2673.jpgサガノセキメクラチビゴミムシRakantrechus fretensis

九州中部沿岸の限られたエリア(などと隠すも野暮な名前だが)に分布する地下性生物で、近接して分布するウスケメクラチビゴミムシの友達。外見ではウスケと全く区別できないが、交尾器形態は異なる。要領さえ分かっていれば、この手の生物としては見るのは簡単な部類だが、そうでない者には一匹も見つけられない。そしてその方がこの虫の安寧のためである。

ラカンメクラチビゴミムシ属は、さらに複数の亜属に分かれている。その一つウスケメクラチビゴミムシ亜属Pilosotrechiamaは、長らくウスケ1種のみからなるとされてきたが、近年このサガノセキをはじめ複数の新種が見出され、4種からなることになっている。うち3種は九州産なのに対し、残り1種は豊後水道を挟んで対岸の四国沿岸に分布が飛ぶ。かつてこの二つの地が地続きだったことを物語る、まさに生きた歴史書である。
そんなわけで、最新版である環境省レッドデータブック2014(昆虫編)95ページのウスケメクラチビゴミムシの解説文にある、「本種のみからなるウスケメクラチビゴミムシ亜属」という記述は正しくない。

誠に申し上げにくいが、最新版の環境省レッドデータブック昆虫編におけるメクラチビゴミムシ類の解説文は、しばしば最新の文献をフォローせずに書かれており、現行に即していない。例えばマスゾウメクラチビゴミムシの解説文中に「原記載以後採れていない」とあるが、実際は近年まとまって採れている。


Ueno S (2008) The Blind Trechines of the Subgenus Pilosotrechiama (Coleoptera, Trechinae) from Eastern Kyushu, Southwest Japan. Elytra 36(2), 369-376.
北山健司 (2007) マスゾウメクラチビゴミムシの追加記録。ねじればね 119:15-16.

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