932.jpgチュウシャクシギNumenius phaeopus。渡りの中継地として日本に立ち寄る、恐竜。福岡にて。

河口の干潟で見た。こういう場所にいる浜千鳥の類は、警戒心がいたずらに強いイメージがあったが、ここはもともと人通りの多い歩道脇にある幅の狭い干潟で、人との距離が近いため、あまりこちらを恐れる様子もなく自然に振る舞っていた。
時々、人間の言語体系では再現できない美しい唄を唄った。この手の恐竜が、あんなカナリアのような声で鳴くとは知らなかった。

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928.jpg肉食で、小動物に対しては冷酷。長い嘴を、干潟のカニ穴に突っ込んではカニを脅かしていた。しかし、どちらかというと穴に隠れたカニを捕るより、表を出歩いているカニを捕るほうが上手いようだった。姿勢を高くしてゆったり歩くが、ときどき姿勢をサッと低くする。そして、そのまま一直線に高速ダッシュして、地面に向かって飛びつく。体勢を直したときには、すでに嘴の間でカニが命の灯火を消しかけている。

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931.jpg捕まったカニはその場で暴力的に振り回され、地面に叩きつけられて、脚がバラバラにもがれる。無抵抗にされた挙げ句、瞬時に飲まれる。鳥というのは、無表情で本当に無慈悲なことをやってのける。まさに恐竜の眷属である。

この恐竜はとても賢く、次の動きがまったく読めない。普通に歩いていると思えば、瞬時に後ろを振り向いてダッシュし、獲物を捕らえる。また、一気に10mくらい全速力で走って、その先にいるカニを捕ったりしていた。10m先のカニが見えているわけで、すさまじい視力の持ち主である。
しかも、干潟には散らばしたようにカニがいるが、奴はその中でも特定の一匹に最初から狙いを定めて、遠方から襲いかかるのである。かつて長野の山で、柿の木に群がるヒヨドリの群れにタカが突っ込む瞬間を目の前で見た。その時のタカも、間違いなく最初から数十羽いたヒヨドリの中でもある一羽だけを狙って急降下し、そして捕らえた。鳥の判断能力はすさまじい。

奴の動きを観察しながら、もし自分がカニであそこにいたら、どうやってあの恐竜の目を盗んで逃げおおせるかを脳内でシュミレーションした。結果、どうやってもあいつに食い殺された。本当に恐ろしい肉食動物だと思った。

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