2712.jpg精霊。

日本では対馬にのみ生息し、獣の糞に集まる。昔は牧場周辺でないと採りづらく、マニアに採られすぎて絶滅が危惧された時期もあったらしい。今は対馬全域でシカが過密状態にまで増えすぎ、さらに一度根絶されたはずのイノシシまで侵入して激増した関係で、島内山林の至る所が獣のクソだらけになっている。それを受けて、この虫は近年むしろ増加傾向にあるようだ。上の個体も、周囲に全く牧場がない市街地そばの植林地で見た。

シカの激増に伴う直接・間接的作用により、大抵の虫は個体数を減じている一方、それまで非常に稀だった虫が普通種になる例が散見される。福岡の英彦山から記載された森林性のエサキクチキゴキブリは、英彦山では1940年代に少し採れて以後一匹も発見されない状態が長く続いた。しかし、2000年代になってぽつぽつ見つかり出し、今や森の倒木を崩せばどこでも簡単に採れるようになった。このゴキはかつて環境省の絶滅危惧種にまでなっていたが、今や普通種なのでリストから下ろされている。
英彦山は近年シカの増加に歯止めがかかっていない状況で、食害に伴い沢山の木が枯死している。倒木が増えて営巣環境が良好になったのが、この朽木営巣性ゴキブリの急増した原因と思われる(正確な理由は不明だが、これ以外に理由が考えられない)。ただ、今はこのゴキにとって営巣場所に不自由しない状況ではあるが、一方で森の次世代を担う若い樹木がほとんど育っていないため、このまま抜本的な策が講じられなければいずれ山の木全てが倒れ尽くして森自体が消滅する。朽木の供給も無くなり、再びこのゴキは姿を消すのだと思う。

いいのか悪いのか。

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