897.jpgドウシグモDoosia japonica。福岡にて。

本種を含むホウシグモ科は、でかくてテカテカした頭(頭胸部)が坊さんみたいなので、法師蜘蛛の名を与えられた。そのせいかどうかは知らないが、ひなびた田舎にある神社仏閣の林で見ることが多い気がする。典型的な里山の生物であろう。なお、本種は法師に対する童子として名付けられたらしい。
たかだか数ミリの、取り立てて持ち上げることもないようなタダの小蜘蛛だが、実は環境省の絶滅危惧種に指定されている(情報不足、2012年時点)。

898.jpg詳しい生態が不明であること、まとまって見つからないこと、生息環境が人為改変を受けやすい里山らしいことなどが選定理由と思われる。もちろん、絶滅危惧種とはいえランクが低いことはもちろんのこと、派手ではないし小さいし、キモいただのクモなので、誰も保護しない。
これがキムラグモのように、他のクモにない顕著な形態的特徴を持っているだとか、系統学的に見て他に類を見ないような重要な位置をしめるとか、そういう特徴さえ持っていれば、まだチヤホヤしてもらえただろうに。まさしく「レッドリストに載せられたまま」の生き物。グーグルで画像検索しても、あまり結果は芳しくない。本職の人々からも、あまり注目されているとは思えない。

ホウシグモ科は、文献によっては好蟻性として紹介されている。海外に住むこの仲間には、色彩や生きている時の立振舞が、同所的に住む特定種のアリにしばしば酷似している。そのため、アリと関係した生態を持つと思いこまれてそう書かれているだけで、実際にはアリと生態的なつながりはないと思っていた。
しかし、Zodariidaeで画像検索すると、結構な頻度でこの仲間のクモがアリのワーカーを捕らえている写真が出る。一般にクモにとってアリのワーカーというのは決して好ましい餌ではないので、それを捕らえているということはそれなりにアリに対する嗜好性が強いのかもしれない。

899.jpg日本のドウシグモに関して、食性などまとまった生態的知見は聞いたことがない。幸い、裏山には少なくない頻度で生息するようなので、気にしておこうと思う。

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