1335.jpgカネコトタテグモAntrodiaetus roretziの巣。静岡にて。

1336.jpg崖地に横穴を掘り、入口に観音開きの二枚扉を付けて獲物を待ち伏せる不思議な生態を持つ。局所的に多いが、基本的に稀な者。そして、最近かつての産地を訪れると、一見環境が激変しているように見えずとも異様に数が減っているケースの多いように思う。ましてや環境の激変した産地の状況たるや、言わずもがな。
環境省の絶滅危惧種(準絶滅危惧、2012年版)に指定されているが、特に気遣われているような話は聞かない。この手の希少生物は、とにかく扱いが軽い。


環境省のレッドリストは、絶滅の危ぶまれる生物の名が各生物分類群ごとに「レッドデータブック」という名の冊子としてまとめられている。しかし、その中でも「その他の無脊椎動物(クモ形類・甲殻類等)」というカテゴリの分け方の乱暴さが、以前から気に入らない。
すなわち、無脊椎動物のうちある程度種数がまとまっている昆虫と軟体動物以外のものを、系統学的な脈絡なにもなしにゴミ箱のように放り込んだカテゴリである。節足動物(クモ、エビカニ、ヤスデ)、刺胞動物(クラゲ)、環形動物(ミミズ、ヒル)、海綿動物、苔虫動物、扁形動物がごちゃまぜに紹介されている。これらの生物は、多くが小型で目立たないうえ、一般に外見が醜悪に見られるものばかりである。
とりあえず話題性の低いものを全部丸めて突っ込んで蓋しておけという臭いがする。

しかも、そんなふうに片っ端から寄せ集めたカテゴリであってさえ、出来たその冊子の厚さが他の分類群のそれに比べてことさらに薄いのが、書店にあるレッドリストの棚を見ていて本当に悲しくてくやしいのである。

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