2139.jpgカワサワメクラチビゴミムシRakantrechus kawasawai

四国の限られた洞窟に固有。時期によって多数見つけられたり、一匹も発見できなかったりする種。ラカンメクラチビゴミムシ属のラカンメクラチビゴミムシ亜属に属す唯一の種なのに、名前がラカンメクラチビゴミムシじゃないのは納得がいきかねる。
金髪ツインテと来ながら、ニーハイでないのと同じくらい納得がいきかねる。

2138.jpgラカンツヤムネハネカクシQuedius cephalotes

四国カルストの地下空隙に生息する、ほぼ盲目の甲虫。2cm弱あり、日本産の地下性昆虫としては破格の巨大種。日本各地の地下浅層に、これに外見の酷似した近似種がいて、それぞれの種の分布域は通常とても狭い。
洞窟内の、コウモリのクソが山盛りに積もった場所(グアノ)上にいることが多い。しかし、見かけるのは幼虫ばかりで成虫は概して少ない。恐らく、コウモリのクソそのものではなく、それに発生したほかの小動物を捕殺するものと予想される。

これに似たリュウノイワヤツヤムネハネカクシQ. kiuchiiという精霊を探している。徳島県のある洞窟からのみ知られていたが、そこが石灰岩採掘により40年前に消滅して以後、消息不明となっている。恐らく、洞窟跡地周辺の地下に生き残っているはずだが・・。環境省の絶滅危惧ⅠA(2012年版)という、ヤンバルテナガコガネやらと同等以上の危機的状態に位置づけられているが、まあ話題にならない。誰も話題にすらしない。

歴史の片隅に捨て置かれているこの虫に関しては、当然ながら恐ろしく情報が錯綜している。最新版レッドデータブックでは「40年記録がない」とあるが、別の本(朝比奈 1992)では「近くの洞窟で、この虫と思しき幼虫は見つかったが、本当にこの虫のものか不明」とあり、また別の本(川上 2010)では「幸い、近くの洞窟で再発見された」とある。さらに、徳島県の公開している希少種のエクセルデータ(www.pref.tokushima.jp/_files/00515696/red_list_insect.xls)では、「産地の確認が少し増えた」とある。すでに見つかっていることをほのめかす内容の文献が散見されるのだ。
ただ、「後になって見つかった」系の話に関してはどれも不確かな伝聞に基づくものばかりで、信頼できるソースの存在を一切確認できない。正式な報告がない以上、現状これは40年ロストし続けている未確認生物と見なすほかない。

要するに、俺がちゃんと見つけて正式に報告しろということか。


朝比奈正二郎(1992)レッドデータアニマルズ―日本絶滅危機動物図鑑。JICC出版局、190ページ。
川上洋一(2010)絶滅危惧の昆虫事典。東京堂出版、238ページ。

2141.jpgホラヒメグモ一種Nesticus sp.。四国にて。

岩と岩の隙間に、乱雑に糸を引き回して巣を作る。乱雑とは言っても、ちゃんと一定の秩序を伴って作られた精巧な罠。かかった獲物の反撃を食らうことなく、一方的に攻撃のみ仕掛けて捕殺するのに究極に特化したギミックが仕組まれている。