2252.jpgヒゴホラヒメグモNestics higonsis

九州の地下空隙に特産する。その名から推測されるほどは分布域が狭くなく、北部から中部にかけて連続的に分布する。
岩の隙間に、不規則な網を張って獲物を待ち受ける。外部から流入した有機物により餌の小動物が多く発生する、洞窟の入り口から10数m位までのあたりが一番多くの個体を見つけやすい。だが、コウモリのクソが堆積していればかなり奥の方でもそれなりに見られる。

ホラヒメグモ類には、このヒゴホラのような大形の種群と、比較的小型の種群のものが存在する。小型種群のものは、かなり狭い空間にも巣を作れるため、ちょっとした石垣やモグラの巣など日本中どこにでもあるような地下空隙でも生息できる。それを受け、1種あたりの分布域もわりと広い。
他方、大型種群は営巣のために一定以上の空間を必要とする上、乾燥にとても弱い。そのため、洞窟やそれに準ずる多湿な地下空隙に依存した分布様式を示す。自分の生息拠点から遠くに移動することができないので、必然的に孤立した個体群を形成することとなり、地域ごとに細かく種分化する傾向が強いのである。

日本の大形ホラヒメグモ類の種分化の激しさは、他国と比べても抜きんでており、外国のクモ学者が総じてぶったまげるレベルらしい。ことに九州のものにおいては、狭いエリア内でメクラチビゴミムシ並に複雑な種分化を遂げている(複数種からなる共存域は、原則ない)上、四国や本州に分布するものとは系統的に関連性が薄く、生物地理学的に見て重要な試料である。

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