三河のがきはまけずがき すでに祠が乾くとも

2414.jpg言わずと知れたアレ。

この2-3年間に、もうかれこれ30回近く通った「ニセたかやま」の洞。古くは同所的に3種もの固有種の地下性甲虫が住む、伝説の地だったらしい。しかし今、この洞窟は死んでいる。ここ10年位の間に行われた周辺地域の開発行為により、地下水位が下がってしまい、洞内が乾燥してしまったから。
ここの洞内の環境変化は不可逆的なものであり、しかも原因の出所が周囲一帯にあるため、もう元通りにはならない。辛うじて1種のみ生き残っているが、時間の問題かもしれない。残り2種はもう今後この洞で見つかることは期待できず、事実今世紀に入ってここで得られた記録はほぼない。というより、最近は皆無。この残りの2種の生存をどうにかして確かめたくて、ひたすら徒労を繰り返してきた。

周辺の沢を掘っても基本的に何も出ないため、洞に限らずこの地域一帯の地下環境が、総合的に悪化しているのが分かる。地形図から判断する限り、恐らく模式産地と同じ分水嶺上にある沢で、もうここで出なかったらここに通うのは辞めようと思っていた最後の沢を掘った。泥を被り、落石で指を挟みながら一時間掘った末、薄い黄色の甲虫が隙間からたった1匹出た。多分、今世紀に入って以後人類が見つけた2匹目か3匹目の個体。今までの不毛な月日は、この瞬間のためにあった。想像以上に巨大で、最初てっきり「赤い奴」の矮小個体でも出たのかと思ったほど。
この地域の地下環境は、まだ完全に死んではいないことが分かった。残りあと一人、あの黒い精霊を落とせる希望が、首の皮一枚の所で残された。冷め切った心に、再び火が灯った。

ニセたかやまは、個人的に交友のある2,3の土木作業員にだけ通じる合い言葉。つまり、上記は業務連絡。

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