1558.jpgハラクロコモリグモLycosa coelestisを狩ったアカゴシベッコウAnoplius reflexus

海浜でよく見かける種。徘徊性クモを狩った後、地中に巣を掘ってそこに蓄える。必ず狩猟が営巣に先立つ。

1559.jpg半ヤラセで麻酔行動を再現させた。クモの背面から取り付き、前から一番目と二番目の脚の間に毒バリを打ち込む。クモ狩りバチの面々は、この部分に強制(ギアス)を施す種が多いように思える。
半ヤラセと言っても、やらせるのは結構難しい。ハチはバカじゃないので、その獲物が生きて動く様をきちんと再現しないと、うまくだまされてくれない。本種の場合、徘徊グモ特有の突然ピッとダッシュして小刻みに立ち止まる動きを見せねばならない。しかし、ハチが運んでいるときにピンセットでクモを摘んで動かしても、ただ草に獲物が引っかかっているだけと判断するらしく、やってくれない。進む方角を確かめるため、一時的に獲物を放して周囲をうろつく瞬間があるため、その偵察から戻ってくる時にやってみせるとうまくいく。

1660.jpgこのハチは地面に穴を掘るが、ものぐさなので一から自力で穴掘りしたくない。大抵、すでに地面に空いている深いくぼみやへこみを利用し、そこへ獲物を引き込んだ上でさらに穴を掘り下げて巣とする。ここでは、同所的に生息する別種のハチが苦労して掘った巣穴を、主の留守中にパクッて勝手に営巣した。
地中営巣性のベッコウ類は、穴掘り中は近くの草葉に獲物を引っかけておくことが多いが、アカゴシは営巣するくぼみにとりあえず引き込んでしまう。アリなどに獲物を横取りされたくないので、地表にむき出しのまま置いておきたくないのだ。

このハチがクモを引きずって歩くとき、ごくまれにトンデモナイお荷物が後ろから一緒についてくる場合があるという。九州ではたぶん記録はないが、あまりにもアカゴシベッコウの生息密度が濃い場所なので、案外いるんじゃないかと思っている。おそらく日本で、そのお荷物がついてくるさまを野外で見たものは、史上一人か二人しかいない。

福岡にて。

トラックバック

http://sangetuki.blog.fc2.com/tb.php/1603-d09aaa54

お荷物ってなんぞや?
おれ|2017.03.08/15:56
これを目ざとく見つけて寄生しようと狙う、珍しい寄生蜂がいるのです。
-|2017.03.08/16:24

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する