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コガネグモ。ケニアにて。

2556.jpg大形ハリアリPachycondyla sp.。ケニアにて。

夜になると砂漠の地表を徘徊するでかいアリで、15mmほどもある。肉食で、特にシロアリを好むらしい。強靱な毒バリを持つため、素手で掴めない。

2533.jpg夢にまで見たサバナ。ジャングル(とは名ばかり)の王者ターちゃんの家がある気候帯。アナベベが車で乗り付けてくる。

低木がまばらに生える、カラカラに乾いた環境。時々目に付く大木や小さなブッシュ以外に、日光を遮るものがない。やまだかつて体験したことのない激烈な光と熱に、立っているだけでみるみる気力を奪い取られていく。

2532.jpgどこまでも果てしなく荒涼とした大地が続く。そして、どこまでも景色が同じなため、無鉄砲に一人で突き進むと遭難しかねない。特に夜だと、本当に方向が判断できなくなり危険。
熱射病、毒蛇やサソリ、遭難に細心の注意を払いつつ、サバナを力なく彷徨ってアリの巣を探す。

2518.jpg颶風の御子よ、我に力を。

2526.jpgヤガ。ケニアにて。

マリガットでは至る所に高密度で生息しており、夜間灯火にすさまじい数が飛来した。砂をまぶしたような模様が、いかにも砂漠の虫らしい。
朝方、ホテルの壁にベタベタ大量にへばりついているのだが、ホテルに住み着いているスズメなどの鳥はこれを食おうとしなかった。たぶん有毒なのだろう。

滞在半ばで、カカメガを離れて第二の拠点「マリガット」へ移動する。現地人はカカメガから車で2時間と言っていたが、実際には8時間。マリガットは環境が全く異なり、ジャングルはない。ただひたすら荒涼とした乾燥地帯「サバナ」が広がっている場所。生まれて初めてのサバナに、俄然色めきだつ。
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マリガットには割とちゃんとした町があって、その一角にたつホテルに宿泊した。とにかく乾いていて、水気がない。埃っぽいのも相まって、ノドをやられそうになる。そしてカカメガを遥かに凌駕する暑さと紫外線の強さ。俺は普段日焼け止めなど軟弱の極みだとして使わないのだが、ここではさすがに使わざるを得なかった。使わなければ死ぬ。

2529.jpgこんなに地獄の暑さなのに、部屋はクーラーがない。扇風機で、生暖かい空気をただ煽るだけ。テレビもない。

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シャワーはちゃんと湯と水の両方が出るのだが、俺の部屋のやつはシャワーの穴の大半が詰まっていた。かろうじて空いている穴は全部あさっての方向を向いており、水を勢いよく出せば出すほど四方八方に飛び散ってしまう。かと言って弱めたら、しょぼい水滴がしたたるだけ。浴びにくいことこの上ない。しかも備え付けの石けんがすこぶる泡切れ悪く、いくら洗い流しても体が泡まみれ。

こんな宿でも、フィールド研究者にとっては雨風夜露がしのげて以下略

2525.jpgムシヒキ一種。ケニアにて。

ジャングルの道脇に張り出した枝葉に陣取る。目の前に現れる、自分が戦って殺せそうな飛翔物体には敏感に反応し、首をぎょろぎょろ動かす。

2509.jpgナガイボグモ。ケニアにて。

華奢な印象のクモで、アジアやアフリカの熱帯地域に広く見られる。網らしい網を張らず、樹幹にべたっと張り付いてじっとしつつ獲物を待つ。体の色彩は樹皮のそれとそっくりで、よく見ないと存在には気づき難い。

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2513.jpgこのクモの最大の特徴は、獲物の捕らえ方にある。樹幹を登って近寄ってきた獲物に対して、すさまじいスピードで飛びかかる。このとき、獲物の頭上をまたぎ越しながら、尻の細長いツノ状の糸いぼから帯状の幅広い糸束を投げつける。まるで歌舞伎役者のよう。これにより、獲物はその場に仮どめされて動けなくなる。
そしたら、すかさずクモは糸束を放ちつつ獲物の周りをグルグル走り回り出す。すさまじいスピードで、一秒間に獲物を4周くらいする。これを数十秒やられて、完全に動けなくなった獲物は、最後に咬まれてとどめを刺される。クモはがんじがらめになった獲物を引きはがし、定位置まで運んでから吸収する。
この糸束の雰囲気をどうにか出しつつ獲物捕獲の瞬間を撮影できないかと、現地滞在中さんざ試行錯誤した。結局、思い望んでいたような雰囲気には写せず、次回の課題。

この生物は、驚くことに日本でも南西諸島で広く見られる。しかし、その珍奇なるハンティング習性にも関わらず(そして、数多の虫マニアがさんざ入っている土地にも関わらず)、日本人でこのクモが獲物を今まさに狩っている瞬間を撮影した者は、ほとんどいないようである。画像検索しても一つも引っかかってこないから。

2523.jpgエグリバのような蛾。下翅が目の覚めるような紅だが、飛んできて止まるとすぐさま隠してしまう。

ケニアにて。

琴里「このアトキリゴミムシ!」

2493.jpg一見、こちらの地域にありがちな黒いミイデラゴミムシかと思ったが、違った。多分、擬態しているのだろう。ミイデラゴミムシは毒ガスで武装しているが、アトキリもアトキリで鼻が曲がる程強烈な酢酸臭で武装しているから、擬態だとすればミュラー型か。

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ケニアにて。

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ハイイロゴケグモLatrodectus geometricusの巣。ケニアにて。

多分移入分布だろうが、アフリカにもいるとは知らなかった。カカメガの宿舎には至る所に見られ、よい暇つぶし相手となった。
窓枠など、ちょっとした隙間に不規則に糸を引き回した巣を構える。上部の奥まった所には、ロウト状の隠れ家を作ってそこに収まる。

日本でも近年あちこちに帰化している種。身なりは地味だが、セアカゴケグモの親戚筋にあたる猛毒グモだ。毒性はセアカより遥かに強いことが分かっている。しかし、性質は大人しく、すすんで出歩くような種でもないため、こちらが余計な事をしない限り別段害はない。マックロクロスケ同様、ニコニコ微笑んでいれば悪さはしない。
とはいえ、日本では特定外来生物に指定されているため、日本で見たら即殺すことが強く推奨される。

日本では上述の如く、法的に規制されている存在ゆえ、移動や飼育が禁じられており、家に連れ帰りじっくり観察することができない。よって、出先の海外で自分の宿泊施設内にこういうものがいてくれるのは、願っても無い絶好の観察機会。ねっとり舐め回すように視姦観察してやる。

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ゴケグモをはじめ、ヒメグモ科のクモの大多数種が張るこういう汚い網は、不規則網と呼ばれている。しかし、本当に不規則な訳ではなく、確固たる秩序のもと機能性を最重視したつくりになっている。
乱雑に引き回した上部から、数本の長い糸をまっすぐ地面に向けて張る。この糸は、接地部から上部1cm弱までの範囲にのみ、粘着性の強い雫が付いている。雫は等間隔に並んでおり、まるで数珠玉のよう。

地面を歩いてきた何も知らない虫が、たまたまこの糸に触れてしまうと、糸は虫をくっつけたまま接地部が切れ、その獲物は一瞬にして宙吊りにされる。すると、その振動を感知したクモが隠れ家から降りてきて、すぐさま糸を浴びせて仕留めてしまう。

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腹部腹面の、赤い砂時計模様が目立つ。

マンマリアン

2488.jpgビロウドコガネ。ケニアにて。

夜間灯火に、嫌と言うほど来る。あまりにもいすぎて困るので、現地では視界から自動的にこの虫を削除し、存在を認知しないプログラムを脳内にインストールすることになる。
この虫の姿が見えなくなる前に、写真を撮った。ほぼ球体に近い、ユーモラスな姿をしており、なかなか愛らしい。理由は謎だが、胸部はビロウドでない。

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(∵) ヲー

2497.jpgコオイムシ。ケニアにて。

夜間、灯火に来た。日本の水田にいるようなのと、ほぼタメサイズ。周囲には水場らしい水場はなく、日が射せばすぐ乾くような水たまりしかない。そういう環境にしがみつくように命脈を保っているのだろう。

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2485.jpgカイコ。ケニアにて。

一番上の奴は、戦闘機のような姿はもとより、前翅に透かしが入ってかっこいい。頭を下にして見ると、意地悪なオオカミの顔になる。
※追記。実はこの種はカイコではなく小型のヤママユHolocerinaの一種でした。ご教示下さった方、ありがとうございます。

2492.jpgドクガ。ケニアにて。

カメルーンでも似たようなのを見た。触っても害はないが、味がとても悪いため、鳥は食いたがらない。

※痛恨の勘違い。有毒なシャチホコガ科のAnapheだそうです。ご教示くださった方、誠にありがとうございます。

2491.jpgドロムシだかヒメドロの奴。1cm近くある大形種で、灯火にしばしば来た。

ケニアにて。

※Larainae亜科の一員とのご指摘をいただきました。ひめどろや様、ありがとうございます。

2496.jpgダイコクコガネ。ケニアにて。

カカメガで一番多かった糞転がし。高速で低空を飛び回り、夜間灯火に飛来する。夕食時、宿舎のドアを開けておくと必ず飛び込んでくる。何度追い出してもまた入ってくる。

2524.jpgホソゴミムシらしき奴。ケニアにて。

夜間、便所の壁をよじ登っていた。金属的な緑の様は、日本のオオアオホソあたりに相通じるものがあるが、胸部の朱もイカす。

日本の黄色いあれを一度も見たことがない。見たくて発狂しそう。みんながいるいるとさんざ評判にしている、犬型県のスモールボックスリバー下流のあそこに既に二度三度足を運んでいるというのに、まったくかすりもしない。

2484.jpgアメイロオオアリ一種Camponotus (Tanaemyrmex) sp.。ケニアにて。

カカメガではサトウキビが随所で栽培されている。多くの原住民がこれを道端で齧ったり、出荷用に切りそろえているらしく、カスをその辺に捨てている。
このアリは夜間のみ巣口を開けて地表を徘徊する。その際、路上に捨てられたサトウキビのカスに集まり、まだこびりついた糖分を意地汚くしゃぶり尽くす。

アフリカのオオアリの巣には、かなりクリティカルな好蟻性類が入るのを知っていたので、滞在中かなり徹底的に暴いたが、悲しいほど何も出なかった。

2434.jpgシンジュタテハProtogoniomorpha parhassus

翅の色自体は白いが、構造色により文字通り真珠の光沢を呈する。しかし、写真にするとその光沢を出すのがとても難しい。あまり羽ばたかず、ゆったりと浮くような飛び方をするため、見ていて心地よい。

2444.jpgルリアゲハ(nireus群のPapilio)。

黒地に青緑の帯が走る、アフリカのチョウとしては美麗な種。素晴らしいスピードで一瞬にして林内を飛び去っていく。基本的に飛んでいる姿しか見ないチョウだが、一回だけ手元に止まる瞬間に立ち会った。翅を閉じて止まったため、小汚い裏面しか見られず。
ルリアゲハで検索すると、日本のアオスジアゲハをこれと勘違いしている日本人が散見される。なんで遠いアフリカのチョウの名を知っていて、身近な日本のチョウの名は知らないんだ?

2465.jpgサスライアリDorylus sp.。ケニアにて。

2466.jpg今回の主要目的の一つだが、この森ではかなり遭遇頻度の少ない相手だった。場所とコロニーにより、居候の密度に著しい差が見られ、一時間行列脇に座っていても何も行列をよぎらないことも。
人間の皮膚を容易くえぐり取る強力なキバを持ち、なおかつ観察者が行列脇で起こすわずかな空気の乱れ(吐息など)に怒ってすぐ襲いかかってくるため、観察はやっかいなことこの上ない。

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2467.jpgもう一つやっかいなのは、ときどき行列をよぎる共生者がとにかく揃いも揃って見づらい容姿をしていること。アリと瓜二つの背格好をしている。もしくは、体長1-2mmの極小かつ棒のように細い体をしている。加えて、動きが風のように素早い。アリも動きが素早く、そのアリ共の集団を縫うように一瞬で通り過ぎてしまうため、採集も撮影も並の人間には不可能だ。
これだけでもいっぱいいっぱいなのに、仕上げにこのアリの行列は、体の大きなソルジャーが行列の両サイドをガッチリ護衛する。薄暗い場所ないし時間帯ならば、このガードは比較的薄い。しかし、明るくなるとアリ共は警戒心が強くなり、より多くのソルジャーを動員してガードを次第に分厚くしていく。終いにはこのガードが完全に行列表面を覆ってしまい、内部の様子がまったく見えなくなってしまう。これでは居候の観察はできない。かといって下手にアリを刺激すると一斉に怒って放射状に散らばり、こちらに襲いかかってくるため、なおさら観察どころではなくなってしまう。
どうにかして、このガードを払って行列をむき出しにできないものかと、さんざ無い知恵を絞って試行錯誤した。その結果、ある方法を使うと不可能ではないことが分かってきた。

あるコロニーの行列を観察していた時、あまりにも居候がやってこないので退屈をこじらせ、ガードのソルジャーにちょっかいを出して遊んだ。その際、近くに落ちていた細い木の枝を手に取り、ソルジャーの頭を勢いよく引っ叩いてみた。当然、アリは怒って枝に噛みついてきた。俺はサスライアリはとにかく凶暴だから、ソルジャーは頭に触れるものには何彼構わず噛みつくのだと思っていた。そこで、今度は枝をゆっくりソルジャーの頭に下ろし、先端でそっとアゴに触れてみた。当然また噛みついてくるものだと思ったが、驚いたことにソルジャーは無反応だった。
枯れた植物片でアリの頭をいきなり叩くと怒るが、そっと撫でるとアリは撫でられていることに気づかないのである。また、いきなり叩いて怒らせ植物片に噛みついた場合でも、そのまま植物片を動かさずにそっとしておくとアリは数秒で我に返り、離してしまう。肉、油分を含む新鮮な植物しか食わないサスライアリは、枯れた植物の存在に無関心らしい。この習性を利用しない手はない。

ガードを固めるソルジャー同士の間にできた僅かな隙間に、細くて丈夫な枯れ枝をゆっくり差し込み、それから横に払うように動かしてみた。10秒間に1cm位のゆっくりしたスピードで、ソルジャーを横にずらしていく。アリは怒らず、こちらのなすがままにずらされていく。ソルジャー達は脚を絡ませあっているため、一匹ずらすと芋づる式に全部のアリが塊となって横へずれていくが、怒り出す個体はおらず、最終的に見事行列脇にガードフリーな風穴を開けることが出来たのだった。

2463.jpgマダラテントウ。いわゆる野菜の害虫ニジュウヤホシテントウの親戚で、葉を食う。ケニアにて。

ニジュウヤホシテントウは本来草食の大人しい平和な虫なのだが、食うのがたまたま農作物だっただけの理由で人間共からは心底嫌がられている。逆に、ナナホシテントウは生き肉をとって食らう凶悪な生物なのに、食らわれるのが偶然アブラムシだっただけの理由で人間共からは愛されている。
ナナホシテントウは、絵本やアクセサリのモチーフとして引っ張りだこだが、同じくらい身近なニジュウヤホシテントウがその手のモチーフになっているのを、往々にして見ない。どんだけニジュウヤホシテントウ嫌いなんだ人間共。

2495.jpgクビボソゴミムシ。ケニアにて。

日本のオオクビボソより一回りでかい、立派な種。アフリカは巨大なゴミムシが数多く生息する。

鷹狩実狩は

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2475.jpg調査の帰り道。ケニアにて。

道にはしばしば牧草地へ向かう牛の集団がいる。牛どもの後ろには棒を持った牛飼いがいて、道から外れたり立ち止まる奴のケツを容赦なくひっぱたく。パァン、パァンとものすごい音がする。
ケツをひっぱたかれて延々乾いた道を歩かされ続け、いずれは食用に潰される牛どもの姿が、悪条件・安月給でひたすら働かされ続ける日本のリーマン、任期付き若手研究者その他の姿にかぶり、見ていて鬱になった。

「噛んだ唇、滲む悔しさわーすーれーぬーぞー」と徳川家康のあの歌を復唱した。

2473.jpgジャングルを流れる、激しい濁流。はるか数キロ先くらいから水音が聞こえたほど。流されたら一瞬で死ねる。それ以前に、水に触れた時点で訳のわからない寄生虫にやられそう。

岸辺には、尋常でないスピードで水面を滑走する巨大カタビロアメンボが多数いた。亜光速移動するため、当然写真なんか撮れない。

ケニアにて。

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カレハガの幼虫。ケニアにて。

太さ2cm弱、長さ10cm以上もある巨大な奴。触ったら物理的にも精神的にも死ぬ。干渉されると、上半身を持ち上げて左右に激しく振る。


ギムレーから帰還。何とか撃墜されずに済んだ。しかし、これから一層忙しい毎日が続く。

2433.jpgアフリカのチョウとしてはものすごく綺麗な部類のタテハ。ケニアにて。

リュウキュウムラサキみたいな雰囲気の大形種。あまり日の差し込まない林内にいて、ゆったり飛ぶ。敏感で近寄りがたい。



欧州界隈の政情が急速に不穏な感じになってきたので、ギムレーから離脱。

2453.jpgエンマだかダイコク系の、大形糞転がし。ケニアにて。

2454.jpgスカラベとは異なる、逆立ちしないタイプの奴。牛糞の真下あるいは脇に縦穴を掘り、そこに糞を詰め込む。運ぶ手段は、ひたすら糞を前脚で挟んで穴に後ずさるという芸当もへったくれもない方法。
一生懸命働く姿は可愛らしいが、スカラベの逆立ち糞転がし行動に比べれば遥かにアクションが地味すぎて、見ていて華がない。
背景が糞だらけで、虫が運んでいるのも糞なので、「虫が糞を抱えて運搬している」感の出る写真を撮るのが難しい。



ギムレーでの戦いが終わった。予想以上に厳しい戦いだったが、天気と運が味方した。
俺の好蟻性図鑑に…また1ページ。by押忍番虫

2460.jpgナナフシアリMyrmicaria sp.。ケニアにて。

東南アジアからアフリカにかけて広く分布する仲間。触角が七節からなることが名の由来であって、擬態の名人とは一切関係がない。
これの巣には、確率は低いがトンデモナイ居候が生活している。そのため、これの巣を効率よく見つけて暴く能力は極めて重要である。



ギムレーの最南端へ移動することに。何はなくとも、アレだけは絶対に仲間にして帰らねばならない。今回俺がわざわざこんな北欧の僻地まで来た最大の元凶たるアレすらデレさせず戻るなど、倫理的に許されない。
しかし、ヨウツベに上がっているアレの生態映像を見るにつけ、果たして見つけたとて撮影できるんだろうかと不安に駆られる。とにかく早すぎるのだ。小さい、早い、動きが読めない。
多分、アリの巣関係の生物としては、南米のジャングルでさんざ俺を振り回した堕天の精霊以来の難敵として、俺の前に立ちはだかるだろう。しかし、アレのアリとの関わり方は、日本はじめアジア界隈のどの好蟻性類にも見られない特異なものだ。今世紀最大の奇書・好蟻性図鑑世界編を完成させる上で、絶対に必要なピースの一つなのだ。

2464.jpg美麗なゾウムシ。ケニアにて。

絶対近縁筋ではないはずだが、小笠原のヒメカタゾウを髣髴とさせる小型種。考えたら、小笠原固有のテナガカニムシも、直近と考えられる仲間がアフリカにいるのだった。アフリカと小笠原は、時空転移門か何かでつながっているのだろう。



ギムレーでの最重要目的のうちの一つが、早くも達成不能であることが判明し、FXで有り金全部溶かす人の顔になっている。

2457.jpgツマグロキンバエStomorhina sp.。ケニアにて。

日本にも似た種がいくつかいる。この仲間は幼虫期にどこで何をしているのか、いまいち判然としないことで有名。これまで得られた断片的な情報から推測すると、肉食性であることは確か。餌として記録されているのは、アリ、シロアリ、そして直翅類の卵。
ガスマスクを被ったような特徴的な顔をしている。


ギムレーは寒い。