2893.jpgカザアナギセルNeophaedusa spelaeonis

九州のきわめて限られた洞窟にのみ生息する陸貝で、日光の差し込まない深部にしか生息しない。生息地は観光地化などの影響で乾燥化が進み、近年個体数が激減している。さらに、貝殻コレクターが相当数を洞窟から持ち出しているらしく、かつて多産したという産地を訪れても全く姿が見つからない。生死を問わず採っていくので、死殻すら地面に落ちていない有様。
虫もものによってはそうだが、こういう特殊な環境に依存して分布域の狭い陸貝の類は、産卵数も多いはずはないので、一度にまとまった数を採られると一発で絶滅に瀕する恐れがある。九州には他にイシカワギセルとケショウギセルが洞窟性陸貝として知られるが、どれも同じような理由で存亡の危機に立っている。古い文献を見ると、「どこどこの洞窟では数多く、一度に30-40匹採ることが出来た」などと書いてあるが、それが原因でいなくなったんじゃねーのか、と思ってしまう。

写真は、狭い洞窟を1時間ほど眼を皿のようにして這いずり回り、やっと1個だけ見つけた死殻。死んでいるので持ち帰っても個体群存続には何ら影響しないのだが、何となく持ち帰るのが忍びなく、置いてきた。

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