2680.jpg屋久島うどん(そば)。サバの薫製が乗っていて、さらにトビウオの唐揚げがついている。屋久島空港で食える、好物のひとつ。

屋久島空港から昼の便で帰る際、いつも空港内の飯屋で時間を潰すのだが、その際必ず店内に置いてある屋久島の民話をまとめた本を食い入るようにして読む。
屋久島の古老達から聞き集めた、この島独自の昔話の集大成というようなことが序章に書いてあるその本は、しかし何処かで聞いた事のある昔話のアレンジ版としか思えない内容も結構多く収録されている。そのアレンジも、オリジナルより悲惨かつ理不尽な方向に。

かちかち山の、登場人物のうち狸を猿に挿げ替えたような話がある。悪さする猿を捕らえて縄で縛り上げた爺が、後で鍋にして食うからと婆に見張らせ、芝刈りに行く。だが、猿は言葉巧みに婆を油断させて縄を解かせ、隙をついて婆を殴り殺す。そして猿は婆に変装し、本物の婆を解体して婆鍋を作り、帰ってきた爺に食わせてしまう。途端に正体を現した猿は、婆鍋食った婆鍋食った!と爺を囃して逃げてしまった。
オリジナルのかちかち山なら、爺はその後ウサギに仇討ちを頼んで狸をぶち殺し、めでたしめでたしで溜飲を下げるはずだが、屋久島には残念ながらウサギが生息しない。だから、可哀想に爺はとうとう独り身になっちまったとさで話が強制終了してしまうのだ。

また、「せかいいちのはなし」っぽい話がある。オリジナルの方は世の中上には上がいるんだぞという、思い上がりを戒める教訓の物語だったはず。しかし屋久島バージョンでは、大鷲、巨大エビ・・・と来て、最後に巨大イカが出てくる。巨大イカは、自分よりでかい生物がこの海にいるかどうか確かめるべく旅をしたが、いなかった。だから、世界最大の生物はイカなんだそうな。もはや教訓もクソもない。そもそも世界最大生物はイカじゃないし。

なんじゃそりゃ?と思うような胸糞悪い終わり方や、オチも何もない話も多い。糞尿ネタも少なくない。そうした泥臭い、読んでてイライラする感じ全てが、実に昔話らしくてとても好きなのである。昨今の幼児教育の現場では絶対に語られることのない、飼い慣らされてない昔話がそこにある。

個人的に好きな話は、生き鳥を丸呑みにして以後変わった音色の屁が出るようになった爺が、偉い人の前でその屁を披露して喜ばれ、大金を得た話。その噂を聞いた強欲爺が、真似して偉い人の所へ行ってケツをまくり屁を出そうとしたが、屁は出ず代わりに未消化の麦飯を肛門から大量噴射してしまい、偉い人からボコ殴りにされる。
その際の排泄の擬音が最高に汚く、読んでて思わず笑いそうになった。文学作品で、人の排泄音をあそこまで汚らしく表現した例を他に知らない。知りたい人は、屋久島空港まで行って確認のこと。

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