1084.jpgハガヤスデ一種Ampelodesmus sp.。福岡にて。

日本中どこのアリの巣からも発見される、好蟻性ヤスデの仲間。ただし、アリの気配がない場所で見られることもある。日本からは3種のみ知られているが、分類がまったく進んでいないため、まだ新種は出る。南西諸島の個体群など明らかに本土のものとは雰囲気が違うし、九州の個体も、体表顆粒の配置が本州・四国の種とは違って見える。
ただでさえヤスデなどというマイナー分類群であるのにくわえ、人の実生活に何ら直結しないこういう生き物の研究は、往々にして進まない。

九州のハガヤスデには、分類的な話以外にも謎がある。関東周辺では、ハガヤスデはアメイロアリの巣から高頻度で出る。基本的にこのヤスデ類は寄主アリ種特異性が全くなく、どんな種類のアリの巣にもいるのだが、アメイロアリは特に頻度が高い気がしている。このヤスデを見たいときは、とにかくアメイロアリの巣を探そうとするほどである。
ところが、九州ではなぜかアメイロアリの巣からこのヤスデが全く出ない。アメイロアリの巣そのものは、どこの山に入っても高頻度で見られる。既にここへ移り住んで100,200はきかないほどのアメイロアリの巣を暴いたが、今までたった1巣で見たのみ。近隣にあるハヤシクロヤマアリやアシナガアリなど、大形アリの巣からは普通に出るため、生息はちゃんとしているのだが。

何らかの要因により、九州ではこのヤスデはアメイロアリの巣に寄生できないらしい。ヤスデが避けているのか、アメイロアリの居候排除能力が高いのか、分からない。

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