1096.jpg誰一人いない防波堤。静岡にて。

幼い頃から30年以上も慣れ親しんだ遊び場だった。しかし最近他県から大勢来る釣りマニアの、あまりのモラルとマナーのなさ加減(ゴミ放置、車の違法駐車、稚魚乱獲、ならびにそれを注意した地元民に暴言を吐く)に業を煮やした地元民と漁協が結託して、ここを全面封鎖してしまった。

釣りはおろか、漁師以外の人間は入ることがもうできない。俺は釣りなどするつもりはなく、ただここの防波堤の裂け目に住むハダカアリを見に行きたいだけなのだが、面倒が起きそうなのでもう行けない。
ここだけでなく、この漁村沿岸のあちこちの防波堤で、同様の理由から入れなくなってしまった箇所がいくつもある。考えなしに行動した余所者のせいで、かけがえのない思い出の場所は奪われた。そして、ただでさえ少ない海岸性昆虫の新たな観察適地を求めて、これから右往左往を強いられることになる。

すでに、この港湾地域でも主要だったこの釣りポイントが封鎖されたのを受けて、まだ自由に立ち入れる近隣の防波堤に釣り星人がなだれ込み始めている。ただでさえ釣り人口が過密ぎみなところへ、さらに多くの釣り星人がやってくれば、おのずとトラブルが起きる頻度も高まる。やがて、この港湾全域が封鎖される日も遠くない。

釣りでも虫採りでも、身勝手な行動により地元を敵に回したらもうおしまいである。生き物を捕獲できる場所がなくなってしまえば困るのは自分らなのに、なぜ自分の首をこうも絞めたがる人間ばかりなのか。その時の自分さえ楽しければ、その身勝手な行為の結果後世の人間の楽しみがいくら失われても知ったこっちゃないのだろう。
最近、ある種の虫が採集禁止になったり、釣りが禁止されたりする条例・法律があまりにも多い。採集行為の意義に対する市民の無理解に単を発する、横暴な理由で施行されたとしか思えないような条例も、探せばないわけではない。しかし、その原因がもしマニアの刹那的な乱獲に因るのであれば、それはもはや後世の自然愛好家に対する時空を超えたテロである。

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