召還魔法戦争

824.jpgナカオメクラチビゴミムシTrechiama nakaoi。地下性ゴミムシの一種。九州のある山塊にだけ住む珍種で、最近の記録は少ない。2日がかりでようやく捕らえた、たったの1匹。


メクラチビゴミムシ類は洞窟に住む虫として知られてきたが、最近になって種類によっては山の沢ぞいの崖などを崩しても比較的簡単に採れることが分かり(とはいえ熟練は必要)、多くの虫マニアを魅了してやまないグループである。「メクラチビゴミムシ」と呼ばれる甲虫の仲間は、複数の属や種群にまたがって存在し、新種もまだまだ出ている。
それらの中でもナガチビゴミムシ属Trechiamaは、日本各地から知られる一番の広域分布属だが、九州からはこのナカオメクラ1種類しか知られていない。

826.jpgメクラチビゴミムシ類は、種類によって目が完全に無かったり、痕跡程度にはあったりする。この種は前者のタイプらしく、エイリアンを思わせる表情。うっすら紫の光沢を帯びる。

825.jpg本種は顔だけ見ると、地下生活に相当適応した雰囲気に見える。しかし全体的な体型を見ると、飛翔可能な他分類群のゴミムシのようにやや肩が張っており、あまり典型的なメクラチビゴミムシっぽくない。木に竹をついだ感じの、へんな奴。生息環境もかなり地表浅く、条件がよければ石をひっくり返すだけで見つかるらしい。

メクラチビゴミムシ類は、どういう訳か西日本にものすごく種数が多い。新居から日帰りで行ける範囲にも、恐らく20種くらいは分布しているが、そのうちのいくつかは近年の発見例が途絶えている。コゾノメクラRakantrechus elegansのように、国から絶滅判定を出されたものさえいる。
この土地を出て行く前に、頑張って可能な限りのメクラチビゴミムシを黄泉の国から再召還したいと思う。



今まで関東周辺から脱出したことのない身としては、いろんな種類のメクラチビゴミムシが待つ西日本は夢の場所だ。エライ先生から「何いきなりチビゴミにかぶれてんだよ?」と言われたが、逆にこんな素晴らしい場所に住みながらチビゴミにかぶれない理由が聞きたいほどだ。

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このメクラチビムシも死出の山から戻ってきた如く、
不気味な相貌ですねぇ、
黄泉比良坂まで降りてゆく虫探し、
学研の道もなかなか修羅の道でしょうか、
「おれはひとりの修羅なのだ」賢治
瓜豆|2014.03.26/16:38
この虫は目が見えていない代わりに、体毛をアンテナにして障害物を避け、素晴らしいスピードで岩間を疾走します。まるで先見の明を持つ盲目の怪僧のようです。
richoo|2014.03.26/19:00
近縁種
Trechiama nakaoiの分布は足立山だけではないようですね。
以下の愛媛チビゴミ部のサイトをご覧下さい。
http://atdiary.jp/sec2009/entry/2012/08/02/114809.html
ひげぶと|2014.03.28/20:48
ご教示ありがとうございます。
いろんな種類のチビゴミを次々に仕留められているようで、経験値の差を思い知るばかりです・・・
richoo|2014.03.28/21:12

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