端から寄せ集めたカテゴリであってさえ、出来たその冊子の厚さが他の分類群のそれに比べてことさらに薄いのが、書店にあるレッドリストの棚を見ていて本当に悲しくてくやしいのである。

1337.jpgキノボリトタテグモConothele fragariaの巣。静岡にて。

1352.jpgもともとは土中営巣性の仲間だったが、地面より高い場所に住むよう特殊化した。日陰の石垣などに、人の親指のような袋状住居を作り、出入り口に扉をつけて獲物を待ち受ける。表面はコケなどで偽装するので、慣れないと発見困難。

1338.jpgこの産地は近年こういう空き家が増えてきた。

大して気遣われない環境省の絶滅危惧種(準絶滅危惧、2012年版)。最近各地で減っているが、生息環境自体はさほど以前と変わっていないようにみえることも多く、減った原因がはっきりしないケースがある。環境省のレッドデータブックでは本種の減少理由の一つに、ムカデなど天敵による捕食を挙げている。最近クモの数を全国的に減らすほどムカデが増えているのだろうか。

同様に我が愛しのドウシグモの減少理由に関しても、レッドデータブックでは天敵の捕食が1つに挙げられているが、本種に関してはその可能性は低いように思う。もともと少ないあのクモを特異的、効率的に全国規模で減らす捕食動物が存在するようには思えないので。そもそもこのクモに関しては、食性をはじめ基本的な生態がろくに解明されていないので、まずそこから始める必要がある。

ガラコ

1333.jpgヒメハバビロドロムシDryopomorphus nakanei。静岡にて。

山の源流近くにすみ、水際の石や流木に付いている。西伊豆の海岸すぐそばの森でメクラチビゴミムシを求めて沢を掘ったが、これしか出なかった。泥っぽい場所にいるわりに、体にまったく泥が付かない。細かい体毛が、水汚れを弾いているらしい。いろんな所で応用できそうな技術。


昨日、山と渓谷社・信濃毎日新聞・平安堂の3社合同共催の文学賞「第4回梅棹忠夫・山と探検文学賞」というものに、「裏山の奇人」がノミネートされたとの一報あり。あくまでノミネートであって受賞ではないのだが、こんなぽっと出の若造の出した本がそうした賞の候補に選ばれたというだけで、至極光栄です。誠にありがとうございます。
http://umesao-tadao.org/4th.html

1347.jpg猛禽の眼光。殺意の塊。

なぜか知らないが、鳥の仲間には目の周りが広く黒くなっているものが多い。しかも、そろいもそろってオスのみ特にそうなっている。縄張りを作る役目を担うオスは、仲間と目が合うと反射的に喧嘩をしてしまうため、目の周り全体を黒くしてどこを見ているか分からなくすることで、互いに仲間内の余計な争いを避けているのだ、という説をどこかで聞いた。本当かどうかは知らない。

静岡にて。

平蜘蛛ちゃん

1344.jpgチリグモOecobius navus。静岡にて。

とても小さな、平べったいクモ。民家の乾いた壁面や床下に、テント状の巣を張る。巣からは鳴子代わりに、数本の糸を放射状に伸ばす。コレに獲物が触れた瞬間、クモが飛び出してくる。
ごく普通にいるが、小さいのと地味なのとで、いても誰も気にしない。

1346.jpgシモングモSpermophora senoculata。静岡にて。

屋内性。薄暗いところに不規則な網を張り、ダニなど微小な生物を捕らえる。シモンは指の紋ではなく、外国のクモ学者の名前。

1350.jpgナガワラジムシ一種Haplophthalmus sp.。静岡にて。

年間を通じて薄暗く、じめじめした環境でないと生きられない。他方、そうした環境が猫の額ほどでも残ってさえいれば、大都市の真ん中でも生き残っていけるしぶとさも併せ持つ。

ナガワラジムシ科には、地下生活に極度に特化した種が日本だけでもかなり知られている。そうした種は色素が抜けきり純白で、なおかつ目が完全にない。地域ごとに固有性が高く、いずれも石灰岩地帯に依存した分布を示すように思える。

一年の計は元旦に、と言われるので、年始めに目標という体の予言をしておく。今年中に、あの某ナガワラジムシを必ず現世に引き戻す。古い時代、北方のあの洞窟から発見・記載されるも洞内の観光開発で絶滅してしまい、かれこれ50年近く何人たりともその生きた姿を見ていない。
洞窟性生物の常として、周辺の地下浅層に絶対生き残っているに違いなく、既に専門家にもそう予見されているにもかかわらず、この50年間誰一人それを実際に確かめに行かないので、そろそろ終止符を打ちに行く。

1349.jpgジョウビタキPhoenicurus auroreus。静岡にて。

樹上よりも地面の小動物を襲うのが得意なので、よく地面に降りる。落ち葉を裏返す程度の知恵はあるので、冬眠中の小動物にとっては恐るべき肉食恐竜。
これを撮影した土地では、昔からこの恐竜を「紋付き」と呼ぶ慣わしがある。幼い頃、どの鳥類図鑑で調べてもモンツキなどという名前のトリが載っていなくて、不思議に思ったものだった。

同様に、この土地の魚屋に「クシロ」という、そこそこ大きくて全身黒いタイに似た魚がよく売っていて、これも当時どの魚介図鑑を調べても出ておらず、正体を知るのに難儀した。今でこそ大概の図鑑に「メジナ:地域名グレ、クシロ」と書いてあるが、図鑑に書いてあることが全てではないということを、この頃学んだ。

しかし不思議なことにこの「クシロ」という名称に関して、この地域では正式名称である「メジナ」のほうもちゃんと使われているのである。ところが、地元民がいったい何を基準にして「クシロ」と「メジナ」を使い分けているのか、はっきりしない。ほぼ同じサイズの魚に対し、クシロと呼ぶこともあればメジナと呼ぶこともある。試しに地元民に聞いても、当人たちが「良く分からねぁ」と言うので、おそらくその日の気分でどっちを使うか決めているようである。

ソフィアリング・SP・サタン7世

730.jpgペルーのアシナガバチ。

南米はアシナガバチの楽園。種類も生態も多様で、まるでスズメバチのように巣を丸い外皮で覆うものも多い。逆に、スズメバチは(人為分布を除いて)南米にいない。

南米のアシナガバチには、奇妙な名前の種類がいくつかいる。サタンアシナガバチPolistes satanというものに、いつか会いたい。

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731.jpgペルーのカマキリ。さして変わりばえしない風貌だが、それでも熱帯でカマキリを見つけると嬉しいものである。

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725.jpgペルーのアリヅカムシ。どれもアリとは関係ないらしい。

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ペルーのニシキヘビ。まだシマヘビ程度の幼蛇。

最初ボアコンストリクターかと思ったが、たぶん別種だろう。自然状態でニシキヘビを見る日が来るとは思わなかった。

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758.jpgペルーのザトウムシ。トゲは何のため。

733.jpgペルーのカマキリMantoida sp.?。灯火に飛来した小型種。

一見代わり映えしない風貌だが、見る部分を見ると、如何にこれが普通のカマキリとはかけ離れた姿をしているかが分かる。

735.jpgペルーのジンガサハムシ。ジンガサハムシは世界中で見られる。

737.jpgペルーのコブスジコガネ。

糞転がしの一種で、動物の死体、中でも毛やツメなどケラチンを好む。これはそんなに面白みのある見た目ではないが、かなり変わった形の種類もいる。

589.jpgけばけばしい正体不明の毛虫。羽根飾りが奴の自慢。インドネシアにて。

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568.jpg種類の分からない蛾の幼虫。別にどうというほど変わった種ではないのだが、遠目には折れて葉上に落ちた小枝そっくりだった。インドネシアにて。

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563_201312101805007b8.jpg東南アジアではあらゆる空間で見かけるカタアリDolichoderus bituberculatus?と、それがいる場所の近くでいつも見るカメムシ。種類は不明だが、ヒョウタンカスミカメ属Pirophorusかその近縁と思われる。

カメムシは、遠目には体サイズ、体色、体型、肌の質感に至るまでカタアリそのもの。特に翅のない幼虫だと、一見しただけでは絶対にアリと区別できない。アリの群れから若干距離を置いて過ごしていることだけが、野外で瞬時にこのカメムシをアリと見分ける術。

東南アジア各地で、このカメムシがこのアリとつかず離れずにいる様を確認している。その理由は一切不明だが、すでに予測はついている。

インドネシアにて。