1707.jpgコマクサDicentra peregrina。長野にて。

ハイマツの生える高山帯の開けた砂礫地に生える、高山植物の花形。女王とすら形容される美しさで、つとに著名。しかし有名さの割に、国内におけるその生態学的研究は意外なほど進んでいない。生える場所が場所なので、物理的にも法的にも気安く出かけて調査出来ないのだ。

親植物からこぼれ落ちたコマクサのタネは、従来は風や水に運ばれて分散していくと考えられていた。しかし、ケマンソウ科植物は、タネにアリが好むエライオソームをつけ、アリにタネを運ばせる。コマクサのタネにもしっかりエライオソームがあるため、何らかのアリが分散の一助を担っているのは疑うべくもなかった。

一昨年、北アルプスのコマクサ群落が発達した砂礫地において、同所的に優占して生息する高山アリ、タカネクロヤマアリがコマクサのタネを運搬することが確認された。日本の高山植物で、現地に生息するアリによってタネが運ばれる様が観察された、初めての事例となった。
ただそれしきの発見だが、それしきの発見すら先例がなかったのだ。

Komatsu, T., Itino, T., & Ueda, S. (2015). First report of seed dispersal by ants in Dicentra peregrina (Papaveraceae), an alpine plant in the Japanese Alps. Entomological Science, 18(2), 271-273.

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コニシキソウとトビイロシワアリの場合もエライオソームだけ横取りして、種を放り出す、コニシキソウは図らずも?版図を拡げる、
コマクサ、馬面というか角のある山羊面かも・・
愛らしくも有毒だとか、白花も見たいです。
瓜豆|2015.09.01/14:08
恥ずかしながら、今年生まれて初めてコマクサの開花した花を見ました。タネの研究は、花が散らないと出来ません。昔は百草と呼んで薬にしたそうです。毒と薬は紙一重ですね。
-|2015.09.02/09:54

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