1363.jpgとある知り合いの家に偶然あった、大昔の小学館の昆虫図鑑。とうの昔に絶版で、もはや古本屋ですら入手困難。よく今までここに存在したと思う。

「裏山の奇人」(東海大学出版部)の冒頭にも書いた、俺が2歳でアリヅカコオロギという虫を知るきっかけとなった図鑑がこれ。ここからすべてが始まった。あれからまもなく自宅にあった図鑑は処分してしまい、それ以後よそでさえ一度も見る機会がなかった。「奇人」の冒頭で書いたアリヅカコオロギの掲載ページの話は、約30年前の記憶のみを頼りに内容を書き起こしたもの。

今改めてこの本のアリヅカコオロギ掲載ページを見ながら「奇人」の冒頭を読むと、図版の配置からキャプションの内容に至るまで、当時見たそのページの様をほぼ正確に記憶していたことが見て取れる。これだけの情報を、しかも立派なカブトクワガタでも美麗なチョウのページでもなく、ゴキブリの親戚みたいのがひしめくだけのページの内容を、たかが1、2歳のクソガキが30年間ずっと忘れずに覚えていたのだ。見ていて泣きそうになった。

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人は何に興味を持つかわからない。どうしてそれにこだわるのか、自分でもわからない。それまでの経験からか?好きな色彩や形だからか?周りの人の影響からか?だが、それは誰にも邪魔されないこと。自由なこと。それにしてもrichooさんの幼い頃の図鑑との出会いが、今の研究につながっていたとは、驚きです。感動をずっと心に燃やしてこられたことは素晴らしいことです。(私も小1で見た学研の「学習百科事典第2巻の「カブトムシ」「カブトムシのなかま」の写真や絵を時折思い出し、仕事の傍ら、野外に出ています。)
kiokuima|2015.02.14/09:22
ありがとうございます。やっぱり、生き物好きであったり生き物の研究をずっと続けている人々の中には、自分だけのバイブルを持つ人が少なからず存在するんですね。
幼少期に見聞きしたことは、いっけん些細でつまらぬ事でも妙に記憶に残り続けていたりします。
-|2015.02.14/19:04

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