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ウィンクラー装置。カメルーンで同行者が使った。

土壌動物を効率よく採集する魔性の武具。白い筒状の布を広げると、内部に網網の子袋が複数ぶら下がっている。これに、森から取ってきた土やら落ち葉やらを詰め込み、あとは風通しのよい場所にぶら下げるだけ。次第に子袋の土が乾燥してきて、それを嫌がった小動物が下へ下へと避難し、やがて子袋から落ちる。それを、下で容器に受けて捕らえる。
昔はこういう小動物採集にはツルグレン装置というのを使ったが、ウィンクラーは持ち運びが楽なのと、上から電球で乾燥させる必要がない手軽さから、近年野外調査では好まれる。

ウィンクラーは、たいていの場合ある特定分類群の土壌生物を捕りたい研究者が使う。下の受け皿には、土壌中に隠れていたあらゆる小動物が落ちてうごめいているが、しばしば研究者はその中から自分にとって必要な生物だけをえり分けて採集し、それ以外はその辺に捨ててしまう。
今回、甲虫の専門家と同行した関係で、甲虫(の中でも特定分類群)だけ抜き取ったあとの有象無象たちがそのまま宿の庭にうっちゃられていく様が、どうにも見ていて忍びなく、途中からそれらを引き取ってしゃぶることにした。せっかく、他にも珍奇な姿かたちのアリ、ザトウムシがわらわら入っているのに、もったいない。
今回の過酷な旅で、滞在中一番俺の心を潤したオアシスの一つが、このウィンクラーこじきであった。

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