1085.jpgたぶんカマナシメクラチビゴミムシKurasawatrechus kawaguchii。山沢の源流域地下から掘り出した。長野にて。

記録こそあれ、よもや松本地方でこれを出す日が来るとは。13年間地元に住んでいたのに、当時は一度でも発見できた試しはなかった。本当は同所的にいる珍種タカオチビゴミムシを狙っていたのだが、それは全くかすりもせず、もっと採りづらいこっちが出てきてしまった。
ここ最近、方々での土木作業の戦績がふるわなかっただけに、これを出せた喜びはひとしお。

名前のカマナシは、もちろん山梨の釜無からきている。しかし、この種は現時点で山梨から長野にわたるあちこちから散発的に見つかっており、この手の地下性昆虫としては異様なほど分布域が広い(上野 1979)。ほんとにそれらは同種なのか、素人ながら多少とも疑わしく思えてくる。

地下性甲虫は、より地下に特化したものほど胴体がヒョウタン型にくびれる。くびれるというのは上から見た体型だけでなくて、横から見た体型も体高が高くなる。腹部の上に、お椀型の上翅がかぶさった感じになる。すなわち、腹部と上翅の間に空間ができるのである。
地下や洞窟は湿度がすさまじく高いため、普通の甲虫のような体型だと腹部と上翅の間に水滴が溜まってしまい、腹部の気門が水で塞がる恐れがある。陸にいながら溺れ死なないために、そういう体型にならざるを得ないのである。


引用文献:
上野俊一(1979)南アルプスに見られるクラサワメクラチビゴミムシ類。国立科学博物館専報 12, 113-122.

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-|2014.09.03/21:20

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