2933.jpgスギカミキリSemanotus japonicus。茨城にて。

春先にのみ成虫が出現する。スギの大害虫という触れ込みながら、本気で探さないとそうそう姿を見られないので、割と珍しがられる。
ほどよい採りづらさ、ほどよい大きさもあいまって、虫マニアにとっては獲物の少ないこの時期の格好の標的。

2934.jpgナナフシBaculum irregulariterdentatum幼虫。茨城にて。

無印ナナフシの別名は、なぜかナナフシモドキ。迷蝶ウラベニヒョウモンの別名も、ウラベニヒョウモンモドキ。これ如何に。

2929.jpgキマダラハナバチ一種Nomada sp.。茨城にて。

労働寄生性で、他の単独性ハナバチ類の巣を乗っ取る。留守中を狙って中に侵入するが、万が一巣の持ち主が中にいて鉢合わせ、闘いになっても、割と丈夫な体つきなので致命傷を負うことは少ないようだ。
裸地に空いた小さな穴は全部寄主の巣穴である可能性を疑うらしく、見つけ次第片っ端からホバリングして上空から監視する。

2927.jpgベニシジミLycaena phlaeas。茨城にて。

ベニシジミの幼虫は、シジミ類のそれとしては珍しくアリと共生できない。

2928.jpgアオバアリガタハネカクシPaederus fuscipes。茨城にて。

水田に住む、ありがたくない虫。しかし、色彩は本当にすばらしい。毒さえなければ、きっとものすごく人気が出ただろうに。

2926.jpgヒメキベリアオゴミムシChlaenius inops。茨城にて。

水田にいて、夜間地表に出てくる。これに外見の似た、首の長い精霊はどこだ。

2913.jpgクロヤマアリFormica japonica。茨城にて。

2914.jpg春先に巣口を開けて、活動準備。

2912.jpgヒメマルカツオブシムシAnthrenus verbasci。茨城にて。

皆が嫌がる虫だが、大きく拡大してみると、実はものすごく美しい生物であるのがわかる。もちろん、撮影後は外へ叩き出した。

2923.jpgヒメマイマイカブリCarabus blaptoides oxuroides。千葉にて。

驚くほど美しい。しかし、これを見ても気分が晴れない。これを見た場所は、かつてこれとは別の意味で首の長い精霊が多産したという。しかし、どんなに探してもそれがいないのだ。時期の問題か、それともそもそももういないのか。
ミゾカクシなんて、あの場所のどこに生えてるんだ。

2922.jpgアオオサムシCarabus insulicola。千葉にて。

これを見ると、実に関東の気分。

2920.jpgツクバハコネサンショウウオOnychodactylus tsukubaensis。茨城にて。

悪天候の日に、沢沿いで見た。長年、本州と四国に広域分布するとされていたハコネサンショウウオは、実際には地域により複数の種に分かれていることが最近判明した。そのうちの一つツクバハコネは、北関東のごく限られたエリアにしかいない種で、絶滅が危ぶまれるとして新種記載からまもなく国内希少野生動植物に指定された。
おそらく成体だが、長野でさんざ見た普通のハコネに比べて明瞭に尾が短い。Hynobius並じゃないか。

捕獲厳禁であり、触るのさえ違法。本当はもっといいポジションに移して撮影したいのだが、そのために罰金500万はあまりにも痛すぎるので、出来合いのシステムを使ってその状況下で可能なアングルにて撮影する他ない。そのため、こういう図鑑みたいな無機質な構図の写真しか撮れない。

このように触ることだけは厳重に禁じられている本種だが、その生息環境の保全状況に関しては、例によってろくにいい噂を聞かない。

2918.jpgコガタルリハムシGastrophysa atrocyanea。茨城にて。

2917.jpg道端の雑草、スイバとかギシギシとかに沢山たかっており、春先は特に目立つ。メスは腹が卵でパンパンとなり、飛べなくなってしまう。
どくとるマンボウ昆虫記で、初めてラーポンとかいう言葉を知った。

飛び魚

2919.jpgトビイロシワアリTetramorium tsushimae。茨城にて。

昔、大学のTAでカビキウリ事変を起こしたことがあったが、別の日に口頭でトビイロシワアリの解説をした後にも、学生から「トビウオシワアリを・・」などと書いた紙を渡されている。字も下手なら滑舌も悪いというクソ仕様。

2915.jpgブラシザトウムシ。茨城にて。

地下性傾向の強い仲間。東日本では山間部のガレ場で石を裏返せば見つかるが、西日本に行くほど洞窟など地下深部まで潜らないと見られなくなる。高温に弱いようだ。そういえばガロアムシも、西日本ほど露骨に地下深部でしか採れなくなる。

九州では、この仲間は記録上いる事になっているが、はっきり言ってUMAの類。さんざ目を皿のようにして探してるのに、今まで一匹とて見た試しがない。本当はいないんじゃないのか。

居たらファェノプス

2925.jpg何も語るまい。

ただ1月5日の俺に、お前の本懐は遂げたとだけ。

2924.jpgゴマダラチョウHestina persimilis。福岡にて。

2月に某テレビの取材を受けた際、必要にかられて冬眠中のゴマダラチョウの幼虫をほじくりかえしてしまった。クソ寒い中外へ出してしまい、あとで元通りにしたとはいえ奴がその後ちゃんと冬眠をやり遂げることができたか気がかりだった。ひとまず、貫徹できたようで安心した。

2907.jpgツグミ。福岡にて。

前の奴よりも、だいぶ後の時期に撮影した個体。ツグミは春、北の国に帰る時期に近くなるほど、体色にメリハリが出てきて結構美しくなる。
また、シロハラに比べると滅多やたらに聞けないが、来る北国での繁殖に備えてさえずりの練習を始める個体もいる。筆舌に尽くしがたいほどの美声で、口をつぐんでいた真冬の薄汚い鳥とは到底思えないほど。俺はまだ生きてて2度しかさえずりを聞いたことがない。今年は聞けるか。

2909.jpg
2911.jpg
2910.jpgカササギの夫婦は仲良し。二羽同時に、同じ方向を向く。鳥の中には番になると、互いの絆を確かめ合うため互いの動作の真似をするものがいる。

ガチャ

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2906.jpgカササギが気に入りすぎて、また見に行ってしまった。

いつもランダムに行動していて、狙って遭遇しがたいカササギだが、ある公園に行くと必ずいつもいて、しかも至近で見られることを知った。ただし、そこは入場料を払わねば入れない。カササギは課金コンテンツ。

2908.jpg本当に美しい。夫婦仲がとてもよく、いつも番で行動している。見ていてほほえましい。

福岡にて。

2897.jpgツチカニムシ。福岡にて。

とても小さい。そして眼がない。

2896.jpgコバネガ一種幼虫Micropterigidae sp.。聖なる山にて。

現存する鱗翅目昆虫の中で、一番原始的な形態を残しているガの仲間。薄暗い山道の際から水が染み出ているような場所に限って生息し、幼虫はそこに生えるコケを食う。自分の生息エリアから遠く離れることが出来ないため、地域により種が分かれる傾向にある。
とても小さなガだが、まったく偶然ながらモスラに極めてよく似た形態・生態的特徴を持つので、虫マニアの間ではそれなりに有名。

幼虫は冬から春にかけて成長するというので探しに行ったら、どれも葉の表面からは撤収して裏側で前蛹になっていた。葉の表にいる姿を見たかったのだが、3月末では遅かったらしい。

※サンダンキョウヒロコバネNeomicropteryx bifurca だそうです。KUWAKIRA様、ご教示誠にありがとうございます。

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聖なる山の、地面から水が染み出ている場所に用事がある。

2900.jpg聖なる山にある神社。

急峻な斜面なのだが、なぜか平面的な写真になってしまった。

2899.jpg聖なる山の林内。

爆発的にシカが増えすぎたせいで、下草が全部食い尽くされて存在しない。森のように見える砂漠。

2901.jpg聖なる山へ行くためのバス停。

名前も知らないゆるキャラの絵が描いてある。この生物の口器形態がどういう仕組みなのか、今なお分からない。確実なのは、オスとメスとで異なることのみ。

2903.jpg
聖なる山の玄関口に掲げられた、解説の看板。

この山の名前には、もともと付いていなかった聖なる文字「英」が後付けされている。その背景には、ある重要な史実が関係しているのだが、その核心部分が書かれた箇所がピンポイントで壊れてしまい、飛んでいる。
まるで、重要な部分が虫に食われて無くなっている古文書や宝の地図に相通じる雰囲気があって、俺の中ではポイントが高い。

2902.jpg古い時代に掲げられた、聖なる山で出来るレジャー一覧の看板。

スキーとあるが、昨今スキーが出来るほどの積雪などあの山にあるんだろうか。

2894.jpg天狗様が住むという、聖なる山への玄関口。

かつて数多の昆虫が新種記載されたという、九州では有名な山がある。今では増えすぎたシカによって荒らし尽くされており、ひどい有様ではあるのだが、それでも噛めば味はいくらでも染み出てくる。
この3年あまり、言うほど足を運ぶ機会はなかった。それでも、昨年度は意識して通い、お陰でかなり重要な発見をいくつか成すことが出来た。

2898.jpgホソミイトトンボAciagrion migratum。熊本にて。

イトトンボの仲間はみな細身とはいえ、こいつは特に細く見える。九州以北では数少ない成虫越冬のトンボで、どちらかというと温暖な地域ほど多いもののように思う。
同じく成虫越冬のオツネンやホソミオツネンに比べて、一箇所にあまり固まって生息していないような気がする。そのため、見かけるのはいつも一匹のみ。何かの拍子に偶然飛び出してきたものばかり。

2893.jpgカザアナギセルNeophaedusa spelaeonis

九州のきわめて限られた洞窟にのみ生息する陸貝で、日光の差し込まない深部にしか生息しない。生息地は観光地化などの影響で乾燥化が進み、近年個体数が激減している。さらに、貝殻コレクターが相当数を洞窟から持ち出しているらしく、かつて多産したという産地を訪れても全く姿が見つからない。生死を問わず採っていくので、死殻すら地面に落ちていない有様。
虫もものによってはそうだが、こういう特殊な環境に依存して分布域の狭い陸貝の類は、産卵数も多いはずはないので、一度にまとまった数を採られると一発で絶滅に瀕する恐れがある。九州には他にイシカワギセルとケショウギセルが洞窟性陸貝として知られるが、どれも同じような理由で存亡の危機に立っている。古い文献を見ると、「どこどこの洞窟では数多く、一度に30-40匹採ることが出来た」などと書いてあるが、それが原因でいなくなったんじゃねーのか、と思ってしまう。

写真は、狭い洞窟を1時間ほど眼を皿のようにして這いずり回り、やっと1個だけ見つけた死殻。死んでいるので持ち帰っても個体群存続には何ら影響しないのだが、何となく持ち帰るのが忍びなく、置いてきた。