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ニホンリス。長野にて。

4ヶ月くらい前から毎日出勤前に会いに行き、顔を見せ続けた結果、ようやくこの程度の写真を撮れる距離まで接近を許されるようになった。でも、そんな生活もあと1週間で終わる。

昔、小学校の習字の授業で買わされた毛筆は、パッケージの原材料名に「動物毛:ブタ、リス等」と書いてあったのを覚えている。今の毛筆はどうか知らないが、当時はニホンリスが狩猟獣だったから、その毛も使われていたのだろう。

野生のニホンリスは(少なくとも長野では)、病的なまでに人間を忌み嫌う。人間に接近されるのはもちろん、姿を見られることさえ露骨に嫌がる。地面近くにいる時に運悪く人間に出くわすと、「キョキョーーッ!」と驚くほどでかい声で叫び、バリバリ音を立てつつ樹幹を一直線に登って逃げる。そして、幹の裏側にさっと回り込んで隠れ、2度3度横顔だけを覗かせてこちらを睨みつける。
その後顔を引っ込めると、不思議なことにいくら待ってももう二度と顔を出さないし、そもそも気配を感じなくなる。どうしたのかと思って木に近づき、裏側に回って見てみると、驚くべき事にもういなくなっているのだ。こちらの死角に巧みに回りながらそっと木を下りるか別の枝を伝って、音もなくそこから逃げてしまうのである。

写真で見ると、ニホンリスはそれなりに存在感のある動物に見える。しかし、野外では思いのほか小さく見えるし、色彩もとても地味で目立たない。そして、樹上にいる時に人間が来ると、太枝の付け根で石地蔵のように硬直して動かない。人間がいなくなるまで、時には数十分も動かずにいる事もあり、その存在に気付くのはとても難しい。リスがいる場所にこちらが接近するシチュエーションでは、まず満足に観察できないし発見もできない。あらかじめリスが高頻度で出没する場所を把握した上で、こちらがそこで先回りしてリスが向こうからやってくるのを待つのが基本である。

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残念ですねぇ~、
お目見え以上になれたかも・・
大好きな「旗尾リス」の話を想いだします、
みすずかる信濃の国とも愈々お別れですね、
沢山の思い出と供にご出立なさるのでしょうね。
瓜豆|2014.03.10/15:07
長年居座った場所を離れるのは寂しいですが、また新たな土地での新たな出逢いに期待します。
richoo|2014.03.10/17:01

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