2968.jpgたまたま道端で見た。これが如何に素晴らしくて類い希で、高貴で気高くて珍奇なものか分かってくれる人間とは、旨い酒が飲めそうだ。

下手に自然豊かな場所よりは、普通につまんなそうな住宅地で見たりするから奥が深い。

茨城にて。

霞ヶ浦詩羽

2969.jpg1cmくらいあるユスリカ。茨城にて。

単なるユスリカでも、これぐらい拡大すると実に存在感ある姿の生物に見える。意外とカッコイイ形をしている。

ユスリカは前脚を上に跳ね上げているが、吸血する普通のカは逆に後脚を跳ね上げている。同じ蚊の仲間なのに何で逆の形になっているのか、幼稚園にも上がる前の頃からずっと疑問に思っているが、誰一人その答えを知らない。

四糸乃

2967.jpgヨシノメバエLipara sp.。茨城にて。

丸っこくてボリューミーなハエで、湿地帯に限って見る。いくつか種がいるが、外見では区別できない。幼虫はヨシの茎内に食い込み、虫コブ化して育つ。
成虫は求愛時、翅を使って微細な震動を起こして交信する。その震動パタンは種特異的で、互いに交雑を避けているという。

熊が居そう

2964.jpg
屈辱の植栽もの。

いつか自然の森の中で出くわしたいと思っているのだが、たぶんその機会は一生涯ない。このように系統保存している場所を除けば、本当に熊が居そうな辺鄙な山奥にしかもう残っていないだろう。

2966.jpg
ギンランCephalanthera erecta。茨城にて。

鬱蒼とした森の中にいくつかあった。

2963.jpgアカガネサルハムシAcrothinium gaschkevitchii。茨城にて。

ブドウ科の植物によくついている。普通種ながら、目を見張るほどの美しさ。見たままの色彩を再現するのがとても難しい、写真家泣かせの筆頭。相当頑張ったのだが、これとて本来の色とはほど遠い。

2960.jpgヒメハナバチ一種。茨城にて。

多くの種がいて、それらは軒並み春にだけ活動する。ときどき日当たりよい岩や電柱に止まって動かないものがいる。そういう個体の腹部をよく見ると、面白くて珍しいおまけが付いていることがある。

2962.jpgジャコウアゲハByasa alcinous。茨城にて。

食草さえあれば、かなりの都市部で見ることもある。胴体だけ見れば、トリバネアゲハのそれと何ら変わらない。トリバネアゲハの親戚なのだから当然だが。

2961.jpgアオゴミムシChlaenius pallipes。茨城にて。

ド普通種だが、こいつの美しさはもっと世間で評価されていい。また、ド普通種とはいえ湿地環境を好むので、都市近辺ではやや発見に難儀する。

掴むと特有の正露丸臭を発する。ゴミムシマニアの中で、この臭いを嫌がる者に一人とて出会ったことがない。

2958.jpg根性で粘った結果、念願の精霊の産卵の瞬間に立ち会うことが出来た。出来たのだが・・

想像していたやり方と、だいぶ違っていた。てっきりこういう手合いみたいに、あの長い産卵管を外界から幹内に差し込んでどうにかするものだとばかり思っていた。ところが、実際はそうじゃなかった。精霊自身が幹の中に入り込んでしまうのだ。
まず、標的が幹に掘り進んだ穴へ頭から潜り込む。そして幹内で反転して体の向きを変え、再び穴の口から顔を出す。この体勢で下半身を幹内にうずめたまま、恐らく産卵管を巧みに操って深部に潜む標的に攻撃しているのだ。目視で見れねーじゃねえか。

2959.jpgあの細くて長い産卵管で、一体どうやって腹部からひねり出した自身の卵(そもそもコレの卵がいったいどんな形と大きさなのかすら知らんが)を遠方の獲物のもとへと運搬するのか、どうしても自分の目で見て確認したかったのだが、こんな産卵方法をとられたんでは、どうあがいたって観察不可能だ。うまい観察方法を考えないとな・・

2952.jpg精霊。

本当に久々に見た。その筋の人に、思いも寄らぬ所で確実に観察できる場所を教えて貰った。信州のクソ田舎にいた頃、毎年必ず見られる場所があったのだが、2010年以後突然姿を消してしまい、以来ずっとこれを観察できる盤石な産地を探していたのだ。もっとも、この場所もカミキリの発生木がわずかな上、すべて近年中に枯れそうなので、見られるのも今だけだろう。

精霊は自分の体長の何倍もある霊装をまとう。これを使って見えない獲物を攻撃することで、そのスジの間ではあまりにも有名だが、実際にそれを見たり写真に納めた者の話を往々にして聞かない。どうにかその瞬間を見たいのだ。

2951.jpgヒメウマノオバチEuurobracon breviterebrae。茨城にて。

初夏にのみ出現し、大木内に食い入るカミキリの幼虫に寄生する。無印のあれよりも希少だという情報をどっかで見たような気がするのだが、少なくともこれを撮影した場所では明らかにこっちのほうが凡種。
短い産卵管を使って、どうやって幹内の獲物に寄生するのだろうか。既に食われて幹に穴が開いた場所を盛んに覗き見しては、そこに腰を埋めるような動きをしてはいたが・・

2957.jpgヒラタアオコガネAnomala octiescostata。茨城にて。

もともとは西日本に多かったらしいが、最近やけに北上している。芝生の害虫だそうで、美しさの割に嫌がられている。

2956.jpgスイセンハナアブMerodon equestris。茨城にて。

水仙の害虫らしい外来種。東日本を中心に定着しているようだ。マルハナバチにしては飛び方が変だし、トゲアリスアブは絶対に生息しない環境だし、一目見て妙な奴だと思ったらこいつだった。現物を見たのは初めて。
雌雄で、体色は別種のように違う。

ドコノダレオ

2949.jpg
テングコウモリMurina hilgendorfi

北日本の洞窟で、多数のキクガシラコウモリに混じって見出された。羊毛のように縮れて色の薄い毛が混ざるので、遠目にもそれとすぐ気づく。

テングコウモリは、かつて青森でオサムシなどの歩行虫捕獲のため、地面に仕掛けられた落とし穴トラップにかかっているのが獲られた記録があるらしく、地面に降りて獲物を探す生態を持つ可能性が疑われているという。飛べるクセに落とし穴にはまるというのが、何とも間抜けな感じがする。
アニメ版黄金バットでも、主人公の黄金バットは空飛ぶマントを持っているにも関わらず、敵の仕掛けた落とし穴にはしょっちゅうはまっていた。そして、落下中に飛ぶでもなく、いつも一番底まで落ちた。コウモリは落とし穴にかかるのが世の節理なのだろうか。

2947.jpgマキノブラシザトウムシSabacon makinoi

北日本の洞窟で見出された。洞窟にいるという話は前々から聞いていたが、実際にそういう環境で見たのは初めて。

九州のブラシザトウはUMA。絶対に存在なんかしない。

2948.jpgキタカミメクラツチカニムシPseudotyrannochthonius undecimclavatus

北日本の洞窟に住む。おそらく未成熟個体。眼はない。

かたこり

2965.jpg
カタクリErythronium japonicum。茨城にて。

花がとっくに終わり、タネが出来はじめている。カタクリが咲く場所にはシーズン中ものすごい数の人間が見に来るが、花が終わればたちどころに人は来なくなる。カタクリなどという物体が存在していたことすら忘れる。しかし、俺としては花が終わった後のほうが、観察対象としては面白い。
カタクリのタネには、大きなエライオソームが取り付いており、アリが来る。アリはエライオソーム欲しさにタネを巣に持ち込むが、やがて外へ捨ててしまう。捨てられる形で、タネは親株から遠く離れた所まで移動分散出来る。

有名な話なのだが、恥ずかしいことに一度もこれのタネがアリに運ばれているさまを見たことがない。高山植物の女王のアリ散布を観察した身でこれは恥ずべきことであるため、見てやる。

2946.jpg地下性生物。

北日本のある洞窟内で見つかっている種。ピンポイントで生息する洞名を冠するため、ネット上に名前なんか書けない。とはいえ仮に書いたところで、あんな辺鄙なエリアのあんな到達困難なルートをヤブ漕ぎしてまで、こんなものを乱獲しに行く変態がいるとは到底思えないが。

これが属す種群は、基本的に僅かな複眼の痕跡を残している種で構成されているはずだが、この種には明らかに複眼がない。

2945.jpgエゾメクラヨコエビPseudocrangonyx yezonis

北日本の地下水脈に生息する。洞窟内の溜まり水で見つかる。似た種が多く、ものすごく細かい部分を見なければ種など同定できない。
動きが鈍く、体が半透明。何となくそこにいる感じの生き物なので、すぐ目の前にいられても存在に気付けないことが多い。特に、背景が白っぽい石灰岩洞窟では発見が至難。

2939.jpgナガアリヤドリLosiusa oxypodina。茨城にて。

トビイロケアリなどの巣に居候する。オスがメスを追いかけ、交尾の機会をうかがう。通常メスはひたすら拒否るが、たまたま餌の欠片を手に入れて無心に頬張っている最中なので、オスの狼藉にも割と寛容な状態にある。

2940.jpgコハナバチ一種。茨城にて。

日当たりよい裸地に縦穴を掘り、花蜜を蓄える。留守中にキマダラハナバチなどの寄生蜂に巣をピッキングされないよう、戸締まりをして出かける。ちょうど戻ってきて、戸締まりを開けていた。

2941.jpg茨城にて。

2942.jpg尾長のヒメバチ。茨城にて。

朽ち木に穴を穿って産卵後、それを引き抜いて手入れする。

2943.jpgゼフの幼虫。ウラミスジシジミだろうか。茨城にて。

ゼフの幼虫など、3年ぶりに見たような気がする。

眺め

2944.jpgナガメEurydema rugosa。茨城にて。

これを含め、黒と赤の模様のカメムシは、なぜか手づかみしてもあからさまな悪臭を放たない種が多いように思うのだが、どうなんだろうか。

長めの菜亀は眺めがいい。

2938.jpgセアカオサムシCarabus tuberculosus。群馬にて。

草原に生息する、美しい種。分布は広いが生息密度が薄く、何も考えずにほっつき歩くだけではなかなか遭遇できない。アオオサムシサイズをオサムシの標準サイズと思っていると、そのあまりの小ささにびびる。

2937.jpgワタラセミズギワアリモドキAnthicus watarasensis。群馬にて。

良好な環境が保たれた湿原にしかいない。ものすごく小さくて、まず知ってなければ存在を認知できない。

アリモドキ科の甲虫は、驚くほどアリとは関係ない暮らしぶりのものばかり。しばしば外見や色彩は、本当にアリそっくりの奴も居たりするのだが。

2931.jpgマルクビツチハンミョウMeloe corvinus。茨城にて。

単独性ハナバチの巣に寄生するやつ。ヒメは今まで掃いて捨てるほど見てきたが、これは恥ずかしながら生まれて初めて見た。

2936.jpgシワクシケアリMyrmica kotokui。東京にて。

本来この仲間としてはあるまじき低標高の湿地で見た個体群。イタドリの花外蜜腺を味わう。