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ケカゲロウIsoscelipteron okamotonis。福岡にて。南方系だからいるとは思っていたが、実際に見ると嬉しいものである。

長らく生態が分からず、図鑑にも大した情報が載らない正体不明の精霊だった。しかし、最近デレさせて精霊の力を封印することに成功し、飼育下で幼虫期にヤマトシロアリReticulitermes speratusを食って成虫まで育つことが判明した(Komatsu 2014)。海外の近縁種の生態にくわえ、その洗練された捕食行動から、自然界でもヤマトシロアリに高度に依存した生態を持つと予想している。

夜の神社で、シロアリに食われてボロボロになった木製の鳥居に止まっていた。産卵しに来ていたらしい。もう少しライティングを変えて撮影したかったのに、準備中に消えやがった。
奴が止まっていた箇所の近くに、しっかり卵が産み付けられていた。やはりクサカゲロウのような「うどんげ」にせず、バラにして産んでいた。海外産種は卵塊にするものがいるらしいが、今までの自然下・飼育下それぞれでの観察から、日本の種は確実にしないと思う。

海外産種は、ちゃんとシロアリが巣くっている枯れ木に産卵するらしい。しかし、日本産の種では明らかにシロアリの入っていない生木の立木に産むところも目撃している。日本産種はおそらく、シロアリの所在がよく分からないまま産卵している。少しでも孵化後の幼虫生存率を高めるため、卵塊にせず広範囲に少しずつ卵を散らしているのだろう。
幼虫がかなりシロアリ捕食に特化しているはずなのに、成虫の産卵方法が適当というのは、不思議な話だ。しかし、この虫が主に住む暖地の森林内では、朽ち木にたいていヤマトシロアリが巣くっているものだ。だから、下手な鉄砲数打つ方式でも一定数の幼虫は生き残れるのだと思っている。またそれこそが、どこの産地に行っても一シーズンで発見できるこの虫の成虫個体数が多くない理由だと信じている。

参考文献:
Komatsu T (2014) Larvae of the Japanese termitophilous predator Isoscelipteron okamotonis (Neuroptera, Berothidae) use their mandibles and silk web to prey on termites. Insectes Sociaux 61:203-205

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