召還魔法戦争
2014/03/26|Category:甲

メクラチビゴミムシ類は洞窟に住む虫として知られてきたが、最近になって種類によっては山の沢ぞいの崖などを崩しても比較的簡単に採れることが分かり(とはいえ熟練は必要)、多くの虫マニアを魅了してやまないグループである。「メクラチビゴミムシ」と呼ばれる甲虫の仲間は、複数の属や種群にまたがって存在し、新種もまだまだ出ている。
それらの中でもナガチビゴミムシ属Trechiamaは、日本各地から知られる一番の広域分布属だが、九州からはこのナカオメクラ1種類しか知られていない。


メクラチビゴミムシ類は、どういう訳か西日本にものすごく種数が多い。新居から日帰りで行ける範囲にも、恐らく20種くらいは分布しているが、そのうちのいくつかは近年の発見例が途絶えている。コゾノメクラRakantrechus elegansのように、国から絶滅判定を出されたものさえいる。
この土地を出て行く前に、頑張って可能な限りのメクラチビゴミムシを黄泉の国から再召還したいと思う。
今まで関東周辺から脱出したことのない身としては、いろんな種類のメクラチビゴミムシが待つ西日本は夢の場所だ。エライ先生から「何いきなりチビゴミにかぶれてんだよ?」と言われたが、逆にこんな素晴らしい場所に住みながらチビゴミにかぶれない理由が聞きたいほどだ。