2764.jpgツヤオオズアリPheidole megacephala。奄美にて。

海岸など乾燥した荒地にはきわめて普通に見られる。コロニーサイズが巨大で、なおかつ繁殖力が強いなどの理由から、本来いなかった場所に持ち込まれて定着すると土着生態系に悪影響をなすことが懸念される。そんなわけで世界的には挙動が警戒されている生物だが、少なくとも日本では本種が何か生態系に問題を起こしている雰囲気はない。
日本のこれの巣内には強力な捕食寄生性のダニが高頻度で寄生しているため、常軌を逸した増殖は抑えられているらしい。「アリの巣の生きもの図鑑」(東海大学出版部)には、そのダニの目くるめく生態が掲載されている。

これに限った話ではないが、オオズアリの仲間は野外で生きたまま撮影するのが結構難しい。素早く動くのに加えてサイズが小さいこと、形態が立体的過ぎることが原因。特に大型働きアリの場合、側面から撮影する際に胴体にピントを合わすと眼にピントが合わない。眼にピントを合わすと胴体にピントが合わない。
しかも、オオズアリ類の大型働きアリは警戒心が強く、特にこのツヤオオズの場合夜間でないと表に出てこないのである。しばしばオオズアリの大型働きアリは「兵隊アリ」と呼ばれることもあり、外敵との戦いに特化した勇猛なカーストのように思われている。しかし実際はとんでもなくチキンであり、よほど巣内をもみくちゃに破壊しない限りはまず人間に向かってこない。彼らの仕事は戦いではなく、行列を塞ぐ障害物をどかすブルドーザーとしての役割が大きい。これは同じく大型働きアリが巨大・巨頭化する東南アジアのヨコヅナアリでも言えることである。
真に大型働きアリが「兵隊」としての役務のみに特化しているのは、中南米のグンタイアリくらいしかいない。だから、近年のアリに関する論文において、大多数種のアリ種でみられる大型のワーカーの事はソルジャーではなくメジャーと呼ぶようになっている。「兵隊アリ」という言葉は、今や限りなく死語に近い。

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「チキン」を取り消して下さい。
小松様

いつも楽しませていただいています。

数年振りのコメントが、このようなもので申し訳ありませんが、お許しください。

オオズアリのメジャーワーカーは、決して「チキン」などではありません。
オオズアリとトビイロシワアリとの闘いでは、肢に食いついたまま絶命したトビイロシワアリの頭部をいくつもぶら下げたメジャーワーカーを見ましたし、写真も撮りました。

一般的に素早さでは、トビイロシワアリよりオオズアリのメジャーワーカーの方が勝ります。
そしてトビイロシワアリとの闘いで勝利を得るのは、状況にもよりますが極めて困難なことです。

私の見たそのオオズアリのメジャーワーカーは、トビイロシワアリとの闘いから逃げようとすればいつでも出来た筈なのに、あえて多数を相手に闘いを挑みました。
そのような彼女を「チキン」と呼べるでしょうか。

私は大好きなオオズアリ(一族)の「名誉」のために発言しました。
参考になると思いますので、Alexのサイトへのリンクを貼らせていただきます。
http://www.alexanderwild.com/Ants/Natural-History/Ants-fighting/i-NMkQTKq/A

必ず取り消して下さいね。
H・Yoshida Kisarazu|2016.12.29/21:09
どうも、ご無沙汰しております。

確かにチキンは言い過ぎかもしれませんね。しかしその一方で、大半種のアリのメジャーにおいては、障害物の除去や液状食の貯蔵など様々な業務を兼業しています。あくまでも戦闘狂ではないというニュアンスです。他方、文中にもあるように巣の本丸を暴かれた際には、メジャーも果敢に攻撃してきます。外敵への攻撃性自体を否定している訳ではありません。
また、この日記をご愛顧頂いている方ならご存知と思いますが、基本的にここはあらゆる生物を悪友として紹介するスタンスですので、コケしているわけではありません。私もオオズアリを愛する一員であり、その愛情表現の一つがこれな訳ですので。
-|2016.12.30/08:05
言葉の使い方がおかしいです
それに「生き様」とか「チキン」とかが出てくるスタンスには共感しません。
それに、言い過ぎと思うなら素直に訂正しなさいよ。

ペルーの時に一生分の購読料はお払いしているつもりですので、これからも興味本位で覗かせてはいただきますが。

H・Yoshida Kisarazu|2016.12.30/09:14

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