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3163.jpg灯火に飛来したガ。ケニアにて。

3154.jpgスカラベ。ケニアにて。

周囲で家畜が放牧されているのもあり、糞転がしの種多様性は半端なかった。夜間、みだりに宿の灯りに飛んできた。

バンダースナッチ隊

3155.jpgザトウムシ。ケニアにて。

日本のサスマタアゴザトウみたいなマジックハンド型ハサミを搭載したやつ。つけまつげが自慢。宿周辺の草地で見たが、今回の遠征でこいつほど変わった形のザトウは他に見なかった。

3156.jpgカミキリ。ケニアにて。

宿の灯りに来た。日本のゴマダラカミキリ程度のサイズ。

3157.jpg珍奇なビートル。ケニアにて。

3051.jpg夜間、宿の灯りにいくつも飛来した。たかだか4mm程度の小型種だが、頭はモヒカンだしケツは角が生えてるしで、何ともすさまじいフォルムだった。最初キクイムシかと思ったが、どうもナガシンクイの仲間らしい。

3153.jpgゴミムシダマシ。ケニアにて。

最初に泊まったマサイマラ近くの宿は、乾いた荒れ地の中にある街の外れに立っていた。周囲ではヤギや牛が放牧されており、そこら中がクソだらけだったため、そういうものに来る甲虫の多様性が素晴らしかった。
これは、現地到着後最初にほじくった牛の古グソから出てきたもの。

3150.jpgアカシアの共生シリアゲアリその1、Crematogaster mimosae。全身艶消しで、頭と胸が赤い。

3149.jpg共生シリアゲアリその2、C. nigriceps。全身光沢があり、腹が赤い。

3152.jpg共生ナガフシアリ。恐らくTetraponera penzigi。細っこくて頼りない雰囲気だが、刺されれば大の大人が恥も外見もなく地べたを転げる程の強靱な毒バリを持ち、迂闊に手を出せない。

アリ共生アカシアの木は、多いところには優占して生えており、また一本の木にはアリが住む丸いトゲが沢山実っているため、アリは何不自由なくアカシアの木で生活しているように見える。しかし、実際にアリの居住に適したアカシアのトゲの数はかなり限られており(新しすぎても古すぎてもダメ)、アリどもは常に慢性的住宅難に陥っている。彼らはアカシアのトゲ以外の場所には生息できない特殊な種なので、生息に適したトゲを巡ってしょっちゅう抗争を起こし、奪い合っている。
強力な毒バリを持つナガフシアリは、アカシアの葉を食いに来る哺乳類に対して強固な防御能力を発揮する反面、他種のアリ同士の抗争にはからきし弱いらしい。

3145.jpgアカシアVachellia drepanolobium。ケニアにて。

最初の目的地、マサイマラへ行く道すがら、道路際のサバンナに沢山生えていた。トゲだらけの低木で、うかつに群落へ突入すると着物がズタズタにされる。アフリカにはアカシアの仲間の木が沢山あって、どれもトゲだらけなのだが、その中でもこれは特筆すべきものである。

3146.jpg枝には、普通の千枚通しみたいなトゲのほか、著しく肥大して丸くなったトゲがいくつも実っている。この丸いトゲは中が中空で、その中にアリを養っているのだ。住んでいるのは3種で、内訳はシリアゲアリ2種とナガフシアリ1種(本当はもう一種シリアゲアリがいるらしいのだが、かなりイレギュラーなもの)。アリはいずれも攻撃的な種で、アカシアはこのアリどもをうろつかせておくことで他の動物に葉を喰われないようにしている。
いわゆる、世界各地の熱帯地方を中心に知られるアリ植物の一つ。アフリカで知られるアリ植物の中でも、特筆して有名なものがコレである。

3147.jpg丸いトゲには穴が一箇所開いており、ここからアリが出入りする。

3148.jpg中を切り開くと、カートン状の仕切りが形成されており、ここでアリどもが育児している。

東南アジアや南米のアリ植物では、タンパク質に富む栄養体という粒子をわざわざ分泌して、アリに餌として与えるものが少なくない。しかし、このアカシアは特にアリにそういうものは作って与えない。代わりに、枝の随所に花外蜜腺を用意しており、ここから出る蜜をアリに渡している。

不思議な木もあったものだ。

3144.jpgジガバチ。ケニアにて。

至る所で営巣しているのを見た。

3142.jpgコチニールカイガラムシDactylopius coccus。ケニアにて。
3158.jpg道端に生えているサボテンに沢山ついていた。もともと中南米のものだが、染料をとるため持ち込まれてそれが野生化したということらしい。
3143.jpg潰すと毒々しいまでに赤い汁が出る。これが、普段我々が当たり前に食う食品の着色料として使われるコチニール色素になる。

※追記・D. coccusとは異なるDactylopius属の種(D. opuntiae)の可能性があります。教えてくださった方、ありがとうございます。

3012.jpgハイラックス。ケニアにて。

車で移動中、立ち寄った休憩場にたまたまいた。木に登り、葉を食べていた。モルモットくらいの大きさで、見ていて愛らしい。見終わった後、同行者らと「いやー、まさにゾウだったな」「ほんと、あの体つきは実にゾウであった」などと、心にも思っていないことを言い合った。

3009.jpg高速道路でナイロビを移動中、眼下にスラム街が広がった。ただでさえ治安の悪いナイロビの中でも、ことさら筆舌に尽くしがたいほど危険なエリアで、外国人は当然のこと現地人でさえ迂闊に立ち入れない。

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アフリカハゲコウLeptoptilos crumeniferus。ケニアにて。

死肉漁りの怪鳥として有名だが、驚いたことにナイロビの大都市中心部にたくさん住んでいる。道路沿いの街路樹に、何羽も営巣しているのが容易く見られる。生ゴミでも漁って生きているのだろうか。排ガスにけむるナイロビの街中で、高層ビルの谷間を何羽ものハゲコウが旋回する様は、何度見ても異様であり壮観。

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ヒナもいた。怪鳥と言えど、自分の子には最大限の愛情を注ぐ。たまたま乗っていた車が入った屋外駐車場の敷地内に、大きな営巣地があって撮影できた。運転手曰く、これの糞は強い酸性で、車にかかるとすぐ錆びる。ナイロビで屋外に駐車する時は注意が必要らしい。

3013.jpgノネコFelis catus。ケニアにて。

ケニアでは、東南アジアほど野犬は多く見ない。その代わり、至る所に猫が多い。しばしばレストランなどに勝手に入ってきて、客の食べ残しを喰い漁る。中にはとても厚かましい個体がいて、ナイロビの飯屋で見たこいつのように人の座っている席の下にいつまでも陣取っている。思い切り爪を立て、どこを歩いてきたかも知れぬ小汚い前脚で人の太ももを引っ掻いて餌を要求するため、かなり鬱陶しい。
また、こういう熱帯のノネコには疥癬にかかった個体が少なくない。そうした個体が、わざわざ寄ってきて身体をこちらの足にこすりつけてきたりするので、衛生上とても問題がある。

犬でも猫でも、嫌がっている人間を見抜いてわざわざそこへ寄りたがるあの性質は何なんだろうか。

3006.jpgイエスズメPasser domesticus。ケニアにて。

街に普通にいる。日本のスズメとタメサイズだが、それとは異なりオスとメスで体色がかなり違う。オスは頭頂が灰色の他は赤みの強い茶色で、なかなか綺麗。メスは全体的にすすけてパッとしない。
日本のスズメを見慣れた身としては新鮮な外見の恐竜だが、世界的にはこっちのほうが遥かに広域分布種で、メジャーな存在。

その生息環境の性質上、例によって目の前にいても撮影できないことが多い。三週間の滞在中、何十回となく見たうち、撮影できたのはたった一回これ一枚のみ。

3008.jpgムナジロガラスCorvus albus。ケニアにて。

日本のブトボソとタメサイズ。胸元が白く、カササギのような美しさを持つ。見ようによっては、普通のカラスが白いシャツを着たようにも見えて、愛嬌がある。
アフリカでは超弩級の普通種で、そこらにいくらでも見られる。NHK教育の砂アニメよりカラスの好きな俺は、どうにかしてこいつらを写真に撮りたいと思っていたのだが、しかし、この最もアフリカで普通にいて身近な恐竜を撮影することは、きわめて難しいのだ。

日本でも似たり寄ったりだが、アフリカにおいてスズメとカラスは、原則として市街地にしかいない。だから、スズメとカラスを撮影できるのは街中だけである。だが、アフリカの市街地というのは筆舌に尽くしがたく治安が悪い。日本の街中とはまるで次元が違う。あんな中で、高価な一眼カメラやら望遠レンズやらをぶら下げて歩くなど、ならず者共に襲ってくれと宣伝するも同じ。
しかも、国にもよるがアフリカ人の中には、知らない人間からカメラを向けられるのを極度に嫌がる者がいる。単に町の景色を撮ろうとした外国人が、現地人に隠し撮りしていると勘違いされ、棍棒振りかざして追っ掛けられたという話も聞く。レンズを向けた鳥の、さらにその向こうにたまたまいた人間から、いかなる勘違いをされるか知れない以上、必然的にカメラを街中で取り出せる機会は限られてくる。
今回、たまたま泊まったホテルの敷地内でただ一度だけ飛来した個体を、なんとか撮った。遠すぎていまいち。敷地の外の通りでは、いくらでもゴミを漁ってる奴らをすぐ近くで見られるというのに。

アフリカで、スズメとカラスほど撮影至難な鳥はいない。

3003.jpgケニアの宿の敷地内で見た恐竜。日本のシラコバト風。

3004.jpg日本のコシアカツバメを薄汚くした風。飛んでいると、全体的に茶色に見える。鳴き声はコシアカとは全然違い、耳の鼓膜に刺さるような鋭い感じ。

今回、驚いたことにたった一度だけだが、メジロを見た。大きさも色彩も日本のと瓜二つ。唯一違うのは、目の周りの白い輪っかが著しく大きく太かったこと。そのため、日本の奴に比べて恐ろしく目ん球がパッチリしているように見え、まるでマンガに出てくる驚き顔の小鳥そのものだった。俺だったら迷いもなく、あの鳥に「オノノキメジロ」という和名を付ける。
しかし、鳥は虫なんかと違って、既知種には残らず和名がもう与えられているはずなので、あのオノノキメジロにも和名自体は既に付いているはずだ。どうせ、頭の硬い学者連中がニシメジロだのメジロモドキだのみたいな、何のひねりも面白みもない無味乾燥な和名を付けているに違いなく、知ったところでどうせがっかりするのが分かりきっているので、わざわざ名を調べるなどの愚は犯さないが。

世の中、知らないままの方が幸せな事というのは、確かに存在する。

3005.jpgハダダ・アイビス(朱鷺)Bostrychia hagedash。ケニアにて。

僻地だろうと街中だろうと、どこにでもいる。クッソやかましい声で「ア゛ッーーーーーー!!ア゛ッーーーーーー!!」と、所構わず叫びまくるので、うるさいことこの上ない。マンションで文鳥の代わりに飼うような鳥ではない。しばしば複数個体が鳴き交わしながら飛ぶことがあり、その時「ハーダダアッーーーーーー!!」と聞こえなくもない。初めて聞くと何事かと辺りを見回してしまうほど。

声だけ聞くと、まさにマンガに出てくる怪鳥そのものなのだが、意外に本体は全身カラスの濡れ羽色で美しい。なぜか上嘴の上寄りだけ、赤いスポットが入る。ハダダの世界では、ここに赤がさすファッションがイケていて、だからこそそういう個体だけがモテて子孫を残せた結果ということか。

数あるケニアの鳥の中でも、一番のお気に入り。

3002.jpg雑然としたナイロビ近郊の市場。日没後は危険すぎて当然外国人など表を出歩けないが、日中だって十分すぎるほど危険。

今回、現地到着後二日目にして、ナイロビで末期のシンナー中毒者に危うく絡まれかけた。朝、ホテルから調査地に向かうために車に乗り込もうとした際、いきなり脇からピッタリとくっついてきて、突然こちらの腕に掴み掛かってきた。せいぜい中学生程度の若い奴だったが、こちらにとっては十二分に生命の脅威たり得た。幸い、今回雇った屈強なボディーガード兼運転手が遠ざけてくれたので事なきを得たが・・。
車に無事乗り込んでから外を見ると、さっきの奴は路傍に仰向けになり、手足をばたつかせて意味不明なことをわめき散らしていた。すると、仲間らしき数人がすぐ取り囲み、中に黄色く濁った液体を少し入れたコーラの空き瓶を手渡した。奴はそれを奪い取り、目を白黒させながら一心不乱にその瓶の口を吸っていた。ナイロビでは若者を中心にシンナーが横行しており、空き瓶を使って吸うという話は聞いていたが、実際に見たのは初めてだった。

現場は去年泊まった宿の前で、前回はここで特に危険な目には遭わなかった。朝だったこともあり、まさか変な輩は出てこないだろうと油断していた矢先、すっかり肝が冷えた。水と安全がタダではない世界であることを、改めて思い知った。

今年の前半、人生二度目のケニアに行った。昨年の遠征で、どうしても発見出来なかったものを撮影するためのリベンジである。
3001.jpg現在手元にある写真の分だけでも、好蟻性図鑑世界編は作れるには作れるのだが、前回得られなかったものを含めることが出来ねば、どうしても内容が歯抜けになってしまうと考えた。後世に残るものを作るためには、妥協は許されない。クラウドファンドで集めた資金は、昨年度の遠征でおおむね使い切ったため、今回は大いに身銭を切る遠征となった。

パリで乗り継ぎ、魔界ナイロビへと向かう。その途中、アフリカ大陸北部の砂漠地帯上空を通過した。二時間くらい、延々と眼下に砂漠の世界が広がっていた。見たところ、町のような人間の居住環境が見あたらなかった。もし事故でこんな所のど真ん中に不時着したら、絶対に抜け出せないだろうと思い、恐怖した。

道端で、2匹のギンヤンマがジタバタしてるのを見つけた。
3131.jpg当然、オスが空中で配偶相手のメスを捕らえて墜落したものだとばかり思っていたが、よく見たらまったく予想外のことが起きていた。
メスがオスの上にマウントしているのだ。そして、交尾ではなくメスがオスの首筋に齧り付いている。共食いだ。

3130.jpgオスは死にものぐるいで振りほどこうとするが、背中側からガッチリとホールドされているので、為す術がなかった。メスはそのまま当たり前のようにオスを食い始めた。バリバリと、ものすごい咀嚼音が1m離れても聞き取れるほど。
トンボでは、大形種が小型種を捕らえて食うなどざらだと思っていたが、同種同士で食い合うのを見たのは初めて。よくもこのメスは、自分と同大かつ同スペックの飛行体を、食う目的に捕まえようと思い立ったものだ。

3132.jpg最初は暴れていたオスも、首筋の大部分をみるみる食われていくうちに大人しくなった。もうすぐ、頭が落ちる。
やがてメスはおもむろに羽ばたき、大きな獲物を抱えた重い体を中に浮かせて、近くの茂みへと飛んでいった。トンボの凶暴さ、そして筋力のすさまじさを、まざまざと見せつけられた。

なお、トンボにおいてこういう事例は稀にしか見られないようなので、あくまでも偶発的な事故であり、クモやカマキリのような「交尾前にメスがオスを食って卵の栄養に・・」の範疇には当たらないであろう。

愛媛にて。

3127.jpgガロアムシの仲間。

眼がない。四国で見つけたものだが、鬼の住みかのアレの産地とは縁もゆかりもない地域。