存在の消えゆくごみむし

2307.jpg美しき至高の地下性生物。

九州の限られたエリアの地下空隙に特産する。この手の生物としては異例だが、そのエリアには同所的に2種のこれが共存する。

メクラチビゴミムシの名は、世間ではもはや忌み名として扱われているようで、テレビやラジオなどの媒体で話題に登ることはまずない。新聞や博物館などの展示においても、しばしば「メクラ」部分を削除した名で出ている。ひどいのになると、チビさえ抜かれた名で書かれることさえある。もはやただのゴミムシではないか。じきにゴミとムシすら抜かれるのではなかろうか。
恐らく、出版社や主催者サイドの諸々の自主規制規則に基づいて、こういう措置はなされるのであろう。しかし、生物の和名というのは、それ自体が一つの固有名詞なのであって、特定個人の裁量によって勝手に都合よく文字を抜き差ししていい性質のものではないと思う。

オンタケメクラチビゴミムシKurasawatrechus tanakaiという虫がいる。もし、何かの展示やらで「客の心象を害するから」と言って、オンタケチビゴミムシの名で紹介したとする。しかし、この虫とは別にオンタケチビゴミムシTrechus vicariusという全然分類群の違う虫が、既にいるのである。これでは、知らない人が見た場合混乱の元にしかならない。言ってみるなら、モグラをゾウの名で紹介しているようなものである。
分類学に明るくない人が勝手に生き物の名から都合の悪いワードを抜くと、予想もしない場面でこういう変なことが起きかねない。だから、俺はメクラチビゴミムシからメクラを抜いて紹介するようなやり方が嫌いである。

俺はこれまで博物館等の展示でこの虫のことを紹介する際、当たり前だが堂々とメクラチビゴミムシの名を使ってきた。この先、正式な合意を経てメクラはやめましょうということになって改名でもされない限り、死ぬまで使い続ける所存。

トラックバック

http://sangetuki.blog.fc2.com/tb.php/1968-83a1d798

 
綺麗な写真があって素敵なブログですね。
更新楽しみにしてます。
 |2016.05.19/16:54
ありがとうございます。
-|2016.05.19/22:39

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する