1388.jpgウチダツノマユブユの成虫。メス。

1389.jpg蛹を連れて帰り、家で羽化させた。いくらド普通種とはいえ、下甑まで行って一匹のブユも採らずに帰るのが忍びなかった。
特徴的な形状の蛹ゆえ、蛹の時なら種同定は容易い。下甑のブユに関しては、既によい文献が出ているのも一助となっている。しかし、野外でいきなりこの成虫を見たら、絶対に同定できない。成虫は、思っていたよりずっと小さい。

1387.jpgオスは顔が全く別の生き物のように違う。


ツノマユブユの仲間は、基本的に人間を吸血しない。そのため、人間にとって重要な害虫たる吸血種ほどは熱心に研究されていない面があるらしい。さすれば、サツマツノマユも実は下甑島内の別の水系で発見されずにひっそり生き残っている可能性も、なくはないということになる。しかしもし本当に生息しているなら、こちらの好む好まざるとに関わらず、どのみち害虫調査の過程で見つかるはずである。見つからないということは、やはりもう存在しないのか。

下甑は、とにかく平坦な場所が少ない。手打集落以外にそこそこな広さで平坦な地形で、なおかつ護岸されていなそうな水路が流れる場所はどこにあるかと調べてみた。国土地理院の地形図を閲覧すると、やや狭いがたった一か所だけそれらしき場所がある。グーグルマップで一番その場所の近くまで行って見てみたら、なるほどいかにもよさそうに見える。でも、実際に行って見ないと本当によい場所かはわからない。少なくとも高岡(1976)は、その場所でブユを採っていない。環境から見て、いなくて採れなかったというはずのない場所なので、調査の目から抜けている可能性は高い。
また、生息に適しているか否かは別にして、島の西側に細流が直接海へ流れ込んでいる箇所がいくつかある。それらは周囲に人の居住区がまったくないため、まず護岸はされていまい。ほぼ垂直な崖を数十メートル下りなければ到達できない、とても過酷な場所にあるが、確実に未調査の場所である。時期を改め、もう少し悪あがきしに行く価値はあるかもしれない。

別にブユの研究者でもないのに、なぜここまでブユに執心しているのか自分でも分からない。これが恋か。

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