2791.jpgドウクツケシガムシCercyon uenoi

ガムシの仲間は水生昆虫として名高いが、陸生種も相当多い。陸生種は軒並み微小で、動物の糞や腐敗物といった有機物を餌にしている。海外には、アリやシロアリの巣のごみ溜め部屋にしか住まない者さえいる。水生ガムシは英語でウォータースカベンジャービートルだが、スカベンジャーなのは陸生種も変わらない。

九州の限られた洞窟内の、限られたハビタットに固有の種。コウモリのクソの山に潜り込み、これを餌とする。日本産ガムシ類としては恐らく1番地下生活に特化した種で、体が赤い。しかし、眼までは退化しなかった。
元々生息域は極限される。さらに、産地の外見上の環境は昔とさほど変わらないにも関わらず、激減しているという。一見、地上とは隔絶された環境に思える洞窟も、その構造や立地により外界の影響を多分に受けるものである。洞窟の生き物が少ないという時、それがたまたま調査した時の季節的な要因のせいなのか、本当に環境が悪くなって減っているのかは、慎重に判断されるべきであろう。

2790.jpg体長3mmに満たず、地上に出てこないこの虫の存在を知る者は少ない。まして、実はこの虫を裏返すと、胸元の真ん中(中脚左右の付け根)に小さな舟の形のスティグマを抱いている事を知る者は、皆無に等しい。この種を含め、幾つかの腐れ物食い陸生ガムシはこの特徴を持つ。なぜ舟の紋章を持つのかは謎。水生の種にも、持つものは持ってるのかもしれないが、詳しくないので知らない。
陸生種しか持っていないのであれば、陰気な汚物まみれの生活にうんざりし果てて、他の仲間達のように広大な水の世界へ漕ぎ出したいという憧れが具現化したもの、と珍説を唱えておく。

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