1329.jpg精霊。何者かはここに書かない。

暗黒の洞窟に生息する肉食獣で、岩の隙間に精巧かつ卑劣な罠をかけ、弱小生物を無抵抗の状態にしたうえで捕殺する。たかだか数ミリサイズだが、コウモリが生息しない洞では事実上最強の捕食動物。天敵らしい天敵が存在せず、しいて言うならば人間。
洞窟性生物だが、かといってあまり奥のほうにもいない。風や水により外界から流入する有機物に発生する小動物が餌だから。そのため、生息する洞であっても、これが見られるコアエリアは洞口からわずか数メートルまでの範囲でしかない。

日本固有種で、環境省の絶滅危惧種。富士山周辺に無数に存在する火山性洞窟のうち、相当古い年代に形成された数えるほどの洞窟にしか存在しない。その数えるほどの洞窟の中でさえ、近年生息の確認できない箇所が出始めてきた。実家に一番近いとある産地の洞で、2年ほど前から帰郷のおり執拗に探すも、一匹も発見できない状況が続いている。本当にそこが産地だったのか疑わしく思えるほど。

上の個体は、大変な苦労をして実家から一番遠い産地まで見に行った。辺鄙な山奥の手前までバスで入り、そこから後は徒歩で1時間樹海を彷徨い、辿り着いた洞でようやくデレさせることが出来た。ここまで出会うのが大変な生き物だとは思わなかった。
既知産地の洞のほとんどが私有地内にあるか、そうでなければ地図にも載らない所在不明のものばかりで、とにかく気軽に会いに行けない。それ故、撹乱を受けずかろうじて命脈を保ってきたとも言える。精霊の安寧を思えば、これくらいの障壁が人間との間にあっていい。

しかし、富士山界隈は世界遺産に指定されたのを受け、観光客が著しく増えているという。周辺地域の不必要な再開発により今後産地の状況が悪くならないか心配だ。

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