なぞのキララ

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ヒューイットソンキララシジミPoritia hewitsoniのオス。タイにて。
キララシジミの仲間は東南アジアにいくつか種類がいて、いずれも小型ながら青く輝くきれいな翅を持つ。これをわざわざ採るor撮るために東南アジアに出向くマニアも多いようだ。画像検索すると、結構これを撮影した日本人のブログが引っかかってくる。その日本人の多くが顔見知り・・

そんな大人気のキララシジミだが、この蝶には大きな謎があって、幼虫が見つかっていない。この「見つかっていない」というのが、殆どなのか全くなのかはよく分からないのだが、とにかく幼虫期の生態が明らかにされていない。食草も分かっていないので、探しようがない。
生態の判明しているアフリカ産の近縁群(コケシジミ亜科Lipteninae)の生態から判断して、全身が白く長い毛で覆われた毛虫で、多数個体が群生しているのではないかと言われている。また、シジミチョウ科の蝶は幼虫期にアリと仲がいい種類が多いが、どうやらキララはアリと共生しない可能性が高いという。体毛が長過ぎるため、物理的にアリと接触できないというのが理由。

でも、これはあくまで推測なので、実際のところどんな姿の幼虫なのかはよく分からない。大体、成虫があれだけ多くの人間に撮影されている蝶なのだから、決して珍しい訳ではないはずだ。白い毛で覆われた目立つ姿というならば、歴戦の蝶マニアがもう発見していてもおかしくないのに。毛虫だから、蛾の幼虫と思われてスルーされているだけかもしれない。とにかく、謎。

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薄暗い森にたたずむメス。種名は分からない。マレーにて。
※種名はPoritia sumatoraeであると、数人の方から教えて頂きました。ありがとうございます。

俺の海外での調査地である山間部の森では、ある区画にいつもメスが見られる。日の光も差さない森の葉上に止まっては少し飛ぶという動きを延々繰り返している。蝶のメスがこういう飛び方をするのは、決まって産卵場所を求めているときなので、あれの跡をひたすら追えば絶対に食草まで導いてくれるはずだ。
しかし、奴はまだその神秘のベールを人間ごときに剥がさせる気がないらしい。ちょっと追いかけると、すぐに高い木の樹冠へ舞い上がり、追跡を強制終了させられるのが落ちだ。

好蟻性であるか否かに関係なく、いつかこの蝶の幼虫を探し出したいと思っている。きっと、誰かに先を越されそうな気はしているが。虫の世界は、まだまだ分からないことだらけだ。

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キララシジミは楽しいですよ!
画像のメスはPoritia sumatoraeです。
sumatoraeには、まだ縁がありません……。
ze_ph|2012.06.22/00:47
ありがとうございます。キララは種類がよく分からないのですが、見る人が見れば分かるものなんですね。
マレーにはベトナムの茶畑のような観察適地がないので、観察は偶然の産物でしかないのが悲しいところです。
richoo|2012.06.22/08:01

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