時崎オニ狂三

1091.jpgオニグルミクチナガオオアブラムシStomaphis matsumotoi。トビイロケアリLasius japonicusが護る。

信州ゆかりの昆虫で、長野県安曇野の烏川渓谷から新種記載された。クチナガオオアブラムシ属は日本だけでも10種そこそこ以上はいて、ぱっと見形態的にはどれも同じに見えて区別しがたい。しかし、どれも種ごとにホスト植物がかなり厳密に決まっているので、どの植物についていたかで基本的には同定可能。

クチナガオオアブラムシ属は、全種が例外なくアリと関わる。体長をはるかに超す長い口吻を樹幹に深く刺し、師管液を吸って生きている。敵に襲われてもすぐさま口吻を引き抜いて逃げることができないし、常時排泄物を垂れ流すから、防衛と掃除をアリにやってもらわねば生存できない。
特に、ケアリ属との関係は非常に強い。一方、熱帯要素の強い地域である香港で、かつてエノキ類に付いているものを見たことがあるが、それは無数の大型シリアゲアリが随伴していた。熱帯にケアリ属は分布しない。
このアブラムシ類は明らかに温帯の生物だが、分布南限がどこなのか気になる。

1092.jpg長野にて。

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マツモトイ!標本欲しいです!!松本のマツモトイかな?
日本産Stomaphisは現在18種です。
香港で本属を見たというのはもしかするとすごいかも。下記データベースをみれば解りますが、中国・台湾からも本属は記録があります。しかし亜熱帯ではほとんど記録は無いと思います。標本とか残っていないのですか?
http://www.aphidsonworldsplants.info/d_APHIDS_S.htm#Stomaphis

ただ難しいところとしては、見かけの派手さ(口が長い)の割に本属の特徴というのが微妙で、口が長い以外の特徴では他属と簡単に区別しかねるそうです。確かに本属の新種と思われるものを新ホストから採集しているのですが、口の長さが微妙で悩んでいるところです。
KUWAKIRA|2014.09.07/22:57
場所は・・ヒミツです。タイプ地以外の、オニグルミが生えていてケアリの多い2,3カ所で確認しています。在住当時はそんな特殊な種だなんて思いもしませんでした。この仲間、日本だけで18種もいたんですね。
香港では、少し地理的に離れた2カ所で見つけていて、いずれもエノキ類でした。外見は日本のyanoiそっくりでした。標本はいくつか採取したのですが、引っ越しの際に荷物の奥にしまっちゃって探索に時間がかかるかも・・台湾までいるとは知りませんでした。近日、台湾まで赴く用事があるので、探してみます。
-|2014.09.07/23:39

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