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新緑の裏山。常緑ばかりの西日本の新緑も趣深いが、やはり長年見慣れた落葉樹林の新緑が好み。モミジだけ撮ろうと思ったが、脇に生えていた外来のニセアカシアも写ってしまった。

「100万回生きた猫」という絵本があるが、実はこの裏山にはかつてそんな野良猫がいた。数年前のある日、山すその道路を歩いていたとき、道脇で猫が死んでいた。どう見ても死んでいるとしか思えなかった。毛並みはつやを失ってガサガサしており、明らかに寝転んでいるのとは違う雰囲気でぐったりしていた。さらに、体中に無数のハエがたかっており、もはや死臭を放っていたのは疑いようもなかった。しばらく見ていたがピクリとも動かない。変な病気をうつされたら嫌なので、そのまま遠巻きに見てから立ち去った。
ところが、その2,3日後、その同じ場所のそばを通ったとき、なんとあの猫が普通に座っているのを見た。毛並みはつやを取り戻しており、しっかりと背を上げてたたずんでいた。ハエは一匹もたかっていなかった。あの長毛のふてぶてしい面構えは、ほかに見間違えようもない。あの猫は死んでから生き返ったのだ。
それから二度三度、同じ場所でこの猫が死んでいたり生きていたりするさまを見た。死んでいるときは例外なくハエがたかっていたが、生きているときはごく普通の野良猫だった。ある時期を境に、裏山からこの猫は姿を消した。別のところに移動したのか、ついに「本当に死んだ」のかはわからない。

未確認生物から奇人、はては妖怪変化の類まで、この裏山には本当に何でもいる。

長野にて。

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今日のようなお話は特に好きです。
なじみのない虫ばかりですが、毎回楽しみに読んでいます。なじみがあったのは、蚊とベッコウトンボだけです。なじみがあると写真の凄さを感じます。
小川美津|2014.06.01/18:49
小川さま

ありがとうございます。まことにつたない日記ですが、喜んで頂けて幸いです。
-|2014.06.01/21:25

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