嘆きの悪魔卵

2247.jpgカギバラバチ。フレンチギアナにて。

夜間灯火に来た。日本ではときどき見かけていた仲間だが、まさか地球の真裏にもこの仲間がいるとは思わなんだ。

カギバラバチ科Trigonalidaeは、非常に手の込んだ複雑な生態を持つ。メスは様々な植物に大量かつランダムに卵を生みつけまくる。その卵が偶然、近くを通りかかったイモムシ(ガやチョウの幼虫)に葉と一緒に齧られて飲み込まれた時のみ、そのイモムシ体内で孵化する。近くをイモムシが通りかからないままだった場合、卵はそのまま孵らず死ぬ。ここからの運命は、カギバラバチの種によって大きく異なる。

ある種の場合、そのイモムシ体内に既に寄生しているヤドリバエの幼虫に寄生する。ヤドリバエを体内に宿しているイモムシに食われないと、ハチの幼虫はもうそこで死ぬしかない。別の種の場合、そのイモムシがスズメバチに見つかって殺され、肉団子にされた際、その肉団子にまぎれてスズメバチの巣に運ばれ、スズメバチの幼虫に食われる形でこれに寄生する。自分がかりそめに寄生したイモムシがスズメバチに発見されず、そのまま無事に育ってしまったら、ハチの幼虫の命運は尽きる。

この個体は、そんな宝くじみたいな運任せの幼虫時代を、ラッキーマンの如く切り抜けてようやく成虫まで育った強運の持ち主である。その強運も、同行した虫のおじちゃんに摘まれて毒ビンに放り込まれる形で尽きたが。

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他にいい方法が無かったのか?と思ってしまいます。
それにしても、この生態を解明した人は凄いと思います。
うしくびげんじん|2016.03.25/23:32
寄生虫の生態って、ほんと面白いですよね。生物の生き方の可能性の限界です。
-|2016.03.26/07:58

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