752.jpgシロハラTurdus pallidusが、田んぼの畦で餌を必死に探す。長野にて。

本来この裏山界隈では、シロハラは徹底して陰性である。薄暗い森の茂みでじめじめと葉を裏返して獲物を探すものであり、多少雪が積もっても容易に明るい場所へ出てこない。それが、何も遮るもののない日の下で姿をさらして餌を採っている。
林内は今なお膝上くらいの積雪が残っており、あの降雪日から数日晴れが続いているのに表面がサラサラで、まったく溶けていない。マダラ状に雪が解けて地肌の出た南向きの田畑の畦には、ふだん見ないような鳥が多く来て餌を採っている。裏山に住む面々にとって、いかに今回の積雪がイレギュラーだったかをうかがい知れる。

754.jpg田んぼの脇を通り過ぎて山を下る途中、道脇の民家のそばでベニマシコUragus sibiricusを見た。これも普段はかなり人間を嫌がるが、ここ数日は人が近寄ってもあまり逃げない。餌を採りやすい場所から、あまり離れたくないらしい。
今回の積雪で、おそらく県内の鳥獣は例年にない個体数が餓死すると思う。ただ、個人的にはシカはこれで相当数が間引かれてほしい。不謹慎かもしれないが。

このベニマシコを見ていた最中、突然遠くで「シィーーーッシィーーーッケキャキャッ!!」と、聞いたこともないような声が聞こえた。次の瞬間、民家の影から猛スピードでシロハラと、それを後ろから追いすがる小型のタカが飛び出してきてびびった。タカはこちらに気付くと慌てふためいて空高く舞い上がり、どこかへ行ってしまった。
上の田んぼでシロハラとすれ違って以後、他の個体のシロハラの気配は感じなかった。間違いなく、あの目立つ畦にいたあの個体が襲われたのだと思う。食うほうも食われるほうも必死だ。

あの畦は、どこか遠くから常に猛禽が監視しているらしく、ときどき小鳥が襲われる。昨年はあそこにトラツグミがうろついていたが、何日か後には尾羽が一本しか残っていない姿で現れ、それ以後姿を見なくなった。

753.jpgタカが去った後、それまで周囲で鳴いていた小鳥が全員黙った。姿も消えた。何もいない何も聞こえない、死の空間になった。

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