2480.jpg田舎町「カカメガ」の宿。ナイロビから車で8時間近くもかかる遠い場所で、今回の調査拠点の一つ。

洗面台はあるが水道はない、電気が通っておらず夜間の3時間くらいのみ発電機を回してつける、夕食中の部屋に糞転がしが突撃してくる等、不便なところが多い。日本人観光客がこんな宿に泊まった日には、ネットの宿泊地レビューサイトにとうとうと酷評を並べるに違いない。しかし、我々フィールド研究者にとっては、屋根の下で雨風夜露がしのげて布団の上で寝られるだけで上等だ。
ゲストハウスはそれなりに近代的建物だが、管理人などの住む離れは茅葺きの土壁。

2479.jpg便所とシャワー室。右端がシャワー室、真ん中が水洗、右端がボットン。僻地ながら、シャワーは湯が出る。すぐ脇に竈があり、ここで薪を燃やして湯を沸かしているのだ。ものすごく熱くて、下手するとやけどする。しかし、冷水のレバーをひねると一瞬にして熱湯シャワーが冷水シャワーになってしまい、中庸がとれない。ウドンやソバの気持ちになりたい人用。

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便所は、水洗のほうは一回流してしまうと内部のタンクに水がたまるのにすさまじく時間がかかり、ブツを流せない。だから、誰かが使用した後すぐに入ってしまうと、個室から出るに出られない状況に追い込まれる。よって、何も考えずにスッと入ってスッと出られるボットンの使用が、男なら推奨される。
ボットンは、ちょっと傾斜が付いているだけの、文字通りただの穴。和式便器のような「金隠し」すらない。個室のドアを開け、夥しい数のチョウバエとハエとヤブカを追い出してから中に立てこもる。

ある日の夜、発電機が切れて完全に闇となった後、ヘッドライトを付けて便所に行った。その時ふとボットンの便槽の底がどうなっているのか気になり、放尿がてらライトでボットンの底を照らしてみた。すさまじい光景が目に飛び込んできた。言葉では言い尽くせない大いなる存在が、便槽の底一面をびっしり覆いつくし、一斉にうごめいていた。タタリ神そのものがそこにいた。
このタタリ神は、毎日上から降ってくる糞尿にすぐさまたかって即刻食いつくし、分解しているのだ。そのため、このボットンは糞尿が直に積み重なっている割には悪臭が思いのほか強くない。ある意味、究極のエコトイレと言えるだろう。

なお、未消化コーン等をちりばめた荘厳なるタタリ神の全貌写真は、ちゃんと高画質で撮影しておいた。だが、その神をこんなネットの海に晒すなどという不敬極まる真似、俺には畏れ多くてできない。家のパソコンの壁紙にする程度の使用にとどめ、大切に保管しておきたい。

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