国の摂理に挑む者達―地を断つ手鍬は未だ折れず

2192.jpgノムラメクラチビゴミムシRakantrechus nomurai

九州中部の限られた石灰岩地帯に固有。本種は3亜種に別れ、それぞれ近隣の別々の場所に住み分ける。

ラカンメクラチビゴミムシ属は、日本の西南部に限って分布する地下性昆虫の一族。メクラチビゴミムシの中でも、特に地下深いところに住む仲間であり、個体数の少なさも手伝って、採集が至難な仲間である。土木作業で採ろうと思えば、たった一匹のために休日返上で丸一日を費やして掘る必要がある。
本属内には複数の亜属があり、ノムラはサイカイメクラ亜属になる。初めて見たサイカイメクラ亜属の種。しかしサイカイメクラのサイカイとは、長崎のさいかい交通のさいかいと同じだろうか。あっち方面には分布してないようだが…
この仲間は九州における種分化の程度が病的に著しく、たかだか半径十数キロ以内で10種弱が共存域なく住み分けている地域もあるようだ。しかしそれを裏返せば、個々の種の分布域が物凄く狭いということ。

2191.jpgサイカイメクラ亜属の仲間は、原則どの種にも胸部後ろ両端に毛が一本立つ。しかし、ただ一種のみ、その毛がない種がいる。そいつこそ今俺が求めてやまない、半世紀前に現世からロストした精霊・識別名[エレガンス]だ。
[エレガンス]は、ノムラの分布域から遠くないある山でのみ見つかっている。そして、外見がノムラに瓜二つらしい(それ故、絶滅させられた上に学術的価値が低いとの烙印まで押されている)。ノムラを見ていると、[エレガンス]を発見した気になれる。いっそ、胸毛を毛抜きで引っこ抜いて、[エレガンス]を再発見したと言い張れば…いや、やっちゃならんな。

あくまでこれはノムラであって、[エレガンス]ではない。本当の[エレガンス]を再発見しないとダメだ。

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