879.jpg体の割にハサミの異様に小さい、かわいいカニムシ。コケカニムシ系の幼体かとも思ったが、この鋏角のでかさはツチカニムシ系だろう。

かつて贔屓にした子供向けのクモ図鑑「学研の図鑑 クモ」は、日本で見られる代表的なクモを写真と共に美麗なイラストで紹介する素晴らしい本で、最後のページにオマケとしてサソリ・ダニなどクモ以外のクモガタ類の概説が載っていた。その中のカニムシに関する項目で、仮にも図鑑の解説文なのに「カニムシはクモガタ類中でもっともかわいらしい」と書いてあったのが印象的だった。
あの本は、日本のクモ学の権威的な相当のエライ人が書いていた気がするが、そんな専門家をして私情を挟みたくなるほどに、カニムシは愛らしい生きものである。

「学研の図鑑 クモ」は、他にも世界の不思議な形のクモを紹介するページがあったり、自然界におけるクモの役割、クモにまつわる伝承、さらに採り方や飼い方など、いろんな情報が満載だった。子供向けのクモ専門書としては特筆して秀逸なもので、正直なところ日本国内であれ以上の本はないと断言する。俺はあの本を幼少期に見て、クモガタ類という分類群に対する親愛と忠誠を確実にした。

この本は、かなり早くに絶版になってしまい、今や入手どころか図書館で探すことすら極めて至難な状況である。心から復刻して欲しいと願う、日本で唯一の本である。


福岡にて。

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