1520.jpgマダニ。北海道にて。

赤黒くてつややかな、北日本でよく見かけるタイプの奴。北海道はエゾシカをはじめとして獣の気配が濃く、マダニも高密度で生息している。ちょっと草むらに分け入れば、ほぼ必ずたかられる。ライム病やダニ脳炎のリスクがあるため、迂闊に刺されるわけにいかない。

♪生まれ来ることが罪ならば 

1516.jpgミズカゲロウSisyra nikkoana。北海道にて。

幼虫は水生。水質のよい深い湖に成育する、淡水海綿から汁を吸って成長する奇習で知られる。その生態の特殊さゆえ、全国的に見れば決して普通種の虫とは呼べない。他方、関西地方の市街地では最近になって、水質汚染に強い外来の淡水海綿が定着し、勢力を伸ばしている。それに伴い、そうした地域ではミズカゲロウも増えつつあるという。いいのか悪いのか。

水の澄んだ大きな池のほとりで見つけた。生まれて初めて見たが、すぐさまとんだ邪魔が入ったせいで飛んでしまい、一枚しか撮れなかった。
ミズカゲロウ、クサカゲロウがいるのに、ツキカゲロウはどうしていないのだろうか。

1524.jpgケズネアカヤマアリFormica truncorum。北海道にて。

枯れ草を集めて大きなアリ塚を作る、北方系の赤いヤマアリ。同じく北海道に住み、見た目も習性も生き写しのエゾアカヤマアリF. yessensisとは、体表面に細かい産毛が密に生えていることで区別できる。特に脚は、毛脛の名の通り微毛がよく目立つ。
北海道においてケズネは、原則としてエゾアカとは住み分けており、道東へ行かないと見られない。また、エゾアカが本州まで分布するのに対して、ケズネは北海道にしかいない。

1525.jpg道東のある場所に宿泊した際、宿のまん前にこれの巣があった。初めて見る種だったし、今後そうそう巡り合う機会もないので、狂ったように撮影しまくった。
性格はとても攻撃的で、巣に少しでもちょっかいを出せば怒り狂ったアリどもがドバドバ出てきて襲いかかる。噛み付くだけでなく、水鉄砲のように蟻酸を飛ばしてくる。目を直撃すると危うい。

1544.jpg巣。本来なら大きな小山の塚になるのだが、こういう塚の体を成してない巣ばかり目立つ。日本の赤いヤマアリ類は、どの種もどこにおいても劣勢になりつつある。

1523.jpgズンドウメクラチビゴミムシTrechiama kuzunetsovi。名前に関しては、もはやネット上で散々言われているのでここでは触れまい。

北海道の固有種で、限られた地域の沢沿いの地下浅層に生息する。大型で立派なメクラチビゴミムシ(と言ってもたかだか4-5mm)。
本種は日本中に広く分布するナガチビゴミムシ属のものだが、北海道にはこのほか属レベルで固有のメクラチビゴミムシが2,3知られる。しかし、それらは非常に険しい高山帯に生息する珍種揃いなので、そうそう拝めない。

1545.jpgアリヅカコオロギ一種Myrmecophilus sp.。種名は記さないが、たぶんアレだろう。

クロヤマアリ巣内から出した。こいつに関しては最近思うことがあり、飼育して増やすことにした。北海道は本州ほどアリヅカコオロギを普通に採れない。明らかに東南アジアで繁栄しているグループなので、北海道くらいの緯度は分布の限界なのかも知れない。チェコでもかなり採りづらかった。

北海道にて。

1518.jpg精霊。北海道にて。

ハンノキ林で見た。これに酷似した駄物種がいて、そいつとの区別の仕方がよく分からない。区別の仕方は一応いくつかあるのだが、それら区別法は全部例外を否定できないものばかりなので、総合的にチェックした上で判断せねばならない。
近くにいたおじちゃんが、これは駄物ではなく精霊の方だと言ったので鵜呑みにしたが、本当に精霊の方でいいのか後から不安になってきた。

精霊であれば、環境省の絶滅危惧種(情報不足カテゴリ、2012年)。

1521.jpgヨツボシヒラタシデムシDendroxena sexcarinata。死体漁りのシデムシ類にあって、ほとんど死体には来ない。草葉上で生きた芋虫を襲って食う、捕食性の種。

1522.jpgキオビホソナガクチキPhloiotrya flavitarsis。上品な虫。ナガクチキ類は、豊かな森の指標となる。

北海道にて。

プチせんぶりシュー

1526.jpgセンブリ一種Sialis sp.。北海道にて。

幼虫は水棲で、成虫は水辺の草場上に見られる。日本には複数種いて、成虫の種同定は外見では不可能と言われる。植物にもセンブリという名前のものがあるが、名の由来は全く違う。

今年、ヤマトセンブリを見に行けば良かった。

先日、北海道に調査へ出かけた。二日三日で戻る遠征はときどきあったが、一週間くらい居座るのは久しぶりだった。
1519.jpg赤頭のヒラタハバチ。北海道にて。

ニホンアカズAcantholyda nipponicaかオオアカズCephalcia isshikiiのどっちか。たぶん前者だが、どちらにせよカラマツの害虫。個人的にはあまり見慣れていないので、見つけると嬉しいものの一つ。頭が赤いのはメスで、オスは赤くない。
これの仲間でシロズヒラタハバチPamphilius leucocephalusという精霊がいて、血眼になって探している。国内でまだ数える程の個体しか得られておらず、何を餌に育つかも不明。

1431.jpgムシヒキ一種。ジャングルの落ち葉に止まり、目の前を通り過ぎる小さな飛行物体にはとりあえず奇襲をかける。

マレーにて。

1406_20150330232658105.jpg萱嶋蜘蛛。マレーにて。

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以前、台湾でこの仲間を見て感激したのだが、何のことはない。いつも通っているマレーシアのジャングルの宿泊施設に、クソほどいることがわかった。

1472.jpg宿舎建物の壁面は、非常に小さな隙間や穴ぼこが多い。それらにはほぼ100%、白くちぢれた汚らしいクモの糸が絡んでいるのだが、それが全部萱嶋蜘蛛の巣だった。この壁のすぐ正面にテーブルと椅子があって、いつもここに壁を背にして座り食事も作業もする。この10年間、この施設には年1度は訪れて利用している。
すなわちこの10年来、自分の真後ろにそんなのがいることも気付かずここの椅子に座り続けていたわけだ。人間は愚かなので、自分が知らないものはたとえそれが背後にいても見えないのである。

1473.jpgもっとも、これが日本や台湾で記録されているカヤシマグモFilistata marginataと同種か否かは知らない。本属は似た種が多いので、専門家でなければ正確な種が分からない。

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警戒心が強く、なかなか全身を外へ出さない。つぶれた蚊を使って、機嫌をとりながら少しずつ外へ誘い出した。巣はいくらでも見つかるが、その大多数が空き家で、アクティブな巣はかなり少ない。このクモを専門に狙う敵が定期的に襲撃してくるため、捕まってさらわれる個体が多いのだろう。

海外でこれだけこの仲間のクモを見てしまうと、やっぱり日本の精霊ハラナガカヤシマグモF. longiventrisを再発見せずにはおれない。1960年代、九州のある洞窟でたった1匹見つかって以後、隣界にロストしてしまい、誰一人これに接触できた者がいないまま現在に至る。環境省の絶滅危惧種に指定されたが、特に保護もされていないし探索努力もあまりなされていない状況にある。
記載文に載っている姿、この属のクモ全般の生態を鑑みれば、本来あの精霊が洞窟にだけ住む生物ではないのは明らかである。しかし、50年近くにわたり誰の目にも触れていない状況なので、奴は恐らく我々の目を巧みに掻い潜った特殊な環境に生息基盤を持つ。あの、ウナギイヌのような異常に長細い体型に、そのヒントが隠されている。

1405.jpgエダアリCladomyrma sp.の結婚飛行。マレーにて。

特定の植物上にのみ生息し、その茎内に営巣する。いわゆる「アリ植物」に住むアリ。女王は異様に扁平な顔面をしているため、一目見てすぐにそれと気づく。空中に飛び出しオスと交尾を済ませた新女王は、やがて力尽きて死ぬオスを捨て置き、目的の植物を探すべく森中を飛び回る。

1407.jpg首尾よく目的の植物を見つけた新女王は、翅を落とした後にそこへ営巣を始める。植物の茎には、もともとアリのための出入り口が用意されていない。だから、新女王は死に物狂いで茎を齧って穴を開け、内部に潜る。
茎を齧ると大量の粘液が出て、体にまとわり付くが、それでも新女王は素早く仕事を遂行する。早く内部に隠れないと、敵に見つかって食われる。

1445.jpgウデムシ。マレーにて。

ウデムシ目はクモガタ類の一つで、目レベルで日本に産しない。石下や樹皮下に隠れていて、夜になると出てくる。ムチのように長い脚を持ち、ザトウムシに雰囲気が似るものの、顔つきはまったく違う。

1444.jpg生きたものを捕らえるのに向いた形態。この種は体長わずか数mmで成体となる種だが、アフリカや南米にはもっと巨大なものがいる。それは脚を目いっぱい広げると、差し渡しが人間の手のひらを軽く超える。

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ハゴロモの幼虫。マレーにて。

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1462.jpg夜間、森の倒木に集まる面々。マレーにて。

1415.jpgハリナシバチに恐ろしいほど精巧に擬態した、タマバエかキノコバエのどっちか。顔だけ見るとタマバエに思える。

飛んでいる姿が、色彩といいサイズといい微粒子レベルでハリナシバチとまったく区別不可能。最初飛んでいる姿を見つけて当然のようにハリナシと思ったが、周囲に花も咲いてない暗い林床で、一匹だけゆっくり飛んでいるさまに妙な違和感を覚えて追跡したら、とうとう化けの皮が剥がれやがった。
止まる際、高率で下草の葉裏に止まろうとするため、撮影がきわめて難しい。加えて、人の気配に敏感なので、しばらくその正体を見定めるのに苦労した。最初マドガの仲間と思ったが、どうやら双翅目であるらしいことに気づいた。太いガニマタの足つきから見てオドリバエを当初疑うも、触角からタマバエあたりのセンであろうという結論に至った。10年来、ほぼ毎年のように何度も来ている森だが、こんなヤツは一度でも見たことがない。

マレーにて。

1510.jpgヤマトンボじみたヤゴ。

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1512.jpg牙カゲロウ。鋭い大アゴ、強靱な前脚からして獰猛な捕食者であることが容易に推測できる。成虫はどんな姿だろうか。

マレーにて。

1513.jpgベニシロチョウAppias nero。マレーにて。

ニンジンのような赤い翅表をした、モンシロチョウの遠い親戚。水辺によく吸水に降り立つ。東南アジアでは駄蝶扱いだが、日本では台風でたまに飛ばされてくる程度の珍種。

考えたらベニシロチョウって、名前だけ聞いたら何色の蝶だかよく分からないネーミングだ。

1405_20150330232656d53.jpgロケット大ミズスマシ。マレーにて。

1.5cmほどもある大型種。ほっそりした流線型で、流れのある河川水面を自在に滑走する。脅かすと、30cmくらいの距離を瞬間的に移動した後、めまぐるしいスピードで回転してこちらを翻弄する。しばしば群生するが、まるでマンガに出てくるペンギンかカラスの顔だけが、いくつも水面を走っているかのよう。
基本的に至近まで近寄れないので、生きた個体の撮影は非常に難しい。ある卑怯技を使って、自然なままで撮影したように見せているに過ぎない。

1411_201503302328190d6.jpgこの手の大型ミズスマシは、手づかみするとイチゴミルクのような甘い香りを放つことで知られるが、こいつらを何匹取り押さえていじってもそんな匂いは出なかった。いじりすぎると、強力なキバで手を齧られる。ラブルベニアも付いてなかった。

1412.jpg渓流性アカガエルAmolops larutensis。マレーにて。

日没後、川の水面から出た石上に出て鳴く。ラルットハヤセガエルという何のひねりもない和名があるらしいが、個人的に「ユイチリガエル」と呼ぶ。それはその鈴を振るような特異な声にちなむ。
渓流性のカエルは川のザーザー音にかき消されぬよう、どの種も犬のような野太い声で鳴くか、鳥や虫のように高く澄んだ声で鳴く。

1413.jpg激流に洗われる石にへばりつく。きわめて対人警戒心が強く、近づけばすぐジャンプして川に飛び込む。しかし、強力な脚力で横泳ぎして速やかに手近な別の岩に這い上がる。個体ごとに決まったエリアを縄張りにしているため、どこまでも流される訳にはいかない。
一度脅かしてしまった個体は非常に敏感になり、なおさら接近が困難になる。














1410.jpg狙われたユイチリガエル。

1507.jpgベニトンボTrithemis aurora。マレーにて。日本にも南方にいる。

1508.jpgアカネ系に見える奴。

1509.jpgNeurothemis sp.。アカスジベッコウトンボとかその辺り。ド普通種。


熱帯にはトンボがたくさんいるが、実際に見つけても撮影までしないことが多い。チョウもだが、熱帯のトンボはきわめて警戒心が強く、容易に近づけない。気温が高いぶん、日本のものよりも機敏に反応して動けるのだろうか。

熱帯の強烈な日差しの中、この警戒心の塊のような生物との駆け引きをするのは体力と精神力とカメラのバッテリーを著しく消費する。海外のトンボやチョウの写真など、多くの人間達が方々で既にさんざん撮っているであろうものを、自分がそこまでして苦労をかけて撮影する必要があるのかという思いが強まり、結局いつも撮影せずに終わる。

1459.jpgミズギワカメムシ一種Leptopus sp.?。マレーにて。

渓流わきの石の表面にいて、素早く走り回る。性格は冷酷かつ残忍で、自分より弱い相手には容赦しない。

1463.jpgヒメクールガエルLimnonectes laticeps。マレーにて。

沖縄のナミエガエルL. namiyeiの親戚で、ほぼ外見は同じ。沢沿いの水辺から離れない。目の前に獲物が近寄ると、その足下から直接喰らいつくようにして襲いかかり、瞬時に丸呑みにする。小動物にとっては、ワニに匹敵する危険な肉食獣。

1419.jpgマレーシアの川。

東南アジアの遠征に初めて赴いた頃は、淡水に触れることを極度に恐れていた。しかし、回を重ねるにつれてあまり気にしないようになっていった。川の水に濡れる程度のことでビクついていたら、現地でまともな生活が送れないからだ。
それでも、アフリカではさすがに徹底せざるを得なかった。ギニア虫にやられる恐れがある。

1483.jpg精霊。

1486.jpg全体的にツゴツした風貌で、当に背中に生えたトゲが痛そう。西日本に局所的に分布し、平地の明るい雑木林に住む。多い場所にはすさまじく多い。夜行性で、日没後にして待っているだけで道路上におびただしい数が這い出てくるのを見られる。
体長1cm前後比較的大型の種だが、その割に短足のため、野外で見たときにそれほど巨大な生物には見えない。雑食性で、日中車に挽きつぶされた虫の死骸から獣のクソにいたるまで、あらゆる有機物にたかって食い漁る。成体の出現期間は初夏に限られる。

環境省の絶滅危惧種(情報不足、2012年版)。いる場所にはヨウヨいるが、生息域は非常に局所的。ある程度開放的な空間が生息に必要で、周囲の植生遷移が進と姿を消すらい。

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人によってはこれの風貌がセアカゴケグモと紛らわしく見えるそうで、希少種なのにしばしば叩き殺されて保健所に持ち込まれるらしい。

1505.jpgキバネアシブトマキバサシガメProstemma kiborti。福岡にて。

久々に見た。長野では家の周りでしばしば見かけたものだったが。古いカメムシ図鑑では、超絶珍しいように書かれていた種。実際のところ大騒ぎするほど珍しくはないのだが、それでもまとまった個体数を一度に見つけるのは難しい。そして、まばらに草の生える開けた荒れ地に棲み、小昆虫を捕殺する以上の生態情報はほぼない。今なおである。

1506.jpgミカドアリバチMutilla mikado。福岡にて。

アリバチはアリそっくりなハチ。中でもミカドは2cm弱ほどもあり、日本産アリバチ類では破格の巨大種。地べたを素早く走り、地中に作られたマルハナバチの巣へ侵入してその蛹に寄生する生態を持つ。
アリじみた外見だが、単にハチの翅がない奴に過ぎないため、手づかみすると容赦なく刺す。そもそも、アリ自体もハチの翅がない奴に過ぎないのだが。

しかし、こいつも本当に久々に見た。昔はそんなに珍しい虫に思わなかったが、近年明らかに激減している。長野に住んだ13年のうち、前半期に比べて後半期にこいつと山でエンカウントした回数は信じがたいほど少ない。近年、マルハナバチが全国的に激減しているので、当然と言えば当然の流れである。

1492.jpgミカドオオアリCamponotus kiusiuensis。福岡にて。

夜行性だが、天気の悪い日や昼なお暗い森林内では日中も多少歩き回っているのを見る。

1496.jpgマルクビゴミムシ一種Nebria sp.。

畑に夜行くと、地面を徘徊している個体が見られる。この仲間は何種か仲間がおり、どれも湿気た場所に多い。これの仲間で、へりが黄色くて頭が黒いやつと、全身黄色で翅に黒い紋があるやつの生きた姿をどうしても撮影しないといけないのだが、おそらく一生不可能。

1493.jpgキノカワゴミムシ一種Leistus sp.。

夜間、森林内の倒木上に現れる。動きはとても素早くて敏感。ストロボを一発浴びせるだけで瞬時に逃走して消える。

1495.jpgフタホシスジバネゴミムシPlanetes puncticeps

開けた畑や林縁で夜間徘徊しているのを見る。普通種らしいが、個人的にあまり見慣れない種。

1494.jpg夜の裏山はよい。

福岡にて。

1440.jpgツマキチョウAnthocharis scolymus

日本では普通種だが、国外ではさほど普遍的に分布しているものではない。日本で崇め奉られる高山蝶クモマツマキチョウの方が、世界的には駄蝶。クモツキの生息域に13年も住んでいながら、ついに一度もまともに見ないまま出て行ってしまったのを、腹の底から後悔している。
はてしなく飛び回ってばかりで一向に止まらないため、撮影は非常に面倒かつ時間を食う。日が陰ると、多少は言うことを聞くようになる。

1503.jpgシオヤトンボOrthetrum albistylumもいた。今年の春は、めまぐるしいスピードで過ぎた。

佐賀にて。

1504.jpgコマルハナバチBombus ardens。春先の新女王。佐賀にて。

ぱっと見、クロマルハナバチB. ignitusかと思ったが違った。考えたら、ここ数年クロマルをほとんど見かけていないことに気付いた。野生のクロマルは近年全国的に激減しており、環境省レッド入り(情報不足カテゴリ、2012年版)するまでになっている。一方、外来種として問題になったセイヨウオオマルに代わってハウス栽培作物の受粉用に飼養されたものが、本来いなかった地域で逃げだし野生化する事例も起きているらしい。いるべき場所でいなくなり、いてはならない所で増えつつある。
今、確実に野生のクロマルが見られる場所はどこにあるのだろうか。野生のクロマルを見たくてたまらない。

1436.jpgクボタノコギリヤスデPrionomatis nanatugamense

九州の、ある一カ所の洞窟からのみ知られる。色素が抜けて純白の胴体を持ち、目はない。洞内に残されたわずかな有機物を餌に生きている。洞窟壁面の粘土を盛んに舐めていた。

1437.jpg胴体の各節の側面は、ノコギリ状のギザギザになっている。その名の所縁。

1438.jpgヤスデの素晴らしさについて語り合える人間が、周囲にいない。