853.jpgオドリバエ一種。緑メタリックな美麗種で、似たものを関東甲信越界隈で見たことがない。

今の時期、職場敷地内のいたるところで配偶のための群飛を行っている。物凄い数のハエが、空中のある場所に集まってブワーッと飛び回り、その全員が同じ場所をグルグル循環し続けている。
オドリバエは、交尾の際にオスがメスにプレゼントを渡す婚姻贈呈の習性で知られる。特急電車に乗る時いつも高速で通過する駅名を読んで鍛えた動体視力で、めまぐるしく飛び回るハエをみていると、ときどき一際大きなハエが混ざっているのが分かる。これが、プレゼントを抱えて飛ぶオスだ。


856.jpgすさまじいハエの大群。しかし、どういうわけか通行人は誰一人これに関心を示さない。


餌を持ったオスは、やがてメスらしきある特定の一個体を後ろに引き連れたまま、群れから離れて飛んでいく。そして、空中で後ろから付いてきたメスに追突されて落下する。落下している間に素早く交尾連結と餌の受け渡しがなされ、地面に落ちる前に体制を立て直し、交尾体勢で飛び上がる。そして、近くの適当な枝先に止まる。

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855.jpg20ペアくらい見たが、どのペアも餌として自分とほぼ同大のイエバエ科を使っていた。1ペアだけ、正体不明の極小の羽虫を使っていたが、基本的にこの種はイエバエ使いなのかもしれない。
オドリバエの中には、特定の昆虫しかプレゼントに使わない種がいくつもいる。ある種は造網性クモ類を網からたたき落として餌に使うし、ある種は別種の小型オドリバエだけを捕まえて餌に使う。


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枝の入り組んだ場所に止まりたがるので、撮影が難しい。最近開発したストロボディフューザは、狭いところに突っ込むことが出来ないため、必ず枝をはじいてハエを飛ばしてしまう。しかも悪いことに、ハエどもが人通りの多い歩道脇で群飛をやってくれているお陰で、エイリアンのようなイカつい改造カメラを携えて始終中腰で道脇の植え込みを徘徊せねばならず、かなり通行人の視線が痛い。
不思議なことに、オドリバエの群飛というのは、毎年同じ場所の同じ空間に形成されるらしい。寿命が短い虫なので、同じ個体が翌年まで群飛した場所を覚えていてやってくるのではない。子世代のハエが、親世代のハエから場所を教えてもらうのでもない。そのオドリバエの種が好む明るさや空間的な広さなどの環境条件があって、それに合致する場所で群飛をしようとするから、結果的に毎年同じ場所に同じ種のオドリバエがやってくるのだろう。

だから、いくら通行人の好奇の目にさらされようとも、通報職質されようとも、「この場所がいい」とハエが譲らないのであれば、撮影する側もそれに従うしかない。

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これって、公園の近くなどで群れて飛んでいる小虫でしょうか?
いつも散歩道に現れるのでうっとおしいのですが、餌を渡すところは見てみたいです。
-|2014.05.11/12:10
春先であれば、その可能性が高いです。決して珍しいものではなく、身の回りのあちこちで見つけることが出来るでしょう。飛びながら交尾する種と止まって交尾する種がいて、後者だと観察がしやすくて楽しいです。
richoo|2014.05.12/12:05

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