五河琴里「このホソクビゴミムシ!」

1078.jpgオオホソクビゴミムシBrachinus scotomedes。福岡にて。

外見は似ても似つかないが、ミイデラゴミムシの親戚筋。これも脅かされると、派手にガス銃をぶっ放してくる。ホソクビゴミムシの仲間は、みなガス銃を所持している。その化学反応の複雑さ、自身がそれでダメージを負わない進化的なメカニズムなど、この虫たちは「屁をこく」観点からやたら注目されている。

しかしその一方、多くの研究者がないがしろにしているもう一つのミステリーが、この虫たちにはある。幼虫期にどこで何をしているか、ほとんどの種で分かっていないのだ。日本のミイデラゴミムシがケラの卵に寄生すること、海外のある種で甲虫の蛹に寄生することが分かっているほか、一切不明。
上のオオホソクビゴミムシなど、日本ではミイデラゴミムシよりははるかに見かける頻度の高い普通種だが、累代飼育に成功した者は一人として存在しない。こいつも確実に何か別の昆虫のある成長段階のものに寄生するのだが、分からないし突き止めようがない。実は日本の昆虫界最後にして最大の謎になるんじゃなかろうか。それを考えると、一番最初にミイデラゴミムシがケラの卵に寄生することを突き止めた人は、神そのものである。

近所の裏山では、オオホソクビとミイデラは完全に住み分けており、前者は後者がまず出没しない森林内で多く見かける。あまり開けた場所では見ない。夜間、森を歩いて探すと、何となく朽ち木が多く横たわっている場所で見ることが多い気がする。また、樹幹に登るそぶりを見せることがあるため、もしかしたら朽ち木内にいる甲虫か何かの蛹を食うんじゃないかとも思う。
一方、カラッカラに乾いた場所ではあまり見ないので、水に関係する虫に依存している可能性も捨てられない。この虫の幼虫期を解明する日が来るとしたら、それは相当に偶発的な要素に因ると思う。

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